ルイ フェルディナン セリーヌ

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夜の果てへの旅 上 新装版 中公文庫

ルイ フェルディナン セリーヌ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122071605
ISBN 10 : 4122071607
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

第一次世界大戦の前線へ志願兵として送り込まれたフランス人医学生バルダミュは、極限状況で一切の理想と希望を失い、現代社会の暗部を放浪し始める。特異な文体と衝撃的な内容で、世界を熱狂と拒絶の渦にたたきこんだ「呪われた作家」の鮮烈な出発点。(全二巻)。

【著者紹介】
セリーヌ : 1894年、パリ西北部の都市クールブヴォワに生まれ、苦学により医師免状を得る。第一次世界大戦から復員後、国連事務局につとめ各国を遍歴。のちにパリの郊外で診療所を開業。1932年、『夜の果てへの旅』で一躍名声を得るが、反資本、反ユダヤ主義の立場から発表した著作により、第二次世界大戦後、亡命先デンマークで投獄される。特赦で帰国するも、不遇と貧困のなか61年に死去

生田耕作 : 1924(大正13)年京都府生まれ。京都大学文学部仏文科卒。仏文学者。京都大学教授として教鞭をとる傍ら、バタイユ、マンディアルグ、セリーヌなどの紹介につとめるが、編著書の猥褻性をめぐって大学と決別。自ら出版社を設立して孤高の立場を貫く。94(平成6)年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • まふ

    世界の問題作とのこと。医学生だった男が戦争に駆り出されて重傷を負い、精神病となり病院に入れられて隔離される。そこを脱走して遍歴する。おんぼろ船でアフリカ・コンゴの奥地の奥地まで流れ着き(この辺はコンラッドの「闇の奥」を想い出させる)そこを脱してアメリカに渡り、文無しの生活を続ける。フォードの工場でチャップリンの世界のような労働者になるも続かず、娼婦のヒモとなり荒れた生活を続ける。

  • K

    サルトルが『嘔吐』や『文学とは何か』でセリーヌを引き合いに出しているらしいということを偶然にも知って読んでみたくなった(サルトルの評価は知らないが)。期待していたよりグロテスクでも残酷でも無かった。が、それだけにじわじわ来る暗い感じ、どこへ逃げても憂き目にしか合わない!「ああ、俺は何からも逃げたいのだ!」というぐるぐるした眩暈に似た感じ。文体が、ずっと演説みたいでスピード感がある。戦場からパリ、アフリカ、アメリカへと巡る。次はどこへ行くのか。夜の果てにたどり着くか。

  • これっと

    「どうしてこの本を勧めてくださったんですか?」 「あなたはその人(主人公)のように見える」 「えぇ...」 とんでもないことが起こっているのに、まるで何も起こっていないような。緩急がない退屈な文章といえばそうなのかもしれないが、それがスゴみといえばそうなのである。

  • kumoi

    古典からの引用とモチーフの反復によって、想像的な効果を出現させることが、つまり知識人の知的遊戯が、書き言葉を高尚な道具に仕立て上げてしまったのなら、貧乏人は、前科者は、どこに存在する?言葉は絶対的な拠り所など持っておらず、恣意的で差異的な浮遊物として漂っているのだけなのだから、書き手はどうしても肯定と否定の運動に頼り切ってしまう。セリーヌが現実をありのままに切り取っているとき、蠢く闇のただ中に身を置いているとき、何を見ていたのか俺は知りたいと思う。でも分からなくたって夜の果てへの旅に同行することはできる。

  • 東京湾

    人間の醜悪さと社会の欺瞞を剥き出しにする、呪詛と悪罵の一大巨篇。戦場から病院へ、病院から植民地へ、植民地から新大陸へ、三つの大陸を跨いで主人公・フェルディナンの光なき旅路は続く。世界文学の暗黒面とも言うべき容赦ない露悪的な文体に圧倒された。貧困層の窮乏は場末の酒場から血みどろの戦場まで世界の隅々に行き渡り、格差の中で横行する搾取や暴力にフェルディナンは直面する。その世界に抗う唯一の術として彼はただ旅を続けるのだ。幾つもの死線を潜り抜け、いつしか彼は人生の闇と同化する。汚辱に満ちた青春の辛辣な叙情は凄絶だ。

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