ヨゼフ・シュクヴォレツキー

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二つの伝説

ヨゼフ・シュクヴォレツキー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784879842886
ISBN 10 : 4879842885
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2010
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ナチスもソ連も憎悪した音楽・ジャズにのせ、満ち満ちる閉塞感の中で、生がはかなくもきらめく一瞬をとらえる…。ジャズにまつわる初期の2つの中編小説ほか、ジャズに憑かれた作者の回顧エッセイも併録。

【著者紹介】
ヨゼフ・シュクヴォレツキー : 1924年、チェコの東ボヘミア地方に生まれる。カレル大学哲学部(文学部)卒業後、教師や編集者などを経て専業作家になった。1968年、改革運動「プラハの春」がソ連の軍事介入によって潰された後に、カナダに亡命。同地でもチェコ語で創作を続け、また、チェコ本国で出版ができないチェコ語の本をを出す出版社「68年出版」を設立した。純文学、ミステリー、エッセイなど幅広いジャンルで活躍。ミラン・クンデラ、ボフミル・フラバルとならび、20世紀後半のチェコ文学を代表する作家と目されている

石川達夫 : 1956年東京生まれ。東京大学文学部卒業。プラハ・カレル大学留学の後、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、神戸大学大学院国際文化学研究科教授。スラヴ文化論専攻

平野清美 : 1967年神奈川県生まれ。早稲田大学、プラハ・カレル大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • qoop

    ナチスにも共産党にも弾圧され続けたチェコのジャズ。許されない自由への焦燥感と愛惜の念を回顧した随筆〈レッドミュージック〉、魂と肉の間で愛をつかみかけ、失っていく男女の儚さ。善から遠ざかった男の姿が印象に残る〈エメケの伝説〉、ナチスに支配された街を舞台に、全てを吹き飛ばし永遠や真実を一瞬だけ垣間見せ、消えていく音楽の魔力〈バスサクソフォン〉。どれも諦観と焦燥感がない交ぜになったような読み応え。

  • taruho

    「レッド・ミュージック」はナチス統治下のジャズ事情をめぐるエッセー。ジャズは人を堕落させる音楽と認識されて、事細かに禁止事項があったというのはなんともつらい話。「エメケの伝説」は「バスサクスフォン」の2つの短編。「バスサクスフォン」はナチス統治下のチェコの音楽好きの少年とドイツの奇妙なジャズ楽団のサックス奏者として舞台に上がる話。少年の音楽への愛着と好奇心が瑞々しくて、ほろ苦い青春小説としても楽しかった。やばくなったら逃げるが勝ち…なのだ。

  • すけきよ

    ジャズの素養が0なんで、残念ながら根っこの部分が楽しめなかった。だが、今でこそ美しい観光地となったチェコが、ちょっと前までは自由とは無縁の社会だったという事実。あえて言うけど、たかがジャズさえも禁じられていた恐怖。純粋に音楽を愛するという意味でも、監視からの自由の象徴としてもジャズが求められる。都条例も暗黒時代の始まりなのかなぁ、と50年前のかの国とダブらせて思ったり。収録作品では「バスサクソフォン」がよかったかな。サイドショウという境界線上の住人と、禁じられた音楽であるジャズが奏でる幻想的な一夜の物語。

  • のび太

    この作品の中の「バスサクソフオン」が印象に残りました。青春の絶望的叫びが随所に表れています。実際の楽器を写真で見るといいでしょう。翻訳された平野清美先生の表現力に感心させられます。

  • Lucie

    エメケの伝説がすごくいい。エメケの目がすごく印象的でいい。この時代のチェコの作家(といってもシュクボレツキーとフラバルのことだけど)は軽やかで、でもほろ苦くてなんとも言えない同時代的雰囲気があってすごく好きだ。

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