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虚無への供物 下 講談社文庫 新装版

中井英夫

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062739962
ISBN 10 : 4062739968
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2004
Japan

Content Description

アパートの一室での毒殺、黄色の部屋の密室トリック―素人探偵・奈々村久生と婚約者・牟礼田俊夫らが推理を重ねる。誕生石の色、五色の不動尊、薔薇、内外の探偵小説など、蘊蓄も披露、巧みに仕掛けたワナと見事に構成された「ワンダランド」に、中井英夫の「反推理小説」の真髄を見る究極のミステリー。

【著者紹介】
中井英夫 : 1922年、東京・田端に生まれる。東大在学中に吉行淳之介らと第14次「新思潮」を創刊。「短歌研究」「短歌」編集長として中城ふみ子、寺山修司、春日井建らを紹介。’64年、塔晶夫の筆名で『虚無への供物』を刊行、推理小説の墓碑銘とまで絶賛された。その後、『悪夢の骨牌』(泉鏡花文学賞)などの著作で人気を博した。’93年逝去、享年71(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ehirano1

    ぶっ飛びのメタ展開には度肝を抜かれました、こりゃあ奇書ですわ!このメタ展開だけでも読む価値はあるように思います。一方で、前半戦で終始感じていた違和感の正体が本作の結論によって解けました。

  • 散文の詞

    遅読のすすめで、半年程かけて読みました。 上巻を読んでるからこその韓流並みの伏線の回収の凄さに驚愕です。 鴻巣玄次、五色不動、薔薇の三原色、原爆の子、シャンソンの見立てなどです。 ただ、最後に向かって尻すぼみで、特に動機がいけません。 私が凡人なせいか、何度読み返しても動機が解りません。 そして、探偵の探偵らしからぬ行動。突如提示される「読者が犯人」というフレーズ。 アンチミステリーというのが、こういうことなのかとわかったようなわからないような。

  • 七色一味

    読破。三大奇書の1冊の下巻。これを「奇書」と呼ぶ理由がわからん…。これはアンチ・ミステリーなのかな? アンチ・ミステリーと言うなら推理小説全てを否定しなければならないが、何だかんだ言いながらこいつは立派な推理小説だし…。そう、私、この本の結末は、「実は密室なんてものは存在せず、事件には全て関連性はなく、事件も、事件性は認められない事故であり、結局【推理】することがいかに無駄で根拠のないものであるか」を滔々と述べて終わるのかと思ってましたよ。そう言う意味では、何か物足りなさを感じましたねぇ。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    再読です。悪趣味なことだが探偵は事件を自分の物語として書き換え、犯人すらそれを促す。関係者を顧みずに事件を本来、事件とは関わりがない自分の物として弄ぶ化け物を私達は飼い馴らしていることへの警告も知らしめている。あの人物の告白にその人の最後の矜持が伺えて泣きそうになります。この作品があったからこそ、「私達、読者こそが犯人である」と題を撃った作品(深水氏のデビュー作や「クリスマス・テロル」)も生まれたのですね。

  • HANA

    氷沼家を巡る事件もいよいよ佳境に。誕生石に薔薇、五色不動と事件に纏わるギミックは豪華なものの、肝心の事件自体はますます捉えにくいものとなってきている。真相自体はアンチ・ミステリ、探偵小説の墓碑銘と呼ばれているのにふさわしいけど、今となっては色々と模倣したもの、影響を受けたものに思い当たるな。ここでの「死」に纏わる言葉や真犯人の正体は何となく笠井潔の問題提起等を思い出したりする。その傾向はマスコミやネットの発達によって、ますます顕著になっているような。そういう意味では現代に通じる普遍性を持った名作である。

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