ラースロー・クラスナホルカイ

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北は山、南は湖、西は道、東は川

ラースロー・クラスナホルカイ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784879842381
ISBN 10 : 4879842389
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2006
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

京都の町を走る京阪電車の扉が静かに閉まる。無人の駅にひとり降り立つ美しい若者。彼こそ、かの光源氏の孫君…。現代ハンガリーを代表する作家が、半年間にわたり日本に滞在した体験から紡ぎ出した小説。

【著者紹介】
クラスナホルカイ・ラースロー : ハンガリーの小説家。1954年、ハンガリー南東部の町ジュラに生まれる。出版社勤務を経て1983年から作家活動を展開。2000年に半年間、また2005年にも、国際交流基金招聘フェローとして京都に滞在した

早稲田みか : 国際基督教大学卒業、一橋大学大学院修了。大阪外国語大学教授。専攻はハンガリー語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • hiroizm

    ノーベル文学賞候補に挙げられる作家と聞いて読書。 京都を巡る虚実混在の随想文学。寺社建築や日本庭園を巡るだけかなと思いきや、「源氏の孫君」というキャラクターの設定、ヒノキを切り出す職人の技法からヒノキの生態、和紙の製法、庭石から地質学、仏教の世界観からカントールの集合論などへ飛躍する展開が面白かった。また京阪電鉄の駅の現代の情景描写がまたいい味。現代東京首都圏郊外新興住宅街育ちの自分には京都ってどっちかというと異郷感あるので、ラースローさんの視点の方に「ですよね〜」感強し。現代作家らしい知性を感じた。

  • きゅー

    京阪電車を降りて人気のない京都の町をさまよう源氏の孫君。彼は何かを探しているようだが、それが何かしばらく読者にはわからない。そして彼はとある寂れた寺にたどり着く。舞台は現代であるのに、そこに流れている空気はいつの時代とも言えない。京都の裏路地の雰囲気、崩おれかけた大きな門の描写などほんとうに素晴らしい。ヨーロッパの作家が描く京都の物語としては出色の出来では。一人寂しげに佇む源氏の孫君の様子と鄙びた風景とのコントラストも冴える。ストーリーはあって無いようなもの。風のまにまに頁を繰るのみ。

  • タカラ〜ム

    著者はハンガリーを代表する現代文学作家なのだそうだ。そんな作家が、半年間暮らした京都に魅了され、京都を題材として書いた小説が本書である。ラースローという作家の長く書き連ねる文体は、一見すると冗長であるように見えて、実際に読んでみると文体のもつリズムからなのか、読みにくさは感じない。著者の作品は、本書が唯一の翻訳である。この独特な文体のリズムが他の作品でも同様なのか知りたいのだが、松籟社さんは他の作品も翻訳してくれないものか。

  • rinakko

    再読。“百番目の隠された庭園”に心惹かれた源氏の孫君が、隠密裏に抜け出し京阪電車で探索の旅へ。京都は南東の小路や寺を歩きさ迷う…のだが、実際の主人公はその寺と幻の庭ともいえる不思議な小説である。人が絶えたようにひっそり閑とした寺や路地、脱力感に襲われ1杯の水を求める弱々しい源氏の孫君の執念。寺を守護する本尊は、なぜ哀しげな眼差しでお顔をそむけた小さな仏像なのか…。こちらも京阪電車を使って君を捜索している供のものたちが、どんどんへべれけになっていくのが可笑しかった。訳者あとがきで紹介されている作品も面白そう

  • qoop

    京都の風土/風景を幻想的に描いて伝統的な日本人の美意識を汲み取りながら、その裏で小さく凝ってしまった人心の怠惰さも映し出した本作。主人公は千年にわたり理想の庭を探し続ける〈源氏の孫君〉という権力者。禁欲的かつグロテスクな彼の姿は同時に切なくもある。そこに形骸化した過去の美意識との繋がりを見出そうと彷徨う(ただし京阪電車で!)現代人の姿を重ねて見るべきなのかもしれない。

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