Books

死刑囚最後の日 岩波文庫 改版

ユーゴー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003253182
ISBN 10 : 4003253183
Format
Books
Publisher
Release Date
June/1982
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • のっち♬

    ある罪である日処刑された死刑囚の苦悶。微に入り細を穿った心理描写は生々しく、偶発性、個人性、特殊性などあらゆる物語性を削いだ構成と相まって時代と場所を超越した普遍性を獲得している。本書は死刑の廃止についての弁論にほかならない。執筆背景を説明した(後年追加された)序文は、熱量から著者が反響に確かな手応えを感じたことが窺われるし、『社会は「復讐するために罰すること」をしてはいけない』といったメッセージ性は『レ・ミゼラブル』にも通底する。道徳的及び社会的感情を失い、旧慣に盲従する法と人間のみじめさを訴えた一冊。

  • ehirano1

    死刑囚の極限の心情描写が凄まじくて圧倒的な緊迫感と地獄の底から何かに鷲掴みされているような感に陥りました。一方で、そんな中でもヒトはそれに抗がおうとする生き物であるということを認識しました。

  • Willie the Wildcat

    著者の立ち位置『1832年の序文』、特に”3つの理由”を踏まえた本編での検証。故に、主人公の名前、職業、あるいは罪状の記載がないのだと解釈。死刑制度の是非はともかく、「自己制御の可否」が齎す物心両面での変化を、如何に人権という基準で計るのか、が頭に浮かぶ。特に”時間”。例えば、主人公は「5 stages of Grief」の最終ステージを踏むことなく最期を迎えた。補ったのが半強制的な他力。心理的影響が随所に感じられた。最後の最後まで抗う姿勢も、読者への問題提起ではなかろうか。

  • みっぴー

    被害者の遺族の気持ちをまるっきり無視している感じがして、死刑囚に同情や憐れみは感じませんでした。冤罪などの問題もありますが、やはり優先すべきは被害者の側。犯罪者を生み出した社会こそ悪であるというユーゴーの主張はもっともらしく聞こえますが、残念ながら生まれながらの悪人、快楽のために殺人を犯す人間がいることも確かです。人は神ではないから、人間の本質なんて見抜けません。法治国家と言えども人を裁くのは所詮人間だということを忘れてはならないと思いました。

  • SIGERU

    事実のごとく語るのが写実の極意なら、本書は究極の写実小説だ。だが、ユゴー自身はロマン派を以て任じている。死刑廃止を訴える浪漫的な熱情と、死刑囚をめぐる冷厳な現実の再創造。虚実の皮膜のあわいを十全に表現できる作家がロマン派だとすれば、ユゴーはその最高峰だろう。ビセートル監獄に始まり、処刑の到来を告げる「四時」の恐るべき一行まで、読者を掴んで放さない。事実を単純に繋ぎ合わせるのでなく、素材を吟味し、細心の手つきで按配して、最大の感銘を与える。凡百のノンフィクションも及ばない、これこそが小説の力だ。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items