極北 中公文庫

マーセル・セロー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784122068292
ISBN 10 : 4122068290
フォーマット
出版社
発行年月
2020年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
424p;16

内容詳細

極限の孤絶状態に陥り、

酷寒の迷宮に足を踏み入れた私の行く手に

待ち受けるものは――



最初の1ページを読み始めたら、決して後戻りはできない。

予断を揺るがし、世界の行く末を見透かす、

強靱なサバイバルの物語。



この危機は、人類の未来図なのか。

村上春樹が紹介した英国発の話題作、いよいよ文庫化。

著者プロフィール
マーセル・セロー (マーセル・セロー ムラカミハルキ) (著/文)

一九六八年ウガンダに生まれ、英国で育つ。ケンブリッジ大学で英文学を、イエール大学でソヴィエト、東欧の国際関係を研究。環境問題から日本の「わびさび」まで、多様なテーマのドキュメンタリー番組制作に携わるほか、二〇〇二年に発表した小説 The Paper Chase でサマセット・モーム賞を受賞。本書『極北』は全米図書賞及びアーサー・C・クラーク賞の最終候補となり、「主要な文学賞が見過ごしている格別に優れた作品」に贈られるフランスのリナペルスュ賞を受賞している。その他の作品に Strange Bodies などがある。

【著者紹介】
マーセル・セロー : 1968年ウガンダに生まれ、英国で育つ。ケンブリッジ大学で英文学、イエール大学でソヴィエト、東欧の国際関係を研究。環境問題や日本の「わびさび」など多様なテーマのドキュメンタリー番組制作に携わり、2002年発表の小説The Paperchaseでサマセット・モーム賞を受賞。『極北』は全米図書賞及びアーサー・C・クラーク賞の最終候補となり、「主要な文学賞が見過ごしている格別に優れた作品」に贈られるフランスのリナペルスュ賞を受賞した

村上春樹 : 1949年生まれ。日本を代表する小説家であると同時に、海外文学の優れた読み手として、カポーティ、フィッツジェラルド、カーヴァー、オブライエン、チャンドラー等の作品を手ずから翻訳、紹介してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    原発と地球温暖化などから、世界は終末の様相を呈している。近未来SFだが、語りは一貫して静かである。語り手の「私」には、救いや希望は閉ざされている。周りに渦巻くのは暴力と支配と絶望である。物語の地はシベリアの極北。その極限の地でさえも、優しいと思えるほどに人間たちの精神の荒廃は著しい。この世界はコーマック・マッカーシーの描いたそれに最も似ているだろう。オースターにも共通するところがありそうだ。すなわち、この小説世界は現代社会の行き着く果てであるのかもしれない。彼らの予見は、それを示しているのだろうか。

  • マリリン さん

    強くも繊細なメイクピースが語る過去の回想と郷愁...。極北の地で生き抜く様は重く暗い。生の軌跡に付きまとう寒さや死や血の香り...そして貧困。つかの間のせわしない親愛がもたらした人類最古の患い。生と迫りくる死の狭間に立ち想う姿は、生きてきた軌跡の如く美しいとは言い難いはずなのに、耽美な世界に佇むかのようなメイクピースの姿が、幻想的な美しさを湛えて見えたのは、過酷な環境下生き抜いた魂の終焉が近づいているからだろうか。汚染等様々な社会性を孕んだ作品。終始「ザリガニの鳴くところ」を彷彿させるような孤独感が漂う。

  • tokko さん

    けっこうグイグイきます。年代も場所も曖昧で「何となくこの辺りの地理的位置と時代なのかなぁ」と見当をつけて読むことになります。そしてちょいちょい予想に反した細かい「裏切り」があります。さらに急転直下の展開と命をかけた冒険が、非常に静かな語りで紡がれているので程よく冷静にドキドキできるんです。この辺りの静けさは、やはりイギリス人作家だなぁとつくづく感心してしまいます。いろんな読みができるんでしょうが、ぼくは 現在のもう一つの「あったかもしれない世界」とまずは読んでしまいましたが、どうでしょう?

  • シキモリ さん

    世界は終わった―。そう言葉にするのは容易いが、それでも人はその【終わった世界】を生きる他にない。極北の地を舞台に、ひとり取り残された主人公は旅に出る。傍らの日常を奪われた時、人はアイデンティティを喪失する。肩書、知識、信仰までも価値を失った時、人は真価は問われる。幾度と傷つき、感傷に浸り、それでも【何か】を求めサヴァイブする主人公のタフさが胸を打つ。先読み出来ない展開も終盤に差し掛かりトーンダウンするが、そこで作品に隠された仕組みが浮かび上がる。ひとつ命が尽き果てようとも、継承される物語は未だ終わらない。

  • ちぇけら さん

    そこにはもうなにもない。極北。世界のはて。荒れ果てた自然。朽ちて潰れた家々。狡猾さと猜疑心に満たされた人々。神は人々を統制する道具でしかない。本は火を得るために燃やしつくされ、文明は途絶えつつある。大地は放射能で汚染された。メイクピース。その名を持って世界のはてに生まれ、家族を失い、友人を失い、死の機会を失い、自由を失った。世界にも、人々にも、もうこれ以上奪えるものはなかった。北を北と言える正しさすら消えた。〈すべて〉が途絶えてしまわぬよう、ことばを綴り、いのちを繋ぐ。針の穴ほどのほしの光に手をのばして。

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マーセル・セロー

1968年ウガンダに生まれ、英国で育つ。ケンブリッジ大学で英文学、イエール大学でソヴィエト、東欧の国際関係を研究。環境問題や日本の「わびさび」など多様なテーマのドキュメンタリー番組制作に携わり、2002年発表の小説The Paperchaseでサマセット・モーム賞を受賞。『極北』は全米図書賞及びアー

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