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アラブ500年史 下

ユージン・ローガン

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560083291
ISBN 10 : 4560083290
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「アラブ革命」の淵源をたどる、注目の歴史大作!


米ソ超大国の思惑に翻弄された冷戦時代を経て、アメリカ一極支配とグローバル化時代にいたるまでを、英国の泰斗がアラブ人の視点から丁寧に描く。


「アラブは「不定愁訴」を抜けられるか? 国際政治の脇役に置かれた絶望と、自由と尊厳への希求が織り成す、中東社会のダイナミズムに触れてほしい。」酒井啓子氏推薦


私は、アラブ史の激動の歳月をくぐり抜けた人たちの目撃証言を利用して、広範囲のアラブ人の資料を集めた。昔の年代記作成者の記述よりも、できるだけ広範囲の知識人、ジャーナリスト、政界人、詩人、小説家、有名無名の男女などアラブ地域に暮らした人達の資料を優先した。ロシア人の歴史を書くならロシア人の資料を重視するのと同様に、アラブ人の歴史を書くならアラブ人の資料を優先するのが自然であると私には思えたからである。(「はじめに」より)


中東近現代史の決定版
2010年末、チュニジアで始まった「ジャスミン革命」の波はその後、中東各地に拡大した。先行きはなかなか見通せないが、本書は、オスマン帝国統治期までさかのぼり、英仏による植民地支配から二つの世界大戦を経てポスト冷戦にいたる、五世紀におよぶアラブの歴史を丁寧にたどって、「アラブ革命」の淵源を示す。
本書の特徴は、イスラーム対キリスト教、西欧列強対被植民地といった対立軸を設けて論じるのではなく、歴史上の出来事に対してアラブ側がどのように受け止め、反応したのか、数百年前の王朝の記録のほか、ジャーナリストや小説家らの寄稿・会見記、外交官の日誌、床屋談義など、アラブ地域に暮らす有名無名の人びとが残した資料や証言を駆使して書かれている点だ。
著者はオクスフォード大学中東センター所長を務める気鋭の中東史研究者。本書は英米のメディア・学界を中心に称賛を集め、すでに八つの言語に翻訳されている。


[目次]
第10章 アラブ・ナショナリズムの台頭
第11章 アラブ・ナショナリズムの衰退
第12章 石油の時代
第13章 イスラーム勢力の台頭
第14章 冷戦以後
エピローグ
追記──「アラブの春」から一年
謝辞
訳者あとがき
人名索引/原注/写真クレジット


[原題]The Arabs: A History


ユージン・ローガン Eugene Rogan
アラブ近現代史が専門の歴史家。オクスフォード大学セント・アントニー・カレッジ中東センター所長(1998-)。子供時代をベイルートとカイロで過ごし、アメリカのコロンビア大学経済学部に在学中、中東史に関心を持ち、トルコ語とアラビア語を修得。卒業後、ハーヴァード大学で中東研究のM.A.(1984)、Ph.D.(1991)を取得。サラ・ローレンス・カレッジ、ケンブリッジ大学の講師を経て現職。ケンブリッジ大学出版部の「現代中東シリーズ」の編集者も務める。本書『アラブ500年史』(原題The Arabs: A History)はすでに8つの言語に翻訳されている。著書に、Frontiers of the State in the Late Ottoman Empire(1999)、Outside In: On the Margins of the Modern Middle East(2002)など。現在、2014年刊行予定のThe Great War in the Middle East, 1914-1920を執筆中。英国オクスフォード在住。


訳者:白須 英子(しらす ひでこ)
翻訳家。1958年、日本女子大学英文学科卒業。主な訳書に『オスマン帝国衰亡史』(中央公論社)、『エルサレムの20世紀』『イスラーム世界の二千年』『イラン人は神の国イランをどう考えているか』(以上、草思社)、『情熱のノマド』(共同通信社)、『変わるイスラーム』『仮想戦争』(以上、藤原書店)、『湿原のアラブ人』『北緯10度線』(以上、白水社)など、著書に『イスラーム世界の女性たち』(文春新書)がある。





【著者紹介】
ユージン・ローガン : アラブ近現代史が専門の歴史家。オクスフォード大学セント・アントニー・カレッジ中東センター所長(1998‐)。子供時代をベイルートとカイロで過ごし、アメリカのコロンビア大学経済学部に在学中、中東史に関心を持ち、トルコ語とアラビア語を修得。卒業後、ハーヴァード大学で中東研究のM.A.(1984)、Ph.D.(1991)を取得。サラ・ローレンス・カレッジ、ケンブリッジ大学の講師を経て現職。ケンブリッジ大学出版部の「現代中東シリーズ」の編集者も務める

白須英子 : 翻訳家。1958年、日本女子大学英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ntahima

    【県図書15】下巻に入り、少しは見聞きした歴史が登場すると頁を捲る速度も心持ち速まる。英国の三枚舌外交に始まり、数次の中東戦争、パレスチナ問題、レバノン内戦、イラン革命、湾岸戦争、9.11、イラク戦争、アラブの春など新聞でだけ目にしてきた歴史の流れが克明に語られる。読んでいるときは分かったような気になる瞬間もあるが、中東の歴史は複雑怪奇にもつれあい理解できたとはとても言えない。パズルのピースがバラバラのまま頭に放り込まれたような読後感。今後は類書を読みながらこのパズルを少しずつ組み立てる作業をしていきた。

  • 井上裕紀男

    中東と言えば?「石油」をイメージしてしまいますが、20世紀初頭までは本格的調査も進んでいない。本書は石油をあくまで歴史の変遷と絡めて説いてくれる所は興味深い。産油国のアラブ移住労働者数の増大、富める国と貧しき国が入れ替わり現代に繋がる。 革命家や新しい運動から生まれた指導者の台頭、冷戦時代までの描写はスリリング。 訳者の白須氏が語る「聴け!アラブ人のつぶやきを」。本書を通じて中東以外に伝わり続けてほしい。本書で歴史を知れば、勝手に国境線を引いたり、偏見で他民族・他宗派を見ることも無くなる。

  • かった

    5点満点中10点の本である。我々はアラブについて余りにも知らな過ぎである。たとえばレバノンという国名は知っていてもこの国が中東の中でキリスト教国であることを知っている日本人はどれほどいるか? 西欧社会から見ると、「ハマス」は単なるテロリストの集団のようにしか紹介されないが、国民の正当な選挙で選出された議員を擁する政党であることを知っているか?パレスチナとイスラエルの和平交渉をしたのはノルウェーでありアメリカではない。 アラブを知るためにはこの一冊は最良の教科書であり繰り返し読むべきものである。

  • MUNEKAZ

    下巻も圧巻。第一次中東戦争での敗北からナセルらによる汎アラブ主義の盛り上がり、そしてそれが東西冷戦に飲み込まれ支持を失っていく中で、イスラーム主義が勃興し終わりのないテロの連鎖に繋がっていく。何度も反故にされる約束や協定、そして吹き荒れる暴力の凄まじさに、著者の指摘するアラブ人の感じる無力感が伝わってくる。ヨーロッパ各国の帝国主義による進出からこじれた話は、現在、難民問題により今度はEUにも大きな波紋を投げかけている。また上下巻を通して女性からの視点が多いのも印象的だった。

  • ドウ

    第2次世界大戦後から現代にかけてのアラブ地域の通史。イスラエルとの4度の戦争、アラブ諸国の独立と革命、内戦と戦争が時系列でまとめられていて良かった。21世紀の話が微妙なのはまあまだ同時代なので歴史的評価が定まってないというのがあるのでしょうね。日本語のサブタイトルはややミスリード。

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