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エティオピア物語 上 岩波文庫

ヘリオドロス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003212714
ISBN 10 : 4003212711
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

今しもうららかな一日が明けようとする朝、ナイル河口の丘の上から盗賊一味が見たものは、財物満載の無人の船、生々しい死体の山、そして手負いの凜々しい若者と、そばに寄り添う女神の如き美貌の娘であった――。古代ギリシア小説の最高峰、映画さながらの波瀾万丈のストーリーが展開する恋愛冒険小説巨編。(全2冊)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    3世紀にギリシャの歴史家、ヘロトドスが描いた青春小説は現代にも通じるリーダビリティと面白さ!まず、登場人物たちの来歴が濃い。ヒロインは実は高貴な生まれという事が明らかになるし、脇役である筈のクネモンの経緯も神話での「継母による誘惑を退けた事によって奸計に嵌められ、追放」パターンを踏襲しているのに面白い。嫉妬した弟に神職を追われて盗賊になったテュミアスも掘り下げれば、絶対、面白いに違いないと期待が高まります。それにしても抜かりなく神に誓うもイチャついても精々、接吻するだけで貞節を守る若き二人の初々しさよ。

  • kibita

    もう、本当にこの人達は…。3世紀のギリシア・ハーレクイン冒険小説。ハイティーン絶世の美男美女が災難に遭いまくる。それぞれの語りが長くて熱い。舞台もしくはハリウッド映画を観ているよう。ヒロインは高貴な生まれだが棄子された。その理由が…おお、王妃よ!神々よ!そりゃないよ…てこちらも思わず叫んでしまう。ヒロインのイメージを求めてエチオピアの人種や歴史を深掘りしてしまったが、途中で白い肌と金髪だと分かった。愛しい相手でも、所詮男だからと純潔を守る為に神に誓わせるあたり、ヒロインはしっかり者。下巻楽しみ。

  • ゆう

    「太陽がめぐってくると、雄鶏はその本能的な知覚に動かされて太陽神に挨拶しようとするのだともいい(略)」(53〜54頁)ギリシャ神話の神々、精霊が生活に密着していて読む手が止まらない。ときめく。「処女性とは無垢で純粋で穢れのないものだと申しましてね。また一方では、エロスやアプロディテなど結婚に関わる連中はみな烏のところへ失せろと罵っているのです。」(141頁)この主人公カリクレイアがテアゲネスに一目惚れするんだから面白い。しかし父が娘の結婚に決定権を持つところや人があっという間に捕虜・奴隷になる世界は怖い。

  • 春ドーナツ

    毎月、岩波書店のホームページを開いて、来月刊行の文庫本を見物する。本書の書影とかんたんなあらすじに目を通したとき、まあ、スルーしようかなと思った。古代の小説なら「黄金の驢馬」を読んだことがあるし、とくに食指が動かない。けれど後ろ髪を引かれる。もう少し調べてみると、現代の作家が書いた時代小説のように文章が経年劣化することなく瑞々しいらしい。原文は読めないけれど、翻訳にもある程度は反映されているだろう。近所の配送専門になった村上書店にお願いした。ただ初心のスルー感が抜けた訳ではなく、積読の常連とあいなる。だが

  • 鏡裕之

    冒頭の描写具合、船や女や男の描写の解像度の高さは、まるで現代の小説を思わせる。ただ、序盤すぎからはいつもの古典的な語り。別のところで起きた事件は、その事件に居合わせた者が語るという、古典のシステム。視点切り替えという近代小説のシステムはない。純粋にある人物の目撃談として話が語られていく。

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