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麻薬と人間 100年の物語

ヨハン・ハリ

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784861827921
ISBN 10 : 4861827922
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

目次 : はじめに “麻薬戦争”が始まって一〇〇年、そこには想像もできない物語があった/ 第1部 “麻薬戦争”の始まり/ 第2部 麻薬をめぐる犯罪の実態/ 第3部 麻薬戦争の最前線/ 第4部 不都合な科学的事実/ 第5部 “麻薬戦争”から平和的共存へ/ おわりに 麻薬戦争をめぐる旅で出会った人々、そしてアンスリンガーの後日談/ 日本語版補章 日本の「麻薬戦争」と“麻薬神話”

【著者紹介】
ヨハン・ハリ : 1979年生まれ。英国出身で、欧米で活躍するジャーナリスト。世界的なベストセラーを次々と生み出している。国際的人権団体アムネスティ・インターナショナルの「ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー」に2度選ばれた

福井昌子 : 立教大学法学部卒業。企業勤務、英国留学を経て、現在、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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麻薬に対する常識がひっくり返る衝撃の本だ...

投稿日:2021/06/15 (火)

麻薬に対する常識がひっくり返る衝撃の本だ。麻薬と言えば、ごく少量の医療用を除けば合法的に入手することは不可能だ。日本だったら暴力団、欧米だったらマフィアに代表される反社会的集団が流通を握り、彼らの資金源になっている。そもそも体を蝕み、常習性も強いので、絶対やってはいけない−ーというのが、まあ常識的な見方だろう。ところが、この本を読むと、麻薬を欲していれば、医師による処方というコントロール下で与えてやればいい。むしろその方が、安価でかつ不純物を含まない「安全な」麻薬となるし、実はそれほど常習性もないし、体にも悪くない。そう言ったことが具体的な事実をもとに縷々語られていく。南米では、麻薬の製造・密売が反社会的勢力による一大産業となり、「麻薬戦争」で多くの人が死んでいる。これは当局側が規制をしたのが悪いので、規制をしなければ反社会的勢力をのさばらせることもなかったのだそうだ。最初は面食らったが、なるほど言われてみればそうだと思えて来た。

うーちゃん さん | 静岡県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • どんぐり

    麻薬戦争を題材にしたノンフィクション。第1部〈“麻薬戦争”の始まり〉は、ハリー・アンスリンガー(連邦麻薬局長)、アーノルド・ロススタイン(麻薬密売ギャングのボス)、ビリー・ホリディ(黒人ジャズシンガー)が登場する映画『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリディ』の原作になっている。アンスリンガーが推し進めた麻薬を禁止したハリソン法以降、アメリカは麻薬非合法化、取り締まり、それによって組織を拡大する密売グループとの麻薬戦争を続けてきた。それはいつまでも抜け出すことのできない戦争といえる。→

  • パトラッシュ

    薬物犯罪者は厳罰に処すのが一般的な意見だろう。しかし、その考えが中毒者の増加と裏社会の拡大を促している現実を突きつける。麻薬を取り締まるほど価格が暴騰し、密売を取り仕切る暴力組織には金が流入する。その金で警察は買収されるか殺され、市民が巻き添えにされる犯罪が急増する。使用者は黒人ばかりとの神話のおかげで、ビリー・ホリデイは死に追いやられた。麻薬戦争とは税金を使ってマフィアを富ませているものだ。麻薬も酒や煙草と同じ扱いにして、規制を設けた合法化という「北風より太陽を」政策を真剣に考えるべき時ではと痛感する。

  • shikada

    ここ100年ほどの麻薬の取締りと依存症について調査した一冊。麻薬の規制の歴史は、知らないことばかりだった。麻薬の供給サイドの話だけでなく、人間に厭世観や空虚さを感じさせる社会が麻薬の需要を生んでいる、という視点はなるほどといった感じ。今の日本でストロングゼロが売れまくって、売上がギネス記録取ったりしているのも、社会不安に起因するところが多いと思う。

  • 井上裕紀男

    絶望的な環境が未熟な人間をどこまで追い込むのか。本書を通じて麻薬という存在を見るだけでは何も解決しないことを思い知る。 法規制を超える国と警察の腐敗はTVなどで見聞きするよりも人の人生を狂わせているようで、麻薬合法化策をとるしかないのかと思わせる。 それでも未成年や動物に麻薬汚染を広げるのは食い止めたいし、大人はしつこく教育したいところ。日本で麻薬常習者の若年層比率が高くなっていることも記載されていてショックです。 正しく扱えないなら、酒も麻薬もたばこも全部やめたほうがいい。依存症で身を滅ぼす。

  • Katsuto Yoshinaga

    ウィンズロウに代表される麻薬戦争に材を採った文学や映画をより知るためにと手に取ったが、意図していた内容は4割程度。残りの6割は薬物依存者/常習者の実際と国家による対策の実態、そして既成既存の薬物対策を覆した国家の実情とその理由が描かれている。想像とは異なっていたが、目から鱗が落ちる内容で、かなり衝撃を受けた。例えば、南米のカルテルに代表される麻薬供給者のビジネスモデルはマルチ商法であること、取締機関と供給者は補完関係にあること、etc.私の認識、アート・ケラーの闘いは何だったのだろう。コレは、凄い一冊。

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