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ジェリコの製本職人

ピップ ウィリアムズ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784093567473
ISBN 10 : 4093567476
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

豪州発、世界が恋したあの感動作の姉妹篇!

百年余前、第一次世界大戦下の英国。昼間はオックスフォード大学出版局製本所で双子の妹とともに働く21歳の女工ペギーは、夜になると工場から密かに持ち帰った折丁(製本するために1ページ大に折られた紙の束)や不良(ヤレ)本をむさぼるように読み、大学で学ぶことを夢見ていた。だが、いつも工場で「あんたの仕事は製本することで、読むことじゃない」と叱咤されている労働階級のペギーにとって、学問は決して手の届かない高嶺の花だ。
そんななか、戦争は日に日に激化し、街にベルギー難民が押し寄せ、疫病が流行し‥と社会は変わっていく。ペギーは、障害のある妹への責任やベルギー兵との恋に悩みながら、やがて学問における階級の壁を乗り越えようと、大学を目指す――。
世界中が恋した傑作歴史小説『小さなことばたちの辞書』の姉妹篇が登場。前作同様オックスフォード大学出版局を舞台に、若く貧しい女性が学問へ手を伸ばそうとする姿、戦争と銃後のリアル、そして当時の製本工場を活写した紙の本へのオマージュあふれる珠玉の物語。


【編集担当からのおすすめ情報】
本作はオーストラリア発のベストセラー小説『小さなことばたちの辞書』の姉妹篇です。前作では大辞典からこぼれ落ちた名も無き女性たちのことばを集めることに生涯を捧げた女性エズメが描かれましたが、本作では同じ時代のオックスフォード大学出版局を舞台に、製本所で働く労働階級の女性ペギーの青春が描かれます。
幼い頃から父の勤める辞書編纂室に出入りしていたエズメとは異なり、運河に係留されたボートハウスに暮らし、製本所でも作業をしながらつい本を読んでしまって叱られる女工のペギーは、そもそも学問へのアプローチがなかなか許されない境遇にあります。前作のキャラクターや共通エピソードも登場しますが、視点人物が異なることで全く違った味わいになる場面もあり、本作はいわば『小さなことばたちの辞書』のサイドBと言えるかもしれません。他方でフェミニズム、シスターフッド、戦争といったテーマは前作からも引き継がれ、同様の感動を味わえる傑作小説となっています。
そして本作のもうひとつの大きな魅力は、百余年前の製本工場の描写です。当時の製本工程が、著者の入念な取材によってリアルに再現され、製本に関わる人々へのリスペクトと紙の本への愛が行間にあふれています。前作と合わせてぜひ楽しみください。


【著者紹介】
ピップ ウィリアムズ : 英国ロンドンに生まれ、オーストラリアのシドニーで育ち、現在はサウスオーストラリア州アデレード・ヒルズに暮らす。本作の姉妹篇であるデビュー小説『小さなことばたちの辞書(The Dictionary of Lost Words)』はニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリスト入りを果たし、2021年オーストラリアのベストセラー(フィクション部門)1位に

最所篤子 : 翻訳家。英国リーズ大学大学院卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • アキ

    第一次世界大戦下のオックスフォードで製本職人bookbinderとして働いていた女工ペギーの物語。1914年8月から1920年のイギリスはドイツに宣戦布告し、ベルギーから多くの難民を受け入れた。アメリカの参戦で勝利を勝ち取ったが、多くの戦死者とスペイン風邪と呼ばれるインフルエンザで社会は大きく変わった。ペギーは女工からサマーヴィルカレッジの学生となり戦後女性参政権が得られる様になった。女性の目線での歴史を、フィクションであるが当時の資料から想像して出来るだけ史実に沿って描いた物語で、読み応えがありました。

  • キムチ

    読み始めたものの、ボタン掛け違えか‥頭にちっとも入ってこない。珍しく、「再度仕切り直し」で読了。ウィリアムズ1作目は言葉を紡ぐことへ情熱を捧げるエズメが登場∼彼女は中産階級、或る程度の知識教養があった。スピンオフではなくサイドストーリー的当作品のヒロインはペグ。幼い頃に母は夭折、運河に浮かぶ船が住居、無論 学ぶ機会すらない。だが船の中は母親の文学好きもあって「紙屑」的表装無し、綴じ無し等が山と愛蔵。第一次大戦下のオクスフォード大学製本部で仕事に就く彼女を巡る群像の層が厚い・・やがて登場するベルギー人

  • NAO

    第一次世界大戦中のオックスフォード大学の出版局があるジェリコが舞台。出版局には製本に関わる職人や女工たちが多数働いている。知的好奇心旺盛な主人公が戦時中の慈善活動の際上流階級の女性と知り合うことで、新たな道を切り開いていく。5つの章は、当時オックスフォード出版局が出版した本(冊子)からなり、時期も合わせてあるという。戦争の悲惨さ、階級差別、女性の地位向上、そのどれもが、あまりにも重くて、何度もうっと胸を詰まらせながら、それでも読む手が止まらなくなっていた。

  • もぐもぐ

    『小さなことばたちの辞書』の対となる本だが、前作は言葉への敬意に溢れ今作は本への敬意に溢れていた。カレッジの図書館司書の振る舞いに心打たれる。オクスフォード大学出版局の製本所で働くペギー。運河の運搬船で障害を持つ双子の妹と二人、本に囲まれ慎ましく暮らす彼女たちを第一次大戦とスペイン風邪が襲う。女性差別、階級社会、貧困、さまざまな苦難の中を生きるペギーとモードの双子姉妹の姿は、一生懸命生きること、学ぶことの尊さを思い出させてくれました。とても良かったです。

  • がらくたどん

    第一次世界大戦前夜のイングランド。双子でちょっと調子の変わった妹と暮らす貧しいペギーは来る日も来る日も「紙」を折る。折って束ねて糸かがり。紙にはたくさんの言葉が印刷されている。ここは製本所でペギーは女工。だから「紙は折るもので読むものじゃない」でも言葉は彼女を離さない。「続きが知りたくておかしくなりそう」ちょっと厚い本だけどこの冒頭を読んでワタシも思ったよ。やだペギー続きが知りたくておかしくなりそう!!『小さなことばたちの辞書』でエズメが集めたのは社会から零れた女性達の言葉。これはそんな彼女達の物語。傑作

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