CD 輸入盤

メトロポリタン歌劇場における歴史的公演集〜9つのオペラ全曲 メルヒオール、フラグスタート、ホッター、ヴァルナイ、他(25CD)

ワーグナー(1813-1883)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
88765427172
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
限定盤,輸入盤

商品説明


ワーグナ・アット・ザ・メト(25CD)
メトロポリタン歌劇場における歴史的ライヴ録音集


早くからワーグナー上演に熱心だったメトロポリタン歌劇場の歴史的な実績を実際の音で手軽に楽しむことのできるお買得ボックスの登場。収録年代は1930年代から1950年代で、すべてモノラル録音となりますが正規音源を使用しているため、状態は良好なものが多いということです。欧文あらすじとエッセイを掲載した120ページの別冊解説書付(歌詞・対訳ナシ)。限定盤。

【メトロポリタン歌劇場の舞台中継】
メトロポリタン歌劇場が土曜日の午後のマチネ公演をラジオで生放送し始めたのは1931年のこと。それ以来、METライブビューイングやインターネット・ラジオでの中継が行なわれている現在でも、シーズン中に行なわれる毎週土曜日のラジオ中継はアメリカの風物詩として定着しています。

【正規オリジナル・マスターからのCD化】
ソニー・クラシカルは2011年からメトロポリタン歌劇場との共同プロジェクトとして、そうしたラジオ放送された過去のライヴ録音から重要な演奏を選りすぐってCD化を開始、これまでに20タイトルをリリースしています。当時のレコード会社によるオペラ全曲盤では実現することが出来なかった、メトロポリタン歌劇場が誇るオールスター・キャストを擁したこれらの録音の多くは、昔からオペラ・ファンの間では有名な存在で、LP〜CD時代を通じてさまざまなレーベルで流通してきたものが多く含まれています。
 今回の発売に当たっては、メトロポリタン歌劇場やその他のアーカイヴに保管されている正規オリジナル・マスターを初めて使用し、丁寧な修復や調整を経てリマスターされ、最上の状態で歴史的な名演の感動がよみがえります。

【ワーグナー生誕200年記念ボックス】
ワーグナー・イヤーに、METとSONYの共同プロジェクトとして発売されるスペシャル・エディションは、1936年から1954年にかけて上演された、『さまよえるオランダ人』から『マイスタージンガー』まで、『パルジファル』を除く主要オペラ9作を収録した25枚組のセットです。  早くからワーグナー上演に積極的だったメトですが、ナチの台頭以降は、ヒトラーを嫌った歌手や指揮者が数多く渡米したため、ラウリッツ・メルヒオールとキルステン・フラグスタートという2大歌手を中心に、メトにおけるワーグナー上演は隆盛を極めることとなります。  また、ウィーンでマーラーの助手をつとめたアルトゥール・ボダンツキーやフリッツ・シュティードリー、メトの常任指揮者的存在であったエーリヒ・ラインスドルフ、そして1940年代から50年代にメトでドイツ・オペラの上演を担ったフリッツ・ライナーやジョージ・セルなど、充実した指揮者陣もワーグナー上演のクオリティを向上させるのに大いに貢献していました。
 今回収録されている9作品のうち、ボダンツキー指揮による1938年の『トリスタン』とライナー指揮による1953年の『マイスタージンガー』は、おそらく過去に全曲盤としては一度も発売されたことのない珍しい音源ということです。(HMV)

【収録情報】

Disc1-2:『さまよえるオランダ人』全曲
戦後のメトの黄金時代を築いた支配人ルドルフ・ビングの就任シーズンに新演出上演された『オランダ人』は、ホッターとヴァルナイという二大ワーグナー歌手の共演が音として残された唯一の録音です。ドレスデン国立歌劇場の音楽監督を務めるなど、オペラ指揮者として重要な足跡を残したライナーによる唯一の『オランダ人』であることも注目。

 ハンス・ホッター(オランダ人)
 アストリッド・ヴァルナイ(ゼンタ)
 セット・スヴァンホルム(エリック)
 スヴェン・ニルソン(ダーラント)
 ヘルタ・グラーツ(マリー)
 トーマス・ヘイワード(舵取り)
 フリッツ・ライナー(指揮)
 録音時期:1950年12月30日

Disc3-5:『タンホイザー』全曲
セルは1940年代からメトに登場していましたが、これは1953年〜54年シーズンに新演出上演された『タンホイザー』の記録(ドレスデン版)。バリトンから転向しバイロイト音楽祭にも重用されたラモン・ヴィナイの苦悩に満ちたタンホイザーの歌唱が聴きもの。

 ラモン・ヴィナイ(タンホイザー)
 ジェローム・ハインズ(ヘルマン)
 ジョージ・ロンドン(ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ)
 マーガレット・ハーショウ(エリーザベト)
 アストリッド・ヴァルナイ(ヴェーヌス)、他
 ジョージ・セル(指揮)
 録音時期:1954年1月9日

Disc6-8:『ローエングリン』全曲
早くから私家盤として流通していたメルヒオールとヴァルナイを揃えた歴史的上演の記録です。その無尽蔵に湧き出てくるかのような輝かしい歌唱でワーグナー史上重要な足跡を残したメルヒオールの十八番、ローングリンのもっとも充実した公演とされているものです。ワルターの最初の『大地の歌』の録音にも参加していた名歌手トルボルイがオルトルートを担っています。

 ラウリッツ・メルヒオール(ローエングリン)
 アストリッド・ヴァルナイ(エルザ)
 ケルスティン・トルボルイ(オルトルート)
 アレクサンダー・スヴェト(テルラムント)
 ノーマン・コードン(国王ハインリヒ)
 マック・ハレル(軍令使)
 エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
 録音時期:1943年1月2日

Disc9-10:『ラインの黄金』全曲
戦後シュティードリー指揮で上演された『指環』チクルスからのライヴ録音。1952年からバイロイトでヴォータンを歌い始めたホッター全盛期の圧倒的な歌唱が魅力。ローゲは名歌手スヴァンホルムが担い、後にメトやバイロイトでヴォータンを歌うハインズがファーゾルトで出演しています。

 ハンス・ホッター(ヴォータン)
 マーガレット・ハーショウ(フリッカ)
 ジャルミーラ・ノヴォトナ(フライア)
 ブライアン・サリヴァン(フロー)
 オーズィー・ホーキンス(ドンナー)
 セット・スヴァンホルム(ローゲ)
 レスリー・チャベイ(ミーメ)
 カリン・ブランゼル(エルダ)
 ローランス・ダヴィッドソン(アルベリヒ)
 ジェローム・ハインズ(ファーゾルト)、他
 フリッツ・シュティードリー(指揮)
 録音時期:1951年1月27日

Disc11-13:『ワルキューレ』全曲
メルヒオールとフラグスタートを揃え、ヴォータンに若手のヒューンを迎えた公演。長年伝統的に施されていたカットを復活させたのもラインスドルフの功績です。

 ラウリッツ・メルヒオール(ジークムント)
 マージョリー・ローレンス(ジークリンデ)
 エマヌエル・リスト(フンディング)
 ユリウス・ヒューン(ヴォータン)
 キルステン・フラグスタート(ブリュンヒルデ)
 カリン・ブランツェル(フリッカ)、他
 エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
 録音時期:1940年2月17日

Disc14-16:『ジークフリート』全曲
伝説的な上演として知られ、早くからLP化されてきたこの1937年の『ジークフリート』は、ベストフォームによるメルヒオールの疲れを知らぬ圧倒的な歌唱が聴きもの。幕切れのフラグスタートとの二重唱も見事の一言です。ヴェテランのショル(さすらい人)とリスト(ファフナー)のキャラクターあふれる歌唱も印象に残ります。

 ラウリッツ・メルヒオール(ジークフリート)
 キルステン・フラグスタート(ブリュンヒルデ)
 フリードリヒ・ショル(さすらい人)
 カール・ラウフケッター(ミーメ)
 エドゥアルド・ハビッヒ(アルベリヒ)
 エマヌエル・リスト(ファフナー)
 キルステン・トルボルク(エルダ)
 ステラ・アンドレーヴァ(森の小鳥)
 アルトゥール・ボダンツキー(指揮)
 録音時期:1937年1月30日

Disc17-19:『神々の黄昏』全曲
『神々の黄昏』の現存するもっとも古い全曲録音です。絶頂期のメルヒオールによるジークフリートのみならず、メトに前年にデビューしたばかりの二十代のマージョリー・ローレンスによるエネルギーに満ちたブリュンヒルデが聴きものです。

 ラウリッツ・メルヒオール(ジークフリート)
 マージョリー・ローレンス(ブリュンヒルデ)
 エドゥアルド・ハビッヒ(アルベリヒ)
 ルートヴィヒ・ホフマン(ハーゲン)
 ドロシー・マンスキー(グートルーネ)
 フリードリヒ・ショル(グンター)
 キャスリン・メイスル(ヴァルトラウテ)、他
 アルトゥール・ボダンツキー(指揮)
 録音時期:1936年1月11日

Disc20-22:『トリスタンとイゾルデ』全曲
メルヒオールとフラグスタートのコンビによる最大の呼び物だった『トリスタン』は、1935年から1941年までほぼ毎シーズン上演されていました。これまで全曲盤としては公にされてこなかった1938年のライヴです。疲れを知らぬ二人の名歌手による第2幕の二重唱は圧倒的です。

 ラウリッツ・メルヒオール(トリスタン)
 キルステン・フラグスタート(イゾルデ)
 ルートヴィヒ・ホフマン(マルケ王)
 ユリウス・ヒューン(クルヴェナール)
 カリン・ブランツル(ブランゲーネ)、他
 アルトゥール・ボダンツキー(指揮)
 録音時期:1938年4月16日

Disc23-25:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』全曲
1948年から53年までメトの常任指揮者をつとめたフリッツ・ライナーは、厳格なリハーサルによってメトの上演のクオリティを大きく向上させました。『マイスタージンガー』はライナーがドレスデン時代から愛奏してきたオペラで、1955年のウィーン国立歌劇場のオープニング公演でも取り上げています。

 パウル・シェフラー(ハンス・ザックス)
 ハンス・ホップ(ヴァルター)
 ゲルハルド・ペヒナー(ベックメッサー)
 ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(エヴァ)、他
 フリッツ・ライナー(指揮)
 録音時期:1953年1月10日

 メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
 録音場所:ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場
 録音方式:モノラル(ライヴ)

収録曲   

  • 01. Der fliegende Hollander
  • 02. Der fliegende Hollander
  • 03. Tannhauser
  • 04. Tannhauser
  • 05. Tannhauser
  • 06. Lohengrin
  • 07. Lohengrin
  • 08. Lohengrin
  • 09. Das Rheingold
  • 10. Das Rheingold
  • 11. Die Walkure
  • 12. Die Walkure
  • 13. Die Walkure
  • 14. Siegfried
  • 15. Siegfried
  • 16. Siegfried
  • 17. Gotterdammerung
  • 18. Gotterdammerung
  • 19. Gotterdammerung
  • 20. Tristan und Isolde
  • 21. Tristan und Isolde
  • 22. Tristan und Isolde
  • 23. Die Meistersinger von Nurnberg
  • 24. Die Meistersinger von Nurnberg
  • 25. Die Meistersinger von Nurnberg

ユーザーレビュー

総合評価

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「オランダ人」。デッドな音(その分明快で...

投稿日:2016/06/07 (火)

「オランダ人」。デッドな音(その分明快ではある)も相俟って、ライナーの指揮はモノクロ時代のアメリカの活劇映画のようにハードボイルドだが、それをバックにホッターとヴァルナイの黄金コンビが理想的な名唱を繰り広げる。ホッターの述懐の深さ、ぐんと遅いテンポのバラードにおけるヴァルナイの憑かれたようなゼンタ。エリックが馬鹿にいい声と思ったらスヴァンホルムとは恐れ入った。スヴェン・ニルソンのダーランも水準を超えている。デッドな音で損をしているのは合唱で、雰囲気と奥行き感に欠けるが、まぁ仕方がないか。                                        「タンホイザー」。序曲の出だしから少しの思い入れもタメもなく開始するセルだが、チェロの合いの手に力が籠るとどんどん盛り上がり、ヴェヌスブルグも、版が違う(ドレスデン版)のですぐに終ってしまうが、各幕の幕切れはクールなセルとは思えない凄い迫力。ヴィナイのタイトルロールは野太い戦前風の英雄テナーで立派。ハーショウのエリザベットは美声ではないが、出だしから力が入った熱演。珍しい(?)ヴァルナイのヴェヌスとの違いもはっきり。ロンドンのヴォルフラムも後年のような品のない声でなくまずは及第。                                            「ローエングリン」は、オケが少々寸詰りぎみの音だが、ラインスドルフは、二幕の二人の女声のやりとりの背後のオケとエルザの大聖堂への入場のシーンなどはなかなか切々として聞かせるし、三幕の前奏曲も颯爽としている。メト・デビューして間もないヴァルナイのエルザは若々しいが、勁い声で白鳥の騎士などいなくとも自分で難関を解決しそう。メルヒオールは大分太った姿の写真が興ざめで、かつ遠方からの声が不調を思わせたが、近づいてくるとさすがに凄い。ただ最後の別れは少々泣きすぎで古めかしい。ワルターの最初の「大地の歌」のソロだったトルボルクのオルトルートは期待ほどではない。適役ではないのかも。スヴェドのテルラメントは少々大げさだが悪くない。                               「ラインの黄金」は録音は悪くないが、指揮、歌手共にどうということはない。飛び抜けているのはホッターだけ。ドンナーなんか情けない声の田舎芝居だし、アルベリヒも声が出ない。日本人だけの公演だって今ではこれよかずっとうまい。     「ライン」より11年も前の「ワルキューレ」は、鮮明さに欠ける音。ラインスドルフはこれで大分損をしているような気がするが、前年に急死したボダンツキーの代りとしてメトのワグナー路線を背負った彼はまだ30歳前で歌手やオケから軽く見られていたというが、むしろ健闘の部類。メルヒオールのジークムントはさすがに素晴らしく、一幕で父ヴェルゼに呼びかける悲痛な叫びの素晴らしさよ。この威力には抗し難い。マージョリー・ローレンスのジークリンデは、旧式だし特筆する所のない声だが、体当たり的な歌唱でメルヒオールと拮抗している。ブリュンヒルデのフラグスタートはさすがに立派だ。その後のヴァルナイにもニルソンにもないひんやりとした気品と神聖な風格があるが、戦後のものよりさすがに若々しい(ただし録音の関係で高音が割れるのが残念)。ヴォータンのヒューンは聞いたことのない名前だが、当時のメトの看板ワグナー・バリトンだったらしく、アメリカ人だが立派な歌唱。しかし二幕の最後で二人の千両役者が交錯する部分の途中から音が更に貧弱になり(レンジが狭い)、二人のディグニティを弱めているのは残念。この問題は三幕にも継続され、熱演なのに今ひとつもどかしい。しかしそれでも幕切れはやはり感動的。                                            ボダンスキーの「ジークフリート」はさらに三年前の録音だが、音は「ワルキューレ」よりむしろ聞き易い。この演奏を有名にした山崎浩太郎氏の記述だとリマスターの出来不出来が多いとのことだが、これがどっちなのかは分からないが、メトに保存されていた音源からの復刻という触れ込みでもあり、この年代のライブでこれよりいい音は期待しづらい。ボダンスキーの指揮は、この時代として驚くほどデフォルメがなく、テンポも速めなモダンな演奏で、緊密にして迫力も不足しておらず、今のヤノフスキを思わせる。ロマン的と言うよりむしろザッハリッヒなワグナーだからアメリカで受けたのは良くわかる。歌手陣も充実している。フラグスタート(目覚めのシーンの凄い声!)とメルヒオール(ノートゥングを鍛える二つの歌のますらお振り!けどボダンスキー・カットというか繰り返しの省略で短い。メルヒオール良く納得したなぁ)の千両役者ぶりはいうまでもないが、ホッター以前の名ウォータンであったショルの高貴な歌唱、三幕でそれと渡り合うトールボルクのエルダやラウルケッターのミーメも素晴らしい。例外はハビッヒのアルベリッヒで、いささか情けない声だが、出番少ないのでまぁ許容範囲内。     同じボダンスキーの「神々」は「ジークフリート」より一年しか前ではないのに、原盤の状態が悪かったのか、音が大分悪いのが残念。レンジが狭いというか音がかなり潰れている。ノイズも凄い。許容範囲外と感じる人も少なくないだろう。カットもあって快速の「神々」だが、一幕の二重唱から「ラインの旅」にかけてはそのまま一気に奔流のような盛り上がり。二幕中盤の進行も一気呵成で見事。流れで引っぱるタイプなのかもしれない。音の悪さが恨めしい(葬送行進曲はこの音ではさすがに厳しい)。でも終幕はそれでも感動的だ。ここではブリュンヒルデはフラグスタートではなく、前記ジーグリンデだったローレンスで、同じように体当たり的な歌唱だが、神聖感はないし、自己犠牲ではやはり弱い。メルヒオールは申すまでもなく、無比のジークフリート。死の場面の感慨の深さは彼が不世出のジークフリートであったことを、この音の中でも感じさせる。凄いのはルードヴィッヒ・ホフマンのハーゲンで、フリックをも凌ぐかもしれない憎々しさ。                    黄金コンビに加えてボダンスキーがタクトをとる38年の「トリスタン」は比較的珍しい音源らしいが、音自体は明快なもののレンジが狭く、特に低音がでないのが惜しい。演奏は前奏曲(モダンな指揮と思ったらポルタメント続出。三幕のはもっと凄くてメンゲルベルクばり)からして素晴らしいのに。幕が開くとフラグスタートは最初から絶好調。後年のフルトヴェングラー盤よりずっと若々しく力に溢れている。レンジの狭さは女声にはあまり気にならないが、男声のとくに低い所がラッパ吹き込みみたいで、クルヴェナールのヒューンは立派な声(すぎるかも)なのに惜しい。二幕は名高い(?)ボダンツキー・カットが凄いが、不自然に途切れるわけではないし、音楽は白熱を極める。二人の主役はいうまでもなく「神」の歌唱で、ブランツェルのブランゲーネも錦上花を添えている。エマニュエル・リストの得意役マルケ王も立派。                  「名歌手」はこの中では録音も新しいだけ良好。ライナーの指揮はメリハリと推進力をもった見事なものだが、前奏曲など結構大きなアゴーギグを多用し、必ずしもザッハリッヒではない(ロマンティックともいえないから、ドラマティックというべきか?)。二幕のロマンティックなところとドタバタのさばきもうまいものだ。三幕の祭典性にも欠けるところはない。歌手は皆優れている。男性中低声部があまり区別がつかない点が難点だが、当時のウィーンでの代表的ザックスだったシェフラーのザックスはうまいし、ロスアンへレスのエーヴァは、多分ドイツのリリック・ソプラノ風にしようというのか常々の彼女とは違う硬質な声の作りでアンサンブルに溶け込んでいるし(でも本当に彼女?)。ホップのワルターもとても良い。名演である。超長文失礼しました。

mari夫 さん | 東京都 | 不明

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メト正規録音とはどういう意味かよくわから...

投稿日:2013/04/20 (土)

メト正規録音とはどういう意味かよくわからないのだが、確かにこれまで出たワルホール、ダンテ、アーチペル、ナクソス等より音質が向上しているものが多い。演奏はどれも白熱、迫真的なもので(ラインスドルフの指揮のみ情感不足)聴きごたえ充分。とりわけ傑出しているのがライナーの「オランダ人」「マイスタージンガー」、セルの「タンホイザー」、ボダンツキーの「ジークフリート」。ライナーの指揮はこの人の懐の深さを感じずにはおれないし、セルの「タンホイザー」は同作の最高の演奏だと思う。いずれも音質改善で歪がなくなったのはありがたい。ボダンツキーの「トリスタン」は37年盤に比べると演奏、音質とも劣るが、それでもこれだけ灼熱の「トリスタン」はボダンツキー以外になく初登場は感謝。こんなに安いのに豊富な写真入りの解説書がついているのもいいが、これを買う人でワーグナー初体験の人はいないだろうから、あらすじは不要。歌手解説を充実してほしかった。

フォアグラ さん | 愛知県 | 不明

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パルシファルは入っていない。それ以外は、...

投稿日:2013/04/13 (土)

パルシファルは入っていない。それ以外は、主要なオペラは網羅されている。音は、素晴らしいと思う。当時の劇場の雰囲気とか熱気が生々しく蘇ってくる。演奏は、大物歌手を中心に据えた演奏であるように思われる。 しかし、指揮者は水準が低いというわけではない。ボダンスキーもウィーンでマーラーの助手をやっていたそうだ。ただ、自分の個性を強引に押し出さない。まずは、大物歌手が前面にでる演奏。それでいて、正当派のしっかりした演奏である。いま、こういうスタイルは絶滅している。それだけに、この体験は、とても新鮮である。

トラトラトラ さん | 佐賀県 | 不明

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