Fedor Mikhailovich Dostoevskii

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やさしい女

Fedor Mikhailovich Dostoevskii

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062900966
ISBN 10 : 4062900963
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2010
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

小金にものを言わせ若い女を娶った質屋がその妻に窓から身投げされ、テーブルの上に安置された遺体を前に苦渋に満ちた結婚生活を回想する―。人を愛すること、その愛を持続することの困難さを描いたドストエフスキー後期の傑作「やさしい女」とヴィスコンティによる映画化で知られる初期の佳品「白夜」を読みやすい新訳で収録。

【著者紹介】
フョードル・ドストエフスキー : 1821年10月30日〜1881年1月28日。ロシアの小説家。モスクワ生まれ。父は慈善病院の医師。工兵士官学校卒業後、工兵局製図室に配属されるが、一年ほどで退役。以後は文筆活動に専念。1846年処女作『貧しき人々』で華々しくデビューするが、49年ペトラシェフスキー事件に連座、逮捕され、シベリアに流刑。刑期をつとめ上げた後『死の家の記録』等で復帰。封建的秩序が崩壊していく過渡期にあって、矛盾にみちた時代状況を尖鋭に捉え、『地下室の手記』『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』等、人間存在の本質を根源的に追求する文学を創造した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 新地学@児童書病発動中

    ドストエフスキーの作風の変化がよく分かる二つの中編。「白夜」は初期に、「やさしい女」は後期に書かれた。「白夜」はリアリズムの小説で、優しい雰囲気がある。主人公の若者の哀しい片想いがペテルブルクの街という背景を生かしながら、抒情的に描かれる。「やさしい女」は主人公の独白で物語が進んでいき、人間の心の深淵が鮮やかに描かれている。主人公と結婚した女性は自らの命を絶ってしまうのだが、彼女が自殺した理由は掴みにくい。自殺の方法が象徴的で読み手の心に深い印象を残す。(続きます)

  • 市太郎

    2つの中篇。愛にまつわる悲劇を収録。「やさしい女」は著者まえがきで主人公の男がどんな状況に置かれているか書かれてある。哀しみを呼ぶが、一体どうしたらいいのだろうという最中で混沌とした男の独白によって生と死が触れ合う瞬間が表出される。男は必ずしも良い人間ではなかったが、良い夫であろうとした。妻を愛しているからこそ。しかし妻は追いかけることの出来ない世界へと飛び出した。「白夜」でも報われない愛を描いているが、戯曲的でちょっと滑稽にも思える。人は夢想し孤独であってもやはり愛を求めるが現実の何と残酷なことか!

  • にゃおんある

    やさしい女。自分は何者なのか、彼女は何者だったのか…… 妻という試みの鋳型に嵌めようとしたのか、抗うのではなく肯うのでもない、拒否。神託の意味を取り違えてしまったのか、あと一歩のところで破綻してしまう。「われは悪をなさんと欲しながら、善をなすあの大いなる一部ですよ」 このメフィストの言葉を裏打ちしてしまう。見せかけの愛、つなぎ目を埋めていたものが剥がれてしまい、彼女は堕ちたのではなく、高みに飛翔していった、そう考えるべきだったのか。サーキットブレーカーがいつ働くのか読めない世界にいるのだから、仕方がない。

  • 彼岸花

    この本は有名な作品とは趣を異にする、2編の恋愛小説である。ロシア文学の到達点らしい。夢想家の思い出話で、現実か妄想かはわからない。『やさしい女』の妻はまるで聖女のようで、イコンが儚げだ。崇高な自己犠牲と言われる行為が、救済されることを願った。『白夜』は、身勝手な女性に翻弄される、主人公の切なくやるせない思いに、心が締め付けられた。戯曲的で大胆なセリフが一線を画す。当時のロシアの人々は、何と情熱的で一途だろうか。裏切られても打ちのめされても、相手に対する祝福を忘れない、深い信仰心というものに圧倒された。

  • 田中

    中編作品(井桁貞義訳)である。愛の方向性が真逆の男女を描く「やさしい女」は哀しい。男が妻を冷徹に扱う異様な愛情が、必然的に妻をおいつめた。彼女が黙考する様が不気味だ。両者の複雑な心の推移を表象させるが、理解するのがなかなか難しい話だった。「白夜」は初期ドストエフスキーの作品。可憐なナースチェンカに一目惚れした男の深層を描く。心象が渦巻くようにうねり叫ぶのだ。男はナースチェンカに翻弄されてしまい、自分自身をなんとか納得させようと懸命になるのが虚しい。「白夜」は小沼文彦訳(角川文庫)の方が劇的だろう。

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