スイスの若きヴィルトゥオーゾが、
ヴァイオリン協奏曲の王者メンデルスゾーンと
ブリテンによる20世紀最高のヴァイオリン協奏曲で
鮮烈な技を聴かせてくれる充実のコンチェルト・アルバム。
2018年6月に発売されたバッハの『無伴奏』のディスクでその実力のほどを知らしめた、1987年生まれのスイスの若き実力派ヴァイオリニスト、セバスティアン・ボーレンのRCAへの3枚目のコンチェルト・アルバム。ベートーヴェン、ハルトマンに続く今回は、協奏曲の王者ともいうべきメンデルスゾーンと、20世紀を代表する傑作協奏曲として最近演奏される機会が増えているブリテンとのカップリング。
ボーレンは、2枚目のハルトマンの協奏曲に弦楽合奏伴奏によるメンデルスゾーンのニ短調のヴァイオリン協奏曲をカップリングし、美音と鮮烈な技巧によるメンデルスゾーンを聴く喜びを再確認させてくれましたが、今回はいよいよホ短調に挑戦。落ちついたテンポそして抒情と情熱を融合させることにより、美しい旋律を際立たせています。ブリテンのヴァイオリン協奏曲は、第2次世界大戦前の緊張感と不安、その中に抒情的なやさしさと祈りが垣間見える作品。スペイン内乱の時期に出会ったアントニオ・ブローサのために書かれ、第2楽章ではフラメンコのリズムも用いられています。ボーレンはここでも確かな技巧と豊かな音楽性を聴かせ、アメリカのヴェテラン、アンドリュー・リットン指揮するロイヤル・リヴァプール・フィルとの共感に溢れた熱いパフォーマンスを堪能できます。
セバスティアン・ボーレンは8歳よりヴァイオリンを習い、チューリッヒ音楽院でイェンス・レーマンに、その後ザハール・ブロン、アナ・チュマチェンコに師事。数々のコンクールで受賞し、ソリストとしてウィーンのコンツェルトハウス、チューリッヒのトーンハレ等でチューリッヒ室内管、ルツェルン室内管と共演。「ボーレンの音楽的愛は、音楽を聴きたいと望む全ての人々の心を震わせる」と高い評価を得ています。使用楽器は1776年製グァダニーニ。(輸入元情報)
【収録情報】
1. メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64
2. ブリテン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.15
3. チャイコフスキー:憂鬱なセレナード Op.26
セバスチャン・ボーレン(ヴァイオリン)
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
アンドリュー・リットン(指揮)
録音時期:2017年12月9-11日
録音場所:リヴァプール、フライアリー(旧聖天使教会)
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)