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誰でもない 河出文庫

ファン・ジョンウン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309468112
ISBN 10 : 430946811X
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日常がディストピアとなった現代を生きる人々の代えがたき瞬間を、見事なリリシズムとユーモアで描き出す。韓国文学の「顔」である作家による、数々の文学賞に輝いた作品を収録した、代表的短編集。

【著者紹介】
ファン・ジョンウン : 1976年ソウル生まれ。2005年、短編「マザー」でデビュー。2010年『百の影』(オ・ヨンア訳)で韓国日報文学賞、2012年に『パ氏の入門』(未訳)で申東曄文学賞、2014年「誰が」(本書収録)で李孝石文学賞、2015年『続けてみます』(オ・ヨンア訳)で大山文学賞、2017年「笑う男」で金裕貞文学賞、『ディディの傘』(斎藤真理子訳)で萬海文学賞等、数々の賞を受賞するほか、「小説家50人が選ぶ今年の小説」第1位に2019年、2020年の連続で選出

斎藤真理子 : 韓国語翻訳者。2015年にパク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で第一回日本翻訳大賞、2020年にチョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で韓国文学翻訳賞、2025年にハン・ガン『別れを告げない』で読売文学賞(研究・翻訳部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイティ

    8編の短編集。格差や暴力、貧困、喪失など韓国文学らしさに満ちた作品で、多くは後悔とその後遺症が余韻となっている雰囲気。しんどいながらも力強く頼もしい胆力を感じ、著者の筆力の逞しさに希望を抱ける。中でも、死んだ恋人との思い出を書き始めようとするが、なかなか筆が進まない老婦人の物語「ミョンシル」が、とてもよかった。「人が死んだあとも終わらない何かがあるということ」という想像が、どれほど慰めになり美しいかについて考えるミョンシル。馳せる思いの心理描写が素晴らしかった。

  • Roko

    都会に出れば何とかなると信じてやって来たけれど、結局挫折して田舎へ帰ろうかと思ってしまう人たち。でも、そこから逃げて来たということを思い出して戻ることができない。貧しいまま死を待つしかないという苦しさ。未来が素晴らしいと信じられない空しさ。この感覚は韓国も日本も変わりないなぁ。世の中が少しずついい方へ向かうと信じて来た20世紀だったけど、21世紀になってからはそういう夢がなくなっちゃった。貧富の差は広がるばかりで、大学出たって就職できるあてはないし。

  • R子

    短篇8本を収録。どの短篇も密度が濃くバラエティに富んでいて良かった。中でも「ミョンシル」が好き。ラストで涙した。大切な人の死を受け入れること、覚えていること。それは過去を振り返りひたすらに祈ることだ。記憶は美しくて、けれど不意に空しくなって苦しくもなる。静かな愛を感じる読後感だった。感情の歪んだ発露としての笑いを描いた「わらわい」は不気味でリアル。抑え込んだ感情の発散(爆発)という怖さでは「誰が」も嫌な話(褒め言葉)だ。

  • だいふく

    斎藤真理子さんの訳された本は、解説が読み応えがあって好き。この作家さんは斎藤さんがトークイベントで紹介されていて知った。8つの短編集。主人公たちの心の動きがすっと入ってきて、戸惑ったり、不安になったり、焦ったり、心が締めつけられたり。 「笑う男」が一番せつなくてつらかったけれど好き。積読の中に『ディディの傘』があったので、次はそれを読みたいと思う。

  • ゆう

    異様な存在感を放つ登場人物たちが織りなす8話の短編集。韓国の世情、金融機関、セウォル号事件などがそれぞれのエピソードからうっすらと漂う。訳者の斎藤さんの力量も大きい。原書で読んだらどんな感じなのか気になる。韓国文学を代表する作家であるこの方が、人間を何でもないもののように扱う社会に警鐘を鳴らす。

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