フレッド・マグロウ・ドナー

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イスラームの誕生

フレッド・マグロウ・ドナー

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784766421460
ISBN 10 : 4766421469
Format
Books
Release Date
June/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

預言者ムハンマドによってはじめられた「信仰者運動」とは何だったのか―。イスラームはいつ、どのような形でキリスト教やユダヤ教とは異なる宗教として成立することになったのか―。初期イスラーム史研究の碩学が、イスラーム誕生のプロセスを、入門者にもわかりやすく、そして鮮やかに描き出す。

目次 : 第1章 イスラーム前夜の中東(古代末期の中東における帝国/ ビザンツ帝国 ほか)/ 第2章 ムハンマドと信仰者運動(伝承に基づく預言者ムハンマドの伝記/ 史料の問題 ほか)/ 第3章 信仰者共同体の拡大(史料/ ムハンマド晩年における共同体 ほか)/ 第4章 共同体の指導者の地位をめぐる争い―三四〜七三/六五五〜六九二年(第一次内乱の背景/ 第一次内乱の経過(三五〜四〇/六五六〜六六一年) ほか)/ 第5章 イスラームの誕生(ウマイヤ朝の再興と帝国としての課題への回帰/ 主要な用語の再定義 ほか)

【著者紹介】
フレッド・マグロウ・ドナー : 1945年生まれ。シカゴ大学東洋研究所および人文学部近東言語・文明学科教授。専門はイスラーム初期史。1968年プリンストン大学東洋学科卒業。1966‐67年レバノンにてアラビア語を習得。1970‐71年エアランゲンErlangen(ドイツ)のフリードリヒ・アレクサンダー大学にて東洋文献学を専攻後、プリンストン大学に戻り1973年に近東学修士号、1975年近東学博士号を取得。1975‐1982年イェール大学歴史学科にて中東の歴史を教える。1982年現職。2011年より北米中東学会会長

後藤明 : 1941年生まれ。東京大学名誉教授(東洋文化研究所)。専門は西アジア史およびイスラーム史

亀谷学 : 1977年生まれ。國學院大學文学部兼任講師。専門は初期イスラーム時代(西暦7世紀〜9世紀)を中心とするカリフ論、史料論、イスラーム国家論。2002年北海道大学大学院文学研究科修士課程修了。2003年〜2005年日本学術振興会特別研究員(DC)。2006年カイロ・アメリカン大学(エジプト・アラブ共和国、カイロ市)に留学。2009年北海道大学文学研究科後期博士課程修了。2010年〜2013年国立民族学博物館共同研究員。2011年〜2014年日本学術振興会特別研究員(PD・公益財団法人東洋文庫)。博士(文学)

橋爪烈 : 1975年生まれ。千葉科学大学薬学部薬学科講師。専門はアラブ・イスラーム史(8‐12世紀の政治史、政治思想史)。2001年慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻東洋史分野修士課程修了。2002年〜2004年カイロ大学聴講生。2009年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程学位取得。博士(文学)。2008年〜2011年日本学術振興会特別研究員(PD・公益財団法人東洋文庫)

松本隆志 : 1978年生まれ。中央大学文学部兼任講師。専門はイスラーム史(叙述史料の研究)。2008年中央大学大学院文学研究科東洋史学専攻博士前期課程修了。2012年から同大人文科学研究所準研究員。2014年同大大学院博士後期課程修了。博士(史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • MUNEKAZ

    初期イスラームの概説書。著者は初期の信者をムスリムではなく、クルアーンの誦句から「信仰者」と呼び、ユダヤ教やキリスト教も内包する普遍的な一神教運動として、イスラームに対する排他的・暴力的なイメージの再考を迫る。それは訳者も指摘するように欧米でのイスラーム蔑視を意識した反論にも読めるが、同時にイスラームに対する一面的な理解を改める刺激的な内容。またこうした初期イスラームが変質し、現代につながる「ムスリム」が誕生した契機として、2度の内乱期を経た危機対応という面を挙げているのも印象的である。

  • イスラーム誕生のプロセスを描き出す本。部族対立の激しいアラブの地で政治的仲介者となったムハンマドがその教えをクルアーンで確立したことでイスラームが生まれ、信者は平等であると教えアラビア半島を統一する。キリスト教と同じくユダヤ教に起源を持っていても戒律は厳しい。

  • ドウ

    ムハンマドの時代にはあくまでユダヤ教・キリスト教(の一部)と親和的な一神教運動だったのであり、イスラーム教の独自性の確立は、正統カリフ時代の2度の内乱を経た後のウマイヤ朝期だとする本。「信仰者からムスリムへ」という副題を当時の文書史料などを元に論証していて面白い。上記の主張は、9.11以後のイスラモフォビアへの反論なのだろうか。同時期に出た『イスラームの形成』と合わせて読むと初期イスラーム史について理解が深まるように思う。この2冊を同時に出した慶應義塾大学出版に拍手。

  • kaeremakure

    ムハンマドが始めた運動のフォロワーたちは一世紀近くの間「ムスリム(服従者)」ではなく「信仰者(ムウミン)」と呼ばれていた。彼らは自らをユダヤ教やキリスト教から完全に独立した宗派とは考えず、アラビアに大勢いたユダヤ教徒やキリスト教徒もその運動に加わることができた。黙示録的な雰囲気の中で地上に神の王国を建設すべく中東各地を征服した彼らは、共同体の指導権をめぐる二度の内乱を経た危機的状況下で自らを「ムスリム」として再定義していく・・・という刺激的な仮説を、クルアーンのテキスト分析や同時代史料から導き出している。

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