ルイージによるマルタンの『旗手クリストフ・リルケの愛と死の歌』
オッカ・フォン・デア・ダメラウのドラマティックな歌唱にも注目!
フランク・マルタンのアルトとオーケストラのための歌曲集『旗手クリストフ・リルケの愛と死の歌』は、マルタンが妻から紹介されたライナー・マリーア・リルケの詩をとても気に入り作曲した作品です。パウル・フォン・クレナウ、ヴィクトル・ウルマン、ジークフリート・マトゥスなどの作曲家たちも同名の作品を書いており、リズミカルで多彩な言葉の響きに多くの音楽家が魅せられています。リルケのこの詩は、17世紀後半に起こったハンガリー、トランシルヴァニアを巡るオーストリア・ポーランド・ヴェネツィア・ロシアなどの神聖同盟とオスマン帝国の戦争で、戦死した若き兵士の運命を描いた内容。兵士としての誇り、死への不安、残した家族、恋人への思いなど悲痛な心が丁寧に書かれており、マルタンはこれを第2次世界大戦中に作曲。戦争の虚しさ、そして緊迫した雰囲気を反映させた心揺さぶられる楽曲です。
この録音は、ファビオ・ルイージ率いるフィルハーモニア・チューリッヒと、ワーグナー、ヴェルディのオペラで高く評価され豊かな声をもつオッカ・フォン・デア・ダメラウをソリストに迎え、2016年12月にチューリッヒ歌劇場で行われたコンサートのライヴ。ルイージは、詩の切々とした情景を巧みな描写力で見事に聴かせてくれます。(写真© Monika Rittershau / Michael Lieb)(輸入元情報)
【収録情報】
● マルタン:旗手クリストフ・リルケの愛と死の歌
オッカ・フォン・デア・ダメラウ(コントラルト)
フィルハーモニア・チューリッヒ
ファビオ・ルイージ(指揮)
録音時期:2016年12月
録音場所:チューリッヒ歌劇場
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)