金印偽造事件 「漢委奴國士」のまぼろし 幻冬舎新書

三浦佑之

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784344980143
ISBN 10 : 434498014X
フォーマット
出版社
発行年月
2006年11月
日本
追加情報
:
18cm,229p

内容詳細

日本史の教科書にも掲載されている、あまりにも有名な「金印」。実は江戸時代の半ばに偽造された真っ赤な偽物だった。では、誰が、何の目的で造ったのか。多くの歴史上の文化人の動向を検証し、その謎を解き明かす。

【著者紹介】
三浦佑之 : 1946年三重県生まれ。成城大学大学院博士課程修了。千葉大学教授。古代文学、伝承文学研究専攻。『口語訳古事記完全版』(文藝春秋)が第1回角川財団学芸賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • saga さん

    日本文学研究者にして、しをん嬢の父。本書は金印「漢委奴國王」に対する推理小説である(と言い切ってしまおう)。中国、日本など東アジアに収蔵されている多くの金印の成分・年代分析がなされていない中、論文など巻末に記載の多くの文献資料を基に、「漢委奴國王」の金印は偽造されたもので、その犯人は……。なかなか尖がった問題提起で、一貫して「学問というのは疑うことから始めるのが鉄則」という著者の主訴がそこにはある。そもそも何故志賀島なのか? という漠然とした疑問は自分もあった。発見場所を本書で知り、ますます疑問が増した。

  • イリエ さん

    面白い本っす。そんなことある? と読み進めました。著者なりに、悲しい思いをする人がでないよう気をつかわれています。ですがそれ以上に、この謎を明らかにすることに取り憑かれた切実な気合いがみなぎってます…。たしかに、あの形、ヘビには見えないですよね。それに字を略したって変ですし、そもそも…。いやはや反対意見も聞きたいですね。納得させられる部分もありますが、ちょっとそれは妄想がすぎるのでは、と思ってしまう部分も。というか、X線で解決するなら、やればいいのに。なんて勝手なことも思ってしまうのでした。

  • うえ さん

    「金印「漢委奴國王」が贋作であるとした場合、作った時点では本物は存在しない。漢や晋の時代の印章は存在するので、印文や鈕形を参照することができる。しかも『後漢書』という権威ある歴史書に、「印綬」を与えたという記事が出てくるのだから…光武帝から金印を下賜されたという事実は保証されている。そよ記事を証拠として、これがその時にもらった金印であると主張し、印章の出来ばえがそれにかなうものであれば、ほとんどの人間は真印であると信じてしまう」著者は偽造の犯人を、最初に金印を鑑定した儒学者 亀井南冥だと考えているという。

  • HH2020 さん

    ◎ 知人から「これは推理小説と思って読んでね、信じちゃだめよ」と念を押されて借用した本。もちろん、今さら金印が偽物だなんて言われても信じるものか。福岡の、日本の、宝じゃないか。著者は金印が偽物だと信じ込み、なんとかしてそれを証明しようと躍起になる。その執念には頭が下がる。犯人に仕立てあげられたのは儒学者の亀井南冥である。著者は自分の主張が正しいという自信は95%だそうで、本物であることが証明されたら南冥の墓前に額衝くそうだ。一途な人なんだな。実は読み終えて私も50%ぐらいは疑う気持ちが芽生えたと白状する。

  • おらひらお さん

    2006年初版。読み物として面白一冊ですね。たしかに金印は怪しいのですが、著者の方法では怪しいとの指摘で終わると思います。やはり、金印の分析が必要なんでしょうが、金の比率ではなく、古代の段階で除去できなかった鉱物の有無を確認すべきでしょうね。近世段階だとかなり金は精製されていると思うのですが・・・。

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人物・団体紹介

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三浦佑之

1946年、三重県生まれ。成城大学文芸学部卒業。同大学院博士課程単位取得退学。共立女子短期大学教授、千葉大学教授、立正大学教授などを歴任。千葉大学名誉教授。専攻は古代文学、伝承文学研究。著訳書に『村落伝承論』(五柳叢書、第5回上代文学会賞)、『口語訳 古事記“完全版”』(文藝春秋、第1回角川財団学芸

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