ロン・リット・ウーン

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きのこのなぐさめ

ロン・リット・ウーン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784622088097
ISBN 10 : 4622088096
フォーマット
出版社
発行年月
2019年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
318p;20

内容詳細

悲しみの淵にいた私を、そこから連れ出してくれたのは、きのこだった―。マレーシア人の著者は、文化人類学を学ぶ交換留学生としてやって来たノルウェーでエイオルフと出会い、恋に落ちた。夫婦となった二人は深く愛し合い、日々のささやかなことも人生の一大事についても、何でも話し合う仲だった。ある日、いつものように朝早く職場に向かったエイオルフが突然倒れ、そのまま帰らぬ人となる。最愛のパートナーを失った著者は、喪失の痛みのさなか、ふと参加したきのこ講座で、足下に広がるもうひとつの世界、きのこ王国に出会う。きのこたちの生態は、不可思議な魅力に満ち満ちていた。苔むす森でのきのこ狩りの効用と発見の喜び。きのこ愛好家間の奇妙な友情と不文律。専門家・鑑定士への「通過儀礼」。絶品きのこトガリアミガサタケ。悪名高いシャグマアミガサタケ。色・形・匂いの個性とその奥深さ。とっておきの、きのこレシピ。悲しみの心象風景をさまよう内面世界への旅と、驚きと神秘に満ちたきのこワンダーランドをめぐる旅をつづけ、魂の回復のときを迎える、再生の物語。約120種類のきのこが登場。

目次 : きのこがひとつ、喜びひとつ。きのこがふたつ、喜びふたつ。/ 二番目によき死/ 秘密の場所/ 特別専門家集団/ きのこへの疑念/ フィフティ・シェイズ・オブ・ポイズン/ トガリアミガサタケ―きのこ王国のダイヤモンド/ 五感への働きかけ/ アロマ・セミナー/ 名もなき者たち/ 前菜からデザートまで/ 素晴らしきラテン語/ 天からのキス/ きのこの作法

【著者紹介】
ロン・リット・ウーン : 1958‐。社会人類学者、作家。マレーシア生まれの中華系マレーシア人(漢字表記は龍麗雲)。ノルウェーの公認きのこ鑑定士。18歳の時、交換留学生としてノルウェーに留学。そこで出会ったエイオルフ・オルセンと結婚し、ノルウェーに住み続ける。地方自治体の部長職や、男女平等センターの理事などを経て、夫と共にワークショップの企画運営を行うコンサルタント会社を興す

枇谷玲子 : 翻訳家。1980年富山県生まれ。デンマーク教育大学児童文学センターに留学。大阪外国語大学(現大阪大学)卒業。北欧家具輸入販売会社勤務、翻訳会社でオンサイトのチェッカーの経験を経て、現在は北欧書籍の紹介を行う

中村冬美 : 翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • さつき さん

    愛する夫を突然喪った著者が、そのたとえようもなく大きな喪失感から立ち直るまでの物語。再生にはきのこが大きな役割を果たします。ノルウェーではきのこ専門家養成課程があることに驚きました。きのこを愛する人がよっぽど多いのかと思いきや、市販のピザに乗ったきのこすら取り除いて食べない人々もいるとか…両極端ですね。国により食用とされるきのこが違うことにも、びっくり!匂いを感じる感性は地域性はもちろん、個人差が大きそう!以前から子供達と一緒にきのこ狩りに行くことが夢でしたが、いつか実現したいとより強く思いました。

  • seacalf さん

    最愛の夫を突然失くして茫然自失の主人公は、きのこと出会う。語られるのは知的好奇心をくすぐるワンダーランド。すぐに感化されるタイプなので読書中にどうしてもキノコが食べたくなり、ポルチーニ茸のリゾットやキノコ盛り沢山のパスタやらをどんどん食べた。近くにきのこ講座があったら絶対参加したい。そう思わせくれるような文章が沢山。きのこの味、毒、香り、美味しそうなレシピ等々多様な記述で楽しませる。悲しみの淵から人生の鮮やかさを取り戻す過程も丁寧に描かれている。さすがみすず書房、いぶし銀な魅力を醸す作品を提供してくれる。

  • らぱん さん

    @マレーシア出身でノルウェーに住む人類学者による相当ユニークな作品だ。喪失と再生の記録で知的好奇心が生きる力に変わっていく過程が描かれている。夫の突然死で寡婦となった著者自身の内的世界の旅ときのこを巡る外的世界の旅が並行して進む。絶望が起こす無気力で無感情な心の状態と、ふとしたきっかけで出会ったきのこ世界とその住人を、文化人類学的に観察し描写する。驚異的で神秘的なきのこと個性的なきのこ愛好家たちの奇妙な生態。きのこの旅は面白く、率直な喪失体験も機知に富んだ語りで清々しいものに昇華されている。↓

  • あさうみ さん

    思っていた以上にきのこ百科辞書だった(笑)読み終わった今日一日は一番きのこのことを知っていると自負します(笑)きのこの(本気の)うんちくも面白いのですが、ところどころに亡くなった夫に対する愛情がじんわりととても良い。しみったれず、悲しくなく、優しいきのこと夫への愛。

  • pohcho さん

    ある日突然夫を亡くし悲嘆に暮れていた女性が、何とはなしに申し込んだきのこ講座できのこの魅力にはまり、驚きと神秘に満ちたきのこの世界をめぐって、魂の再生を果たしていく。マレーシア人の著者が夫亡き後も夫の国ノルウェーで暮らし続けるのは、どんなに孤独で寂しいことだろうかと思うが、きのこの世界を通じて新たな友人を作り、生きる気力を取り戻していく様子にとても元気づけられた。悲しみがなくなることはないと思うけど、何かに夢中になることは人をこんなにも前向きにさせる。著者の快活さも魅力的だった。

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1958‐。社会人類学者、作家。マレーシア生まれの中華系マレーシア人(漢字表記は龍麗雲)。ノルウェーの公認きのこ鑑定士。18歳の時、交換留学生としてノルウェーに留学。そこで出会ったエイオルフ・オルセンと結婚し、ノルウェーに住み続ける。地方自治体の部長職や、男女平等センターの理事などを経て、夫と共にワ

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