方には常に鳴り響く手拍子が如何にもフラメンコという風情だが、時折伝統的なバロック調の旋律・和声が現れたりと割と出入りは激しい。オデットという人は何を弾かせても巧い人で、最初のトラックのハラカスが終わる頃には既に耳を捉えて離さないのである。 掴みのハラカスは素晴らしい曲想なのだが、ファンダンゴ、マリオーナスからイタリア風フォリーアス、ラス・ペーナスあたりが熱気、頽廃、そして憂愁を綯い交ぜにした一つの絶頂を構成する。肩の力を抜いて楽しめる一枚である。 音質はハルモニア・ムンディらしいスッキリとした好録音だ

これがバロック時代の音楽か！というほどモダン。リズレヴァントのアレンジもさることながらムルシアの先見性に脱帽!!古楽好きもそうでない人も問わずに楽しめる名盤!!ぜひ聴くべし。太鼓仙人エステヴァンのパーカッションも妙。