リチャード・パワーズ

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エコー・メイカー

リチャード・パワーズ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784105058739
ISBN 10 : 4105058738
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

マークが、事故に遭った。カリン・シュルーターはこの世に残ったたった一人の肉親の急を知らせる深夜の電話に、駆り立てられるように故郷へと戻る。カーニー。ネブラスカ州の鶴の町。繁殖地へと渡る無数の鳥たちが羽を休めるプラット川を望む小さな田舎町へと。頭部に損傷を受け、生死の境を彷徨うマーク。だが、奇跡的な生還を歓び、言葉を失ったマークの長い長いリハビリにキャリアをなげうって献身したカリンを待っていたのは、自分を姉と認めぬ弟の言葉だった。「あんた俺の姉貴のつもりなのか?姉貴のつもりでいるんなら、頭がおかしいぜ」カプグラ症候群と呼ばれる、脳が作り出した出口のない迷宮に翻弄される姉弟。事故の、あからさまな不審さ。そして、病室に残されていた謎の紙片―。幾多の織り糸を巧緻に、そして力強く編み上げた天才パワーズの驚異の代表作にして全米図書賞受賞作。

【著者紹介】
リチャード・パワーズ : 1957年イリノイ州生まれ。シカゴで育ち、父の仕事の関係で11歳から16歳までをバンコクで過ごす。イリノイ大学で物理学を専攻、のちに同大で文学修士号を取得。一度はコンピュータプログラマーとして勤めるが、アウグスト・ザンダー撮影の一葉の写真と出会い、退職。2年を費やしてデビュー長篇『舞踏会へ向かう三人の農夫』(’85)を書き上げた。各方面から絶賛を浴びたこの驚異的なデビュー作発表後も、その強靭な知性と筆力から一貫して高い評価を受け続け、2006年には『エコー・メイカー』で全米図書賞を受賞、アメリカ現代文学の最重要作家となった

黒原敏行 : 1957年生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 南雲吾朗

    事故で脳損傷を受けた弟(損傷した脳で施行される事柄やパターンが凄く面白い)と、それを親身に看病する姉や周囲の人々が織り成すドラマ。社会的状況、水域・環境問題、鶴の保護、姉の置かれた状況、脳神経学者の葛藤、事故の真相と残された謎のメッセージ。それぞれが絡み合って物語はすすむ。登場人物の全てが大なり小なり問題を抱えている。飽きることなく最後までグイグイと引っ張られるようにページが進む。最後の方に出てくる鶴が舞う描写は凄く詩的で美しい。パワーズは美しいものを実物よりも美しく描写する作家だと思う。

  • kana

    読み応え満点の傑作。今、ここにいる私の確かに思えた認識が揺らいでいく心許なさを体感してみたい方はぜひ。事故で最も親しい人を偽物だと認識してしまうカプグラ症候群になったマーク、姉そっくりの偽物だといわれ傷つきながらも自らのキャリアを捨て弟に尽くすカリン、マークに関心をもち、診察に訪れる神経化学者ウェーバー。三者三様の苦しみを描きながら、事故の真相と脳の神秘に迫る濃密な物語でした。街に飛来する鶴たちの圧倒的な美しさに魅せられ、対する人間の弱さと醜さに胸が苦しくなり、複雑怪奇な脳の仕組みに知的好奇心が疼きます。

  • ケイトKATE

    弟のマークがトラック事故に遭ったこと知り病院に駆けつけたカリン。奇跡的に一命を取り留めたマークだったが、カリンだけを姉と認識できないカプグラ症候群を発症していた。自分の存在を否定される絶望感の中、カリンがマークを介護する様子は心が痛くなる。一方で、マークと向き合うことでカリンは自分自身と向き合うことになる。『エコー・メイカー』は、“谺(こだま)を作る者”と意味する。マークは介護を受けている立場であるが、“エコー・メイカー”としてカリンを支えていたように思えた。本書で繰り返し登場する鶴の描写も本当に美しい。

  • のりすけたろう

    リチャード・パワーズは、かなりお気に入りな作家です。今回もがっつり楽しめました🌟カナダヅルの事をエコーメイカーと呼ぶらしく、他にも色々なこだまが作中に現れていて、パワーズ、さすがだなー💕となりながら読了✨次は、われらが歌う時が読みたいです(๑>◡<๑)✨

  • りつこ

    前半は事故に遭い最も愛しているはずの姉カリンを偽物だと言い張るマークに辟易しながら読んでいたのだが、マークの混乱が徐々にこちらにも波及してきて、今いる自分は誰なのか、自分の足元がぐらつく感覚に陥った。登場人物は皆不安定でおぼつかないが、そもそも私たち自身が危うい場所に立っているのだと気付かされる。飛び立っていく鶴の姿と鳴き声が頭から離れない。

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