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飛行機の戦争 1914-1945 総力戦体制への道 講談社現代新書

一ノ瀬俊也

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062884389
ISBN 10 : 4062884380
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

貧困層の立身出世の手段としての航空兵。防空演習ですり込まれる空襲への恐怖。一人一人がお金を出し合う軍用機献納運動。未成年の航空兵「志願」と学校、親への「説得」―。「日本軍=大艦巨砲主義」という常識をくつがえし、戦争の実態に迫る力作!

目次 : 第1章 飛行機の衝撃―大正〜昭和初期の陸海軍航空(飛行機の優劣が勝敗を分ける―航空軍備の建設/ 飛行機と戦艦/ 墜落と殉職―人びとの飛行機観)/ 第2章 満州事変後の航空軍備思想(軍用機献納運動/ 海軍と民間の対国民宣伝―「平和維持」と「経済」/ 空襲への恐怖と立身出世)/ 第3章 日中戦争下の航空宣伝戦(「南京大空襲」―高揚する国民/ 飛行機に魅せられて―葬儀・教育・観覧飛行)/ 第4章 太平洋戦争下の航空戦と国民(太平洋戦争の勃発―対米強硬論と大艦巨砲主義批判/ 航空総力戦と銃後)

【著者紹介】
一ノ瀬俊也著 : 1971年福岡県生まれ。九州大学大学院比較社会文化研究科博士課程中途退学。博士(比較社会文化、九州大学)。現在埼玉大学教養学部教授。専門は、日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    第1次世界大戦からアジア太平洋戦争終結までの、日本国民の飛行機、とりわけ軍用機に対する意識形成を、丹念な史料解読から明らかにしたもの。国民の中には軍用機の重要性への理解はかなり早くから醸成されており、それが軍およびその関係者などの啓蒙から形成されているとする。ここから「日本が大艦巨砲主義から脱せなかったのが対アメリカ戦の敗因」とする説を切って捨てる。鋭い視点と手法だと思うが、軍部、特に海軍の中の主義の衝突にはメスが入りきっていないので、やや反証が不十分な気もする。また、陸軍の戦車軽視が透けて見える面も。

  • 樋口佳之

    対外戦争を支えたのは軍なのか、国民なのか、あるいはその両方なのかを論じるのが目的/本書に何か現代的な意味があるとすれば、一国の戦争はその国民の同意なしには不可能であり、軍や政府は人びとの傍観を決して許さずにその手法や勝目についての啓蒙、説得をつねに試みる、強制はあくまでも最後の手段であるということ/著者は動員された国民の実相に迫りたいというテーマで書き続けている方だと理解している。今回は航空戦力がテーマでした。

  • どら猫さとっち

    本書は飛行機が戦争に使われた経緯を丹念に切り取り、描いている。飛行機をめぐる戦争の足跡である。「国民の戦争」の象徴だった飛行機、貧困層の立身出世の手段としての航空兵…。読んでいくと、まさに「永遠の0」の世界ではないかと思えてくる。僕が読んで思い浮かんだのは、宮崎駿監督作品「紅の豚」だった。英雄視されながら、戦争に怒りと虚しさを感じ、自ら豚に変えた男の物語。著者も読者も、そんな想いが読後あったとしたら、まだまともであるのではないだろうか。

  • フロム

    当時の航空リテラシーを中心に軍上層から学童までどのような航空感を持っているかの説明である。どうも話がとっ散らかってる印象を受けるのは著者自身、米=航空優勢論、日=大艦巨砲主義『ではない』寧ろ航空に関しては進んだ考えを持っていたと言う体で論を進めようとしたら、当時の技術的限界や発想的限界を考慮するとどうしても戦艦の優位性を否定する事が出来ずに話を進めざるおえない。この当たり前の事実がどうしてもブレーキになってダイナミックな話の広がりが持てず、総花的などうにも煮え切らない論旨展開になってる気がする。

  • Toska

    『特攻隊員の現実』と同様、旧軍は意外に国民からの視線を意識し、説得を試みていたという側面に光を当てる。本書のテーマは飛行機。あの手この手で人々の「軍事リテラシー」を高め、空軍充実への支持を求める動きが興味深い。そして国民の側にもこれに乗る契機が充分にあった。「おわりに」で述べられている通り、戦争が終わってから素知らぬ顔で軍の「大艦巨砲主義」を批判してみせたのは、確かに戦後の日本人の狡いところであったと思う。

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