フランシス・ベイコン

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フランシス・ベイコン・インタビュー ちくま学芸文庫

フランシス・ベイコン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480098542
ISBN 10 : 4480098542
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

歪んだ人物の顔、強烈な色彩。混沌を極めたアトリエから生み出されるベイコンの三幅対(トリプティック)は、特異な秩序をもって観る者に訴えかけてくる―「写実主義の崖っぷちを歩いているような絵を描きたいのです」。ベイコンが絵画を通じて表現しようとしたのは、まさに残酷なまでの生々しい現実だった―「芸術作品が残酷に見えるのは、現実が残酷だからです」。20世紀を代表する画家フランシス・ベイコンが自身の過去や制作過程について語った貴重な対談集『肉への慈悲』、待望の文庫化。

目次 : インタヴュー1(1962年)写実主義の崖っぷちを歩いているような絵を描きたいのです。/ インタヴュー2(1966年)私のかねてからの願いは、大勢の人物が登場するにもかかわらず物語を伴わない絵を描きたいということなのです。/ インタヴュー3(1971・73年)重要なのは隔たりです。絵が見る者から遠ざけられることです。/ インタヴュー4(1974年)不公正は人生の本質だと思います。/ インタヴュー5(1975年)自分は今ここにいるけど、存在しているのはほんの一瞬であって、壁にとまっている蠅のようにたちまちはたかれてしまうのだ、という事実をです。/ インタヴュー6(1979年)「明日が来ては去り、また明日が来ては去り、そしてまた明日が来る」/ インタヴュー7(1979年)偶然によって有機的な絵の土台が形成されると、自分の批評的な側面が活動を始め、その土台をさらに発展させていけるのです。/ インタヴュー8(1982年)絵画にはもう自然主義的なリアリズムなどありえないのですから、新たなリアリズムを創造して、古いリアリズムを洗い流し、神経組織に直接伝わるようなものにするべきなのです。/ インタヴュー9(1984年)芸術作品が残酷に見えるのは、現実が残酷だからです。

【著者紹介】
デイヴィッド・シルヴェスター : 1924‐2001年。ロンドン生まれ。1950年代以降、欧米各地の美術館の展覧会でキュレーターを務めるなど美術評論家として活躍。アルベルト・ジャコメッティやヘンリー・ムーアなどと交流をもった。フランシス・ベイコンとは一時期を暮らした友人でもある

小林等 : 1959年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程修了。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • やいっち

    感想めいたことは前回の記事で書いた。  理解したと言えるかどうか。ただただベイコンの作品群に驚嘆するばかり。似たような作風の作家は皆無だ。 余談だが、2021年5月、NHKで特集があった。ベーコンの特集なんて珍しい。録画して観たが、内容に新味なし。ちょっとがっかり。

  • やいっち

    通算三度目。単行本で読んだ際、インタビューアーとベーコンとの間に会話が成り立っていないと当時、感じたんだった。インタビューアーは、真っ当な理屈で問う。ベーコンは、直感というか感性というか、論理の筋が見えない……我輩のような凡俗には皆目。が、訴えたい何かは感じる。ベーコンは作品が全てなのだ。根っからの表現者。ベーコンはジャクソン・ポロックが大嫌い。我輩は好き。というかどちらの作品にもとんがったセンスを感じる。実際、ベーコンの手法にポロック臭を感じてならない。

  • tonpie

    追記:この本の何が良いか伝わりにくいと思ったので追記します。インタビュアーは美術評論家(男性)ですが、昔ベイコンと同居していた「仲間」なので、会話はリラックスした辛辣さ、とでもいう空気が漂います。恋愛関係だったかどうかは分りません。ベイコンは苦悩も孤独も人一倍感じる人なのでしょうが、その言葉と絵画は、非常に率直です。「本当のこと」しか語らず、詭弁を弄しません。この率直さに触れると、私はとても癒されるんです。この新文庫版はタイトルが変わりましたが、内容は昔の本「肉への慈悲」とほぼ同じです。

  • またの名

    汚いアトリエで描くので落ちてるホコリを絵の具に混ぜて造ったが説明しなかったなんて、知らぬが仏エピソード。ベーコンが隠したのは高尚扱いされてる作品の素材ばかりでなく、いわば自分を芸術家として演出するためインタビューでも様々な事実を偽ったことが死後判明したとの解説で、印象が大きく変わる。堂々と制作工程について実際とは異なる証言を語り、描く絵に対しては物語を読み込んで欲しくないと(反)注釈を付けて心理学的解釈を戒めるのに、まるで物語や意味や主観を排したゼロ度キャラの逆説的なアウラという物語に身を包むかのよう。

  • Bo-he-mian

    異形の画家フランシス・ベイコンを、友人で美術評論家のデイヴィッド・シルヴェスターが、'62〜'84年に10回に亘って行ったインタビューをまとめた本。今まで、ほとんど印象的な見方しかできなかったベイコンの絵が、彼の考え方を知る事で、具体的に理解できるような気がしてきた(笑)。その一方で、絵の話しかしていなくて単調な印象もあり、読み進めるのに時間がかかった・・・のだが、巻末の保坂健ニ朗(ベイコン研究者)の解説を読んで、本書は確信犯的な目的を持ったインタビューだった可能性を知り、ナルホドと合点が行った(続く)。

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