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文と本と旅と 上林曉精選随筆集 中公文庫

上林曉

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122072282
ISBN 10 : 412207228X
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「昔は僕も新刊書の匂いが好きであったが、この頃は古本の匂いがずっと好きになった」。文章、本(古本)、旅、酒、そして人…。私小説作家・上林曉の魅力が伝わる題材に寄せて、全生涯にわたる名文を精選。愛書家の心に染み入る随筆業。

目次 : 文(文学の二十年/ 私の小説勉強/ 嘉村礒多の葉書/ 僕の文学開眼/ 武蔵野文章/ まともな文章/ 私小説十年/ 本気の勉強/ 作家の心)/ 本(荻窪の古本市/ ブランデン氏の記念品/ 大正の本/ 古本漁り/ 本道楽/ 故郷の本箱/ 座右の書/ 「神曲」が三冊揃う話/ 全集について/ なつかしき思い出の本/ 「薔薇盗人」について)/ 旅(金桁鉱泉と奴留湯/ 法隆寺の敬礼 ほか)/ 酒(古木さん/ 我が交遊記 ほか)/ 人(酒匂郁也君を憶う/ 署名帖 ほか)

【著者紹介】
上林曉 : 1902年、高知県生まれ。本名・徳廣巖城。東京帝国大学文学部英文科卒。改造社の編集者を経て、作家の道に進む。精神を病んだ妻との日々を描いた『明月記』、『聖ヨハネ病院にて』、脳溢血によって半身不随となった後に発表した『白い屋形船』(読売文学賞受賞)、『ブロンズの首』(川端康成文学賞受賞)など、長きにわたって優れた私小説を書き続けた。80年死去

山本善行 : 1956年、大阪府生まれ。関西大学文学部卒。古書店「古書善行堂」店主(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • HANA

    文章に対する想いや古本屋の思い出、旅に関するあれこれや酒席や人々の事。本書は私小説作家が思い出を綴った随筆である。どの作品も派手さこそ無いが、しみじみとした文章が何時までも心に残りそうである。趣味を同じくする古本屋を彷徨する話も読んでいて心地よいが、武蔵野散歩や法隆寺、京都といった旅行記も私小説家ならではというか、普段気に留めない道端の事を上手く描いていてとても面白い。そして小説家仲間との付き合い等も。それにしても私小説も身辺の事を描くのなら随筆もまた身辺を描いたもの。その境ってどこになるんだろう。

  • 望月衣塑子そっくりおじさん・寺

    上林暁の本を久しぶりに読んだ。やっぱりいいなあ。著書の多くが新刊書店では入手しにくい作者なので、こうして新刊文庫で出る事も嬉しい。西村賢太で普及した「私小説」だが、上林曉は長く私小説一筋に書いてきた、ジャンルの金字塔のような人である。長編はひとつも書いていないのに、筑摩書房から全19巻もの決定版全集が出ているスゴい人なのである。井伏鱒二や太宰治とも交流していた人でもある。本書はエッセイ集で、交遊録や文学談、古本の話や旅行記など盛りだくさんである。読んでいると上林さんの優しい気持ちがふんわりと伝わって来る。

  • Y2K☮

    私小説作家・上林暁=改造社の編集・徳廣巌城(彼が創刊に携わった文芸誌「文藝」は、版元を移っていまも続いている)。その内情をじっくり味わえる随筆集。宇野浩二がどうしても原稿を書けず、手ぶらで辞した著者を社長が怒鳴りつけるエピソードを読み、これじゃ辞めたくもなるなと思った。でも宇野氏は「枯木のある風景」で六年待ち続けた労へ報いた。井伏鱒二や川端康成の鋭さと細やかな気遣いにも感服。いずれも著者の人柄ゆえかもしれない。芥川賞作家だけが優れた純文学の担い手ではない。秋の古書市で著者の本を探そう。尾崎一雄の私小説も。

  • kochi

    小説がラジオの朗読番組で取り上げられることになり、いよいよその放送の日、家族に聞かせたくない(家族の心情を害する話が出てくるため)作家は、隣家にあるお願いをするのだが… (「作家の心」)。私小説で名の知られた上林暁の随筆を集めたもの。紹介した随筆で朗読された作品はなんなのだろうかと興味がわく。超長寿番組表らしいので、そのような資料があるかどうか?であれば、小説の方を読まなくては、と思っていたら「病妻もの」を集めた文庫が秋に出るらしい。酒好きの性格からか、本に関する文の次ぐらいに、酒にまつわる話は面白い。

  • かもめ通信

    読み終えるのが惜しい気がして、少しずつ行きつ戻りつしながら、じっくりかみしめるように味わって、先日とうとう最後の頁までたどりついてしまった本。とにもかくにも隅々まで面白く、これを機に上林暁、もうちょっと追いかけてみたくなってきた。

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