ルイ フェルディナン セリーヌ

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夜の果てへの旅 下 新装版 中公文庫

ルイ フェルディナン セリーヌ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122071612
ISBN 10 : 4122071615
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

世界大戦の戦場から、アフリカの植民地、アメリカの工業地帯、そして故国フランスへ。遍歴を重ねた主人公バルダミュは、パリの場末で町医者として開業するが―。人間社会の欺瞞を完膚なきまでに暴露し、一九三二年の発表以来、いまだ巨大な問いを突きつけ続ける二〇世紀世界文学の重要作品。(全二巻)。

【著者紹介】
セリーヌ : 1894年、パリ西北部の都市クールブヴォワに生まれ、苦学により医師免状を得る。第一次世界大戦から復員後、国連事務局につとめ各国を遍歴。のちにパリの郊外で診療所を開業。1932年、『夜の果てへの旅』で一躍名声を得るが、反資本、反ユダヤ主義の立場から発表した著作により、第二次世界大戦後、亡命先デンマークで投獄される。特赦で帰国するも、不遇と貧困のなか61年に死去

生田耕作 : 1924(大正13)年京都府生まれ。京都大学文学部仏文科卒。仏文学者。京都大学教授として教鞭をとる傍ら、バタイユ、マンディアルグ、セリーヌなどの紹介につとめるが、編著書の猥褻性をめぐって大学と決別。自ら出版社を設立して孤高の立場を貫く。94(平成6)年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • まふ

    またパリに戻っている。いつの間にかロバンソンというアフリカ時代のならず者とか昔の恋人たちに会えてしまうといういい加減な筋立ても面白い。医師の資格をとり、場末で開業するが強欲婆とか死にかけた男とか年数回も堕胎する女とかろくな患者がいない。精神病院にアルバイトで入るが院長が突然旅に出て戻らず院長代理みたいな立場で過ごす。ロバンソンがまた現れて理由をつけて病院に住み続ける。ある時情婦のマドロンが追いかけてきてとうとうロバンソンを拳銃で撃ちロバンソンは死ぬ。で、終わり。思ったよりもエログロ度が過激ではなかった。

  • K

    憧憬していたアメリカで現実を知りフランスに帰って来たフェルディナン。苦学して医者になるも暗く、悲しい「現実」を見せられる日々。希望を見ては潰え、逃亡し、そしてまたこれでもだめ!って日々が続く。上巻と違って場面はフランスに留まるが、逃げの生活は変わりない。どこへ行っても絶望しかない。だが、死を選ぶわけではない、むしろ死にたくはない様子。ロバンソンへの感情は同族嫌悪に近いと思うが、彼ほど全力で逃げ、破滅へと向かえないという意味で上位存在でもあるような気もする。冗長な気もするがスピード感のある作品だった。

  • じゅん。

    アフリカの植民地からニューヨークへのたうち回りそしてフランスでの場末で医師に。この世は糞だと、呪詛と憤怒の言葉で書き連ねる、バルダミュの独白を中心に展開していく。壮絶な体験を元に語られる戦争、社会、への批判。延々と繰り返される毒舌と、独特な文体に慣れるのに時間がかかったし終盤へとへとになったが…あまりの面白さ。

  • 東京湾

    下巻から彼は街医者として人々の観察者となる。ここでは上巻で描かれる体制の腐敗と対になるように大衆の腐敗が詳らかにされ、また奇妙な戦友・ロバンソンとの因縁もフェルディナンの運命を動かしていく。欲望に満ちた俗世の悪辣な人間模様はもはや喜劇のようでもあり、もはや絶望さえ意味を持たない。読後は唖然とするばかりだったが、これは20世紀というヒューマニズムの荒廃の時代に書かれるべくして書かれた小説だったのかもしれない。そしてセリーヌが喝破した欺瞞は現代の地盤に今なお染み込んでいるものなのだろう。凄まじい傑作だった。

  • kumoi

    どうせ死ぬなら、何をやっても意味がない。命が朽ち果てた場所に漂うのは腐敗臭、そして肉体を巡っていた液体を垂れ流して俺たちは死んでいく。主人公バルダミュの友人ロバンソンは老婆の殺害に失敗し、視力を失う。最後は彼を追いかけてきた女に罵詈雑言を浴びせた結果、弾丸を二発くらい死んだ。ロバンソンは夜の果てに行き着いたわけだ。じゃあ俺たちはというと、いくら世界が嫌いでも、世間様にしがみついて生きていくしかない。死ぬために生き、生きるためにしがみつき、最後は握力がなくなって振り落とされる。それが俺たちなのだ。

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