ユニークな編曲のLP化
ラフマニノフ:交響曲第2番(ピアノ協奏曲に編曲)
シュミット=レナルディ 、 クーチャー指揮ヤナーチェク・フィル
ラフマニノフの人気作品「交響曲第2番」を「ピアノ協奏曲」に編曲するというユニークな企画。作曲家の孫であるアレクサンダー・ラフマニノフも認めたという編曲作品です。編曲はソ連のハリコフ出身で1977年に西側に移住してユトレヒト音楽院の教職に就いたアレクサンドル・ワレンベルク(アレクサンデル・ワレンベルフ)(1952- )。レニングラード音楽院でパーヴェル・セレブリャーコフに師事したピアニストです。
Brilliant Classics ・
Piano Classics ・
Berlin Classics ・
Neue Meister
演奏者情報
ヴォルフラム・シュミット=レオナルディ (ピアノ)
1967年、ドイツ、ザールブリュッケン近郊のザールルイに誕生。1987年、ザールブリュッケン・ヴァルター・ギーゼキング・コンクール第2位および特別賞受賞、1988年、カルロ・ソリーヴァ国際ピアノコンクール優勝、1991年、トリノ・ヨーロッパ音楽コンクール第3位、1993年、セルゲイ・ラフマニノフ国際ピアニスト・コンクール第2位、1998年、ピエトラ・リグレ国際ピアノコンクール優勝。ソロと室内楽で国際的に活動するほか、2007年からパリ・エコールノルマル音楽院で教え、2010年から2017年まではミュンヘン音楽・演劇大学、2018年からブレーシャ国際ピアノアカデミーなどで教えてもいます。
CDは、Brilliant Classics、Piano Classics、EBSなどから発売。

セオドア・クーチャー (指揮)
1960年5月30日、ニューヨークの西ウクライナ移民の家庭に生まれたアメリカの指揮者。名前は本人の発音ではセオドア・クーチャーですが、有名になり始めた頃にウクライナ国立交響楽団との録音が大量にリリースされたこともあってか、日本ではウクライナ人として扱われたようで、「テオドレ・クチャル」とか「テオドル・クチャル」などと表記されてきました。これはウクライナ移民の両親のもとに生まれた「レナード・バーンスタイン」を「レオナルド・ベルンシテイン」と表記するような感覚なので、ここでは本人の発音に従い「セオドア・クーチャー」と記しておきます。ちなみにウクライナ語読みでは「テオドル・クーチャル」です。
クーチャーは10歳からヴァイオリンを始め、のちにヴィオラに転向、クリーヴランド音楽院で、クリーヴランド管弦楽団首席ヴィオラ奏者でもあるロバート・ヴァーノン(1949- )に師事。
その後、ボストン交響楽団の「ポール・フロム・フェローシップ」を受賞し、タングルウッド・ミュージック・センターで指揮などを学んだりしたのち、1982年にクリーヴランド音楽院を卒業、プロの音楽家としての仕事は、クリーヴランドやヘルシンキ、ケープタウンのオーケストラのヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者というものでした。
その後、各地での経験を経て、1987年、27歳のときにオーストラリア東端のブリスベンのオーケストラ、クイーンズランド・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任。同時に約3,600キロ離れたオーストラリア西端のパースのバレエ団「ウエスト・オーストラリア・バレエ」の音楽監督にも就いています。
また、1990年からは、オーストラリア室内楽フェスティヴァルの音楽監督にも就任。開催地のタウンズヴィルは、ブリスベンの北西約1,300キロのところにある港町でした。
1992年になると、ウクライナ国立交響楽団の首席客演指揮者となって評判となり、1994年には音楽監督に就任しています。このオーケストラとの関係は非常に良好で、数多くのコンサートのほか、ナクソス・レーベルへのレコーディングも開始。未知の曲や現代ものにも積極的に取り組んでいきます。
1996年、コロラド州のボルダー・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督も兼務し、コロラド大学音楽大学の教授にも就任。
1999年、ウクライナ国立交響楽団の音楽監督を退任後はアメリカに戻り、2002年にカリフォルニア州のフレズノ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任 (2016年まで)。
2003年には、ネヴァダ州のリノ・チェンバー・オーケストラの音楽監督に就任 (2018年まで)。
2004年、ケント/ブロッサム音楽祭の常任指揮者に就任。
2005年、ネヴァダ室内楽フェスティヴァルの芸術監督に就任。
2005年、ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任。 (2012年まで)。前年からブリリアント・クラシックスへのレコーディングも開始。
2011年、ベネズエラ交響楽団の芸術監督に就任。
2013年、チェコの隣、スロヴァキア・シンフォニエッタの首席指揮者に就任。
2017年、ウクライナ国立交響楽団と北米ツアーを実施、44回のコンサートをおこなっていました。
2018年、ウクライナのリヴィウ国立フィルハーモニーの首席客演指揮者に就任。北米ツア-など実施しています。
2022年、ウクライナのリヴィウ国立フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任。

ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
1929年、チェコのオストラヴァに設立された放送オーケストラが前身。1954年、オストラヴァ交響楽団として正式に設立され、1962年、オストラヴァ国立フィルハーモニー管弦楽団に改名し、1971年、ヤナーチェク・フィルハーモニー・オストラヴァに改名。クチャルの指揮した録音ではティンパニを核とした非常に迫力のある音を鳴らすオーケストラで、スメタナのパワフルな音楽との相性も最高です。
トラックリスト (収録作品と演奏者)
SIDE 1A 18'33
セルゲイ・ラフマニノフ (1873-1943)
交響曲第2番ホ短調 Op.27 (ピアノ協奏曲版/ブージー&ホークス社)
1. 第1楽章 ラルゴ・アレグロ・モデラート 18'33
SIDE 1B 23'06
1. 第2楽章 アダージョ・モルト・アレグロ 13'08
2. 第3楽章 (原曲:第4楽章) アレグロ・ヴィヴァーチェ 9'54
ヴォルフラム・シュミット=レナルディ (ピアノ)
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
セオドア・クーチャー (指揮)
録音:2007年6月26日〜28日。チェコ、オストラヴァ、オストラヴァ・コンサート・ホール
Track list
Sergei Rachmaninoff 1793-1943
SYMPHONY NO.2 IN E MINOR OP.27
Arrangement for Piano & Orchestra by Alexander Warenberg (Publisher: Boosey & Hawkes)
SIDE 1A 18'33
1. Largo-allegro moderato 18'33
SIDE 1B 23'06
1. Adagio-molto allegro 13'08
2. Allegro vivace 9'54
Wolfram Schmitt-Leonardy piano
Janácěk Philharmonic Orchestra
Theodore Kuchar conductor
Recording: 26-28 June 2007, Concert hall, Ostrava, Czech Republic