ピーター・トレメイン

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翳深き谷 上 (仮)創元推理文庫

ピーター・トレメイン

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488218188
ISBN 10 : 4488218180
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

モアン国王である兄コルグーがフィデルマに与えた任務は、古の神々を信奉する“禁忌の谷”に赴き、キリスト教の学問所を設立する折衝をして欲しいというものだった。だが、エイダルフを伴い谷に向かうフィデルマを待ち受けていたのは、生贄のごとく並べられた、三十三人の若者たちの亡骸だった。七世紀のアイルランドを舞台に、美貌の修道女フィデルマが活躍するシリーズ第六作。

【著者紹介】
甲斐萬里江 : 早稲田大学大学院博士課程修了。英米演劇、アイルランド文学専攻。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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兄であるモアン国王の特命を受けて、「翳深...

投稿日:2018/05/23 (水)

兄であるモアン国王の特命を受けて、「翳深き谷」に向かったフィデルマ。孤立無援の中、窮地に陥りながらも、冷静さを失わずに、自らを助け、事件を解決するヒロイン。出だしは、事件の闇の深さを登場人物だけでなく、山羊や大鴉を通して表現しており、まさに「つかみはOK」である。ヒロインは、王妹、弁護士、武道の達人…、そして修道女という、誰もが憧れるような才女でいながら、決して完全無欠ではなく、すぐに苛立ったり、つんと顎を突き出したりする、非常に人間的な女性として描かれている。この主人公の魅力が、いろんな場面で表されており、ついつい先を読み進めてたくなる。しかし、事件を解くカギは、何気ないやりとりの中で描かれているので、それを読み飛ばしたり、読み間違えては楽しみも半減してしまう。ここは、フィデルマになったつもりで、どんな陰謀があって、事件が引き起こされたか、推理しながら、ゆっくり読み進めるのがオススメ。かく言う私は、GW中に読みたい本として読み始めてから、1か月足らずで10冊読んでしまうほど、はまってしまった。とにかく面白い。読み終わった修道女フィデルマシリーズの中でも、一番面白いのがこの「翳深き谷」である。

文庫本 さん | 京都府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 南北

    シリーズ長編6作目。今回はフィデルマは兄の国王から「禁忌の谷」にキリスト教の学問所を設置するための交渉を行う使節として赴く。しかし「禁忌の谷」では生け贄のように並べられた33人の若者たちの遺体を目にすることになる。「谷」の族長が進めようとしないため、肝心な交渉は行き詰まったままだし、同行したエイダルフは二日酔いになって役に立たないしと、事態は思うように進まない。ただ裁判官でも弁護士でもないフィデルマは新鮮だった。

  • Nat

    この巻から、キルデアのフィデルマからキャシェルのフィデルマになった。33人の若者たちの亡骸の謎は解けず、エイダルフは二日酔いで頼りにならずで、この先に不安がつのる。

  • 鷺@みんさー

    う〜〜〜〜ん!!なんだろー、惨殺事件の儀式的な猟奇性は大いに興味をそそられるし、ゲイシュなる禁忌によって、古代アイルランドの英雄譚が彩られてるというのは非常に面白いのだが、いかんせんフィデルマの高慢ちき具合がさすがに読み進めるのつらいレベル…( ;∀;) なんだろうこの、巻を重ねるごとに酷くなる感じ。いくらなんでもエイダルフへの態度が酷すぎ。あんたの召使いじゃないんだからさー。エイダルフ死んだかも?って時はあんなに心配したけせにぃ〜。なんだかなぁ。まあ、下巻も読むけどさ。

  • geshi

    7世紀アイルランドの作品世界を成立させるために宗教・地理・社会状況などの特殊な用語が盛りだくさんで、なかなか読み進めにくかった。巻末にある訳注を見てもよく調べられているとは思うが、さすがに多すぎる。キリスト教の学問所を開くための折衝をするはずが、33人の死体を見つけ、歓迎式典が開かれ、色々な人物が怪しげな動きをして、ほとんど事態が進まない。唯一の仲間であるエイダルフが二日酔いでぐだぐだなのもイラっとさせられフラストレーションを貯める上巻という感じ。

  • ぽんすけ

    だんだんとスルメのように癖になってくるフィデルマシリーズ長編。今回はさくっと初っ端から33人も殺されてます。いくらなんでも多すぎる。そしてその謎が全然明かされないまま話は進む。古の教えを守り続ける共同体にキリスト教の教会と学問所を建てるっていうのは、相当難しいんだろうな。伝統と新しい文化の衝突はどの時代であっても生じてくる問題か。只、領主のラズラは開明的な性格で柔軟にこの問題に対処しようとしてると思う。問題はまだ全然明らかになってないが、裏で同時発生、進行中のなんらかの事態。それが何か、下巻に期待。

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