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増補 日本霊異記の世界 角川ソフィア文庫

三浦佑之

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044008314
ISBN 10 : 4044008310
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

薬師寺の僧侶・景戒によって九世紀初頭に編まれた、日本で最初の仏教説話集『日本霊異記』。仏教の教えを説こうとしながらも規範的な思想にはとどまらない、古代人の生き方が投影されている。一寸法師の源流、奪われた衣を取り返す力持ちの女――。上代文学研究の泰斗が、『古事記』『日本書紀』などの神話からの影響や、霊異記以後の伝承とのつながりを読み解く。国の創成期、エネルギーに満ちた人々の姿が鮮やかに蘇る。

【目次】
第一講 小さ子とトリックスター
第二講 一寸法師の源流
第三講 力持ちの女
第四講 神婚神話のゆくえ
第五講 恩返しの発生
第六講 盗みという罪悪 
第七講 悩ましき邪淫
第八講 行基の奇行
第九講 語られる女たち
第十講 あの世からもどった人、地獄を語る人びと
補講1 霊異記説話の〈夢〉
補講2 文学史のなかの『日本霊異記』

【著者紹介】
三浦佑之 : 1946年、三重県生まれ。成城大学文芸学部卒業。同大学院博士課程単位取得退学。共立女子短期大学教授、千葉大学教授、立正大学教授などを歴任。千葉大学名誉教授。専攻は古代文学、伝承文学研究。著訳書に『村落伝承論』(五柳叢書、第5回上代文学会賞)、『口語訳 古事記“完全版”』(文藝春秋、第1回角川財団学芸賞)、『古事記を読みなおす』(ちくま新書、第1回古代歴史文化みやざき賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • さとうしん

    記紀神話と『今昔物語集』など中世説話をつなぐ存在として『日本霊異記』を読み解く。一連の動物報恩譚から、動物の恩返しを語る説話が日本人の心の優しさを示すというような言説を否定し、そういったものが現れてくるのは仏教の伝来や流布によるものであると再三にわたって論じている。また、討債鬼説話など、中国の説話の影響を受けたものも結構存在するようだ。『今昔物語集』なんかと比べると影が薄い文献だが、手軽な形での訳本が読みたくなってくる。

  • belier

    仏教の教えを広めるための説話であるが、日本霊異記が描き出すのは、8世紀頃の時代の人びとの生きたすがただと著者はいう。三浦さんの本には、面白く興味深い話が次々出て来る。この本もその例にもれない。ユーモアをまじえた軽妙な解説もいつも通り。口語訳も出されているので、そちらも読んでみたい。

  • Ohe Hiroyuki

    9世紀前半に、正式名「日本国現報善悪霊異記」という本が編纂された。タイトルに「〜の世界」とあるように、本書は、「日本霊異記」を用いて、著者が語りたいことを語られているのであり、「日本霊異記」の中身を事細かく触れるものではない。▼もっとも、「一寸法師」や「浦島太郎」など誰もが知っているおとぎ話の原点が本書にあるということを知るだけでも、本書に触れる価値はあるであろう。

  • せんじつ

    お、おもしれ〜…。霊異記好き

  • 細川 カヲル

     昔も昔、あまりにも遠くて想像するのも難しいような時間かけて現代まで伝わる物語群。この書籍ではそれらから読み取れることを様々な観点から読み解いていく。不思議な要素はあれどどこか日常に根差したかのような雰囲気もあって不思議と当時の考え方を含めた日常生活というモノにも考えが及んでしまう奇妙さがある。  物語として分析することによって、昔話に似た、或いは源流となったような様相も浮き彫りとなり、昔話の普遍性について再認識させられる。普段耳慣れない古典と普遍さのギャップは時折滅多にない形の刺激にもなった。

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