リゲティ、ジェルジ(1923-2006)

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CD 輸入盤

オルガン作品集〜ヴォルーミナ、ムジカ・リチェルカータ、他 ズステック

リゲティ、ジェルジ(1923-2006)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
WER6757
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Germany
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

リゲティ:オルガン作品集
大迫力のトーン・クラスター『ヴォルーミナ』
『ムジカ・リチェルカータ』のオルガン版!


シュトックハウゼンの『星座のための12のメロディー』オルガン版と、ヴォルフガング・リームのオルガン作品集で話題となったドイツのオルガニスト、ドミニク・ズステックが、今度はリゲティ[1923-2006]の作品に挑戦!
 リゲティがオルガンのために書いたのは3曲のみですが(ヴォルーミナ、ハーモニーズ、クレ)、リゲティの作曲の発展過程において重要な足跡となっているだけでなく、現代のオルガン作品の新しい道を切り開いたといえるでしょう。
 『ヴォルーミナ』は、1960年代のトーン・クラスター作品。メロディー、リズム、ハーモニー(方向運動を伴うもの)を排したもの。時間的な芸術というより、空間的な芸術として聴き手に届く作品で、オルガンならではの迫力と、ズステックの巧みな音色選び、そして素晴しい残響が、この大規模な作品を見事に響かせます。
 同じく1960年代に書かれた『2つの習作』の「ハーモニーズ」は、たえず10の音からなる和音が鳴り響き、その和音が少しずつ変容していくというもの。「クレ」は虫の羽音のように細かく動き続ける音型が、アメーバのように形を変えていきます。
 『ムジカ・リチェルカータ』は、リゲティが30歳になる前頃に書いた作品。11曲から成り、もともとはピアノの作品ですが、オルガンで聴いてもこれがまた面白い!第1曲はラの音のみで構成され、単音、オクターブで重ねられるラの音、そしてリズムという要素で構成されています(一番最後にレの音が現れる)。オルガンの残響や、様々な音色で次々と現れるラの音を聴いていると、精緻に織り上げられた響きにだんだんがんじがらめにされていくような気分になります。ピアノでは味わえない迫力があると申せましょう。続く楽曲も、音の素材を極限まで制限したものが続き、4曲目は「手回しオルガン風ワルツ」ですが、大道芸人が広場で奏でる手回しオルガンとは違い、どちらかといえば不気味さ濃厚のワルツで、これがまたオルガンで聴くと効果抜群!8曲目の有名なセリー音楽的な曲も、軽快なリズムで、様々なストップを駆使して効果的に響かせるなど、ズステックは、リゲティが織り上げた緻密な音の細密画を、オルガンによって空間に見事に再現しています。
 ズステック[1977- ]自身による即興作品『話すシグナル』(2012)は、単なるオルガンとは思えないような、ノイズとしか思えない音や、ウィンドチャイムを思わせるような響きやマリンバ的な音色など、様々な音色を駆使したもの。楽器が壊れないかと心配になるほど、ズステックが楽器を弾きまくっています。

 使用された楽器は、シュトックハウゼン・アルバム、リーム・アルバムと同じく、ケルンのザンクト・ペーターのオルガン。この施設は、信仰のためのものであると同時に「クンスト・シュタツィオーン」とも呼ばれるアート空間でもあり、現代美術の展覧会や、新しい音楽のコンサートが開かれているほか、日々の礼拝もすべて現代音楽で執り行われているというユニークさでも話題となっているところです。
 ここに備えられているオルガンは、エオリアン・ハープ、チェロ、ハープ、サックス、打楽器、ホイッスルなど様々な音を模した音色が出るストップを合計104も装備した立派なもの。専属オルガニスト、ドミニク・ズステックはこれらの機能を熟知し、このアルバムでもそれが生かされています。
 今年はリゲティ生誕90周年、彼の記念碑的オルガン作品を核とした、非常に魅力的なディスクの登場といえるでしょう!(キングインターナショナル)

【収録情報】
・リゲティ:『ムジカ・リチェルカータ』(ズステックによるオルガン版)
・リゲティ:オルガンのための2つの習作(「ハーモニーズ」、「クレ」)
・シュステック:『話すシグナル』(オルガンのための即興)
・リゲティ:『ヴォルーミナ』

 ドミニク・ズステック(オルガン)

 録音時期:2012年8月6-9日
 録音場所:ケルン、ザンクト・ペーター
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

収録曲   

  • 01. Sostenuto - Misurato - Prestissimo
  • 02. Mesto - Rigido E Ceremoniale
  • 03. Allegro Con Spirito
  • 04. Tempo Di Valse
  • 05. Rubato - Lamentoso
  • 06. Allegro Molto Capriccioso
  • 07. Cantabile, Molto Legato
  • 08. Vivace - Energico
  • 09. Adagio - Mesto - Allegro Maestoso
  • 10. Vivace. Capriccioso
  • 11. (Omaggio a Girolamo Frescobaldi) Andante Misurato E Tranquillo
  • 12. Harmonies
  • 13. Coule
  • 14. Maschinensprache
  • 15. Gesang
  • 16. Fllungen
  • 17. Volumina FR Orgel

ユーザーレビュー

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何と言っても、ムジカ・リチェルカータのオ...

投稿日:2023/09/07 (木)

何と言っても、ムジカ・リチェルカータのオルガン版が素晴らしい。 ピアノでの表現の限界を突破して、この作品の巨大な本領が十二分に表現されているように思われる。 またこの演奏を通して、現代オルガンの表現力も十分に堪能出来る。 録音も秀逸。

analogue さん | 静岡県 | 不明

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リゲティ、ジェルジ(1923-2006)

ジェルジ・リゲティは、1923年5月28日、旧ルーマニア領のトランシルバニア地方に銀行員の父と眼科医の母のもとに生まれたユダヤ系ハンガリー人で、のちにウィーンの市民権を得ています。  リゲティは14歳のときにピアノを学び始め、その後すぐに作曲も開始しますが、15歳から18歳までは数学に熱中して科学者の道を志し、クルージュ大学の数学と物理の入学試験にも見事に合格。が、1941年当時のハンガリーには

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