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昭和戦争史講義 ジブリ作品に歴史を学ぶ

一ノ瀬俊也

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784409520703
ISBN 10 : 4409520709
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『火垂るの墓』『風立ちぬ』など、ジブリの名作を題材に学ぶ戦争。なぜあのような戦争は起こったのか。ジブリ映画の時代背景を、実際の歴史資料を使ってよみとき、現代社会と戦争の関係を考える。物語として消費できない戦争のリアルを知る。関東大震災から戦後の高度成長期までの15講!

目次 : お話ししたいこと/ 大衆社会の出現―関東大震災(『風立ちぬ』1)/ 飛行機と戦争―三菱はなぜ二郎を傭い飛行機を造るのか(『風立ちぬ』2)/ 貧困と戦争―シベリアと満洲事変(『風立ちぬ』3)/ 飛行機と戦艦の主役交代―二郎のドイツ行きをめぐって(『風立ちぬ』4)/ 社会主義―ゾルゲ事件とその背景(『風立ちぬ』5)/ 病と結婚―二郎の結婚はなぜさびしいのか(『風立ちぬ』6)/ 日中戦争―九六陸攻と重慶爆撃(『風立ちぬ』7)/ 日米戦争―零戦が対米戦争で果たした役割(『風立ちぬ』8)/ 日本とイタリア、そしてアメリカ―恐慌のなかで(『紅の豚』)/ 空襲―神戸はなぜ炎上したのか(『火垂るの墓』1)/ 飢え―戦争末期の国民生活(『火垂るの墓』2)/ 敗戦―人びとは何を思ったのか(『火垂るの墓』3)/ 戦災孤児―皆どこへ行ったのか(『火垂るの墓』4)/ 高度成長―まとめにかえて

【著者紹介】
一ノ瀬俊也著 : 1971年福岡県生まれ。九州大学大学院比較社会文化研究科博士課程中途退学。専門は、日本近現代史。博士(比較社会文化)。現在埼玉大学教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • nnpusnsn1945

    ジブリの映画から近代史を読み解く講義を書籍化したもの。平易な文体で内容が頭に入っていきやすい。映画を見ておさらいすると良いだろう。個人的に補足したい所がある。『風立ちぬ』の海軍軍人は粗雑な人間として描かれているが、宮崎駿監督の思想だけでそう描写されているわけではない。大正時代は軍縮により、軍人が大衆から蔑まれていたのである。電車内で軍服を着ているだけで罵られたのだから性格も荒む。そして軍人達は民に対して恐怖を抱き、ファシズム運動に介入する一因ともなったのである。(戸部良一『逆説の軍隊』を参照しました。)

  • 埼玉大で行われた「風立ちぬ」をメインに、他「紅の豚」「火垂るの墓」を通じて学ぶ、昭和戦争史の講義。大艦巨砲主義から飛行機への移り変わりはもちろんだが、このご時世菜穂子が掛かった結核への言及がしんどかったですね…。結核の温床となったブラックな製糸工場の女工たちは帰郷後7割が亡くなり、彼女たちによって地方にも結核が蔓延した…、なんか現状そのまんますぎて気が遠くなる。各章ごとに筆者の推薦本が並び、巻末の参考文献も膨大でありがたい。

  • やまやま

    通常であれば、過去に比べて減ったとはいえ8月は太平洋戦争を回顧する放映が多いのであろうが、コロナはそのような感傷も吹き飛ばしてしまい、今を生きることが喫緊の課題となった現在である。ところで、歴史事象の同一の繰り返しはないが、歴史を学ぶことで、アナロジーとして現在を批評し、未来を推測する力を養うことが一つの目的となろう。そこで、有名なジブリの作品のいくつかを取り上げ、その背景にある社会観や社会構造を分析する。堀越二郎氏のエリートとしての行動は、現在の視点では批判を浴びるとしても、誠実さは大事であったはず。

  • わんにゃん

    わかりやすい。ナチスドイツが世界で最初に始めた禁煙運動は戦争のために健康になることが目的だった。衝撃的。二郎たちが庶民に混じって一膳飯屋に居ながらも「コーヒーに行くぞ」と差異を描いているという指摘も面白い。「戦争といえば、太平洋戦争下の物不足に対する人びとの生活困窮や不平不満が頭に浮かびますが、それだけが当時の大衆意識だったわけではなく、ある時期までの人びとは戦争景気のもとで娯楽を享受してもいました。この点を見損なうと、戦時日本人を最初から最後まで一貫した暗黒時代の被害者としてのみ描いてしまいます。」

  • matsuri_n

    タイトルの通り、ジブリ映画を題材に昭和史を概説した本、というか大学の教養課程の講義録。あとがきにもあるが、初学者向けなので高校生でも読めると思う。入門としてはとてもいい本で、意欲のある生徒さんならきっといい読書になる。学問的に深い話はなかったけど、結構な分野をカバーしているので発見はあるし、各章にブックガイドがついているのもありがたい。個人的には、敗戦を扱った第13講は頭の整理に役に立って収穫だった。

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