マシュー・c・クレイン

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貿易戦争は階級闘争である 格差と対立の隠された構造

マシュー・c・クレイン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784622089995
ISBN 10 : 4622089998
フォーマット
出版社
発行年月
2021年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
290p;20

内容詳細

今日の米中2国間に見られるような対立は、じつは各国の労働者・退職者を犠牲にした数十年来の富裕層優遇策に起因している―。貿易黒字国である中国やドイツの国内所得の不均衡がアメリカの巨額な貿易赤字を生み、衝突へと至る構造をあざやかに解明、解決のための道筋を示す。国内の格差が民主主義を毀損し、グローバル経済の繁栄や国際平和をも脅かすメカニズムは、日本にも重大な問いを突きつけている。2021年ライオネル・ゲルバー賞受賞。

目次 : 第1章 アダム・スミスからティム・クックへ―グローバル貿易の変容/ 第2章 国際金融の発達/ 第3章 貯蓄、投資、不均衡/ 第4章 天安門から一帯一路へ―中国の黒字を理解する/ 第5章 壁の崩壊と黒いゼロ―ドイツの黒字を理解する/ 第6章 アメリカ例外主義―法外な負担と執拗な赤字/ まとめ―貿易戦争の終わり、階級闘争の終わり

【著者紹介】
マシュー・C.クレイン : アメリカの週刊投資金融専門紙『バロンズ』の経済論説担当。『ニューヨーク・タイムズ』『ナショナル・インタレスト』などにも寄稿。イェール大学(歴史学専攻)卒業後、外交問題評議会勤務をへてジャーナリズムの世界に入り、『フィナンシャル・タイムズ』アルファビル・ブログの経済・金融担当などをへて現職

マイケル・ペティス : 北京大学光華管理学院(ビジネススクール)教授(財政・金融)。カーネギー国際平和基金のシニアフェローも務め、中国の金融市場に関する月次コラムを同財団サイトに寄稿。コロンビア大学院でMBA取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • キク さん

    「貿易戦争は国家間の対立と表現されることが多いが、そうではない。超富裕層とその他大勢の対立だ」世界中の人を満たす量の食糧や日用品が生産できるまで産業は発展した。商品の運送費は無視できるほどに安くなった。金融商品の発展で世界は一つの大きな市場になった。でもなぜ、貧しい国はまだ存在するのか?国の内部で階級闘争が発生しているからだと本書はいう。本書で描かれる世界経済はとても複雑に絡み合っていた。少なくても、頑張っていい製品を作れば貿易黒字になるとかいう単純な話しではない。経済の進化(深化かも)って業が深い。

  • マルヤマ さん

    今日の米中2国間に見られるような対立は、実は各国の労働者・退職者を犠牲にした数十年来の富裕層優遇策に起因。中国等の産業を支えるのは低賃金の労働者であり、マクロでは富が蓄積しても国内消費が伸びない。結果、余剰資本が米国に流れることでシステムの「歪み」が生じているという構図。(ヨーロッパではドイツが中国に当たる)

  • TK39 さん

    富が金持ちに集まり、一般庶民の資産、賃金は減り、消費は停滞、預金により増加したカネは海外に、投資が集まった国はバブルになり、いずれ破綻、緊縮財政になり、消費は停滞、誰もハッピーにはならないという事を数字で説明していく。ドイツ人の労働者はスペイン、イタリアの労働者と同じく貧しいとは驚き。 貿易黒字は良いことではなく、内需をないがしろにした結果であり、中国もあてはまる。もちろん日本も。 国内投資を活発化させて、一般庶民に再びカネを回すことが必要。著書は心情的にはトランプは嫌いそうだが、やったことは一定正しい。

  • 好奇心の横断歩道を渡る! さん

    所得格差の拡大と貿易戦争の激化の結びつきを指摘している点は、とてもとても素晴らしいと思う。サプライチェーンが複数の国にまたがるようになったので、完成品だけをカウントする貿易データが実態を反映しなくなった、というのもわかる。ただ、貨幣感がおかしい。私はいつの間にか、商品貨幣論前提の話を苛立ち無しには読めなくなってしまったようだ。MMTerが同じテーマで書き直さないとな。

  • あつもり さん

    多国籍企業は国際競争を口実に労働者の賃金抑制を進めることで収益の拡大を図ってきたが、その結果、各国では深刻な消費の停滞が生まれ、また、過剰な貯蓄はアメリカやEU南部国等への投資となってバブルを発生させてきた。悲惨な方向に向かう前に貿易戦争を解決するためには、所得を企業や富裕層から一般の労働者にシフトし、内需拡大を進めるべきである。現状は「超富裕層が他の国民に階級闘争を仕かけ、成功してきた」ものであり、「現在の貿易交渉はこうした問題に一切取り組まないのだから、ほとんど成果を得られない」(P.274)。

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