DVD 輸入盤

『西部の娘』全曲 マレッリ演出、ヴェルザー=メスト&ウィーン国立歌劇場、ステンメ、カウフマン、他(2013 ステレオ)

プッチーニ (1858-1924)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
88875064069
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD
その他
:
輸入盤

商品説明


プッチーニ:『西部の娘』全曲
ニーナ・ステンメ、ヨナス・カウフマン
ヴェルザー=メスト&ウィーン国立歌劇場(2013)


ドイツのカウフマンとスウェーデンのステンメというワーグナー歌手としても人気の2人の出演が話題となったウィーン国立歌劇場での公演を収めたライヴ映像。彼らはこの少し前には、ゲルギエフの『ワルキューレ』で、ジークムントとブリュンヒルデとして共演しており見事な歌唱を聴かせていましたが、『西部の娘』が重めで暗めの声を求める作品ということもあり、ここでの彼らも手応えある歌唱と演技を見せてくれます。指揮はワーグナーも得意とするヴェルザー=メスト。起伏の大きな音楽づくりでプッチーニの旋律美や迫力ある闘争シーンを盛り上げます。
 『西部の娘』はプッチーニの代表作の一つで、『蝶々夫人』の作家でもあるベラスコの戯曲『黄金の西部の娘』をもとにつくられたものです。アメリカ先住民の歌や、19世紀半ばのアメリカの民謡などを巧みに引用し、ゴールド・ラッシュに湧く1850年代アメリカ西部の鉱山の町を舞台にした、いわゆる西部劇をオペラ化することに成功したという作品でもあります。
 筋立ては、酒場の女主人ミニーと盗賊の首領ディック・ジョンソンの純愛を軸に、荒くれ者たちや保安官たちとのやりとりを描いたというもので、中でもディック・ジョンソンの歌う「やがて来る自由の日」や、ミニーの歌う「ソレダードにいた時」は感動的な美しいアリアとして人気があります。
 『西部の娘』は初演が大成功だったことでも知られています。1910年にメトロポリタン歌劇場で、カルーソー、デスティン、アマートの歌、トスカニーニの指揮でおこなわれたそのときの上演は、プッチーニの生涯でも最高のセンセーショナルなものだったといわれており、その後のイマイチな人気とは対照的なものがあったようです。
 しかし、今回の上演はカウフマン出演ということもあってか、チケットはすぐに売り切れたということなので、やはりオペラの人気は演じる歌手に恵まれるかどうかということも大きな要因となることを痛感させられます。
 ちなみにステンメはミニー役を得意としているようで、以前、スウェーデン王立歌劇場でのライヴ映像もソフト化されていました。
 なお、カウフマンと対決するジャック・ランス保安官役は、やはりワーグナーを得意とするポーランドのトマス・コニエツニなので、重みのある雰囲気となっているのがこの上演の特徴でもあります。
 演出のマルコ・アルトゥーロ・マレッリは、チューリッヒ生まれのスイス人で、ハンブルクなど主にドイツ語圏の劇場で活躍、新国立劇場の『ドン・カルロ』も話題になりました。ここでは舞台を現代アメリカの工場と隣接する小さな酒場という設定に置き換えていますが、荒廃した雰囲気が作品のイメージにふさわしいとも思えます。(HMV)

【収録情報】
● プッチーニ:歌劇『西部の娘』全曲


 ニーナ・シュテンメ(ソプラノ:ミニー)
 ヨナス・カウフマン(テノール:ディック・ジョンソン(ラメレス))
 トマス・コニエツニ(バリトン:ジャック・ランス)
 ノルベルト・エルンスト(テノール:ニック)
 パオロ・ルメツ(バス:アシュビー)
 ボアス・ダニエル(バリトン:ソノーラ)、他
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 フランツ・ヴェルザー=メスト(指揮)

 演出・装置・照明:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
 衣裳:ダグマール・ニーフィンド

 収録時期:2013年10月30日〜11月5日
 収録場所:ウィーン国立歌劇場(ライヴ)
 映像監督:フェリックス・ブラザック

 画面:カラー、16:9
 NTSC
 Region All

ユーザーレビュー

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われわれ日本人でなくとも「イタすぎる」二重...

投稿日:2016/02/23 (火)

われわれ日本人でなくとも「イタすぎる」二重の差別(女性差別+人種差別)のせいで『蝶々夫人』も上演が減っているらしいが、このもうひとつの「異国もの」オペラも相変わらず苦戦中のようだ。演出は時代を20世紀後半に移しているが、最後、主役たちが気球に乗って旅立ってゆくのを見ると、何のために時代を変えたのやら意味不明。このオペラ、あまり動きの無い主役二人の場面が長く続くのがドラマトゥルギー上の弱点で(第2幕幕切れのポーカーの場面などその典型)、スウェーデン王立歌劇場のクリストフ・ロイ演出はそこを映像投影でうまくカバーしていたが、クローズアップし放題の映像版で見るわれわれはともかく、最後にジャック・ランスの自殺を暗示するぐらいしか新味のないこの凡庸な演出、劇場で観た観客はさぞ退屈しただろう。ステンメは声の質としてはミニーにふさわしいはずだが、元来クールな彼女の演唱はこの鉄火肌の姐御とキャラクター的に合わない。映像を伴うとそれが一層はっきりと見えてしまうのは痛い。イタオペにもだいぶ馴染んできたカウフマン、もともと不器用なこの人物ならほぼ違和感ないし、アントネンコなどよりも遥かに演技がうまいのは有難い。ソプラノ/テノール/バリトンの三角関係はオペラの鉄板だが、ランスはスカルピアのような悪役ではないので、なかなか難しい役。コニェチュニがとても良い。ヴェルザー=メストの指揮は、当時としては前衛的なこのオペラの書法を的確に聴かせる好演。これと『アラベラ』しかウィーン国立歌劇場時代の録画が残らなかったのは皮肉ではあるが。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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