パトリシア・ハイスミス

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リプリーをまねた少年 河出文庫

パトリシア・ハイスミス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309464428
ISBN 10 : 4309464424
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

数々の殺人を犯しながらも逃げ切ってきた自由人、トム・リプリー。悠々自適の生活を送る彼の前に、億万長者の家出息子フランクが現れる。少年は父親殺しの罪を犯していた。トムは自分を慕う少年とともにベルリンへと旅立つが、その地で誘拐事件に巻きこまれる…男と少年の奇妙な絆を美しく描き切る、リプリー第四の物語。改訳新版。

【著者紹介】
パトリシア・ハイスミス : 1921年、テキサス州生まれ。45年に「ヒロイン」が雑誌掲載され作家デビュー。『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』が映画化され、人気作家に。『太陽がいっぱい』でフランス推理小説大賞、『殺意の迷宮』で英国推理作家協会(CWA)賞を受賞。サスペンスの巨匠として多くの作品を発表。生涯の大半をヨーロッパで過ごした。1995年、没

柿沼瑛子 : 1953年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 星落秋風五丈原

    タイトルは原題=The Boy Who Followed Ripleyのうち「Follow」を「まねた」と訳しているが、事実を誤解されるきらいがある。フランクはリプリーの過去の所業を知った上で近づいてきたのではなく、偶然リプリーと同じように不可能犯罪を起こしてしまったというだけだ。リプリーみたいに腹が据わっているわけではないフランクは、罪の意識やら何やらを打ち明けつつ、なかなかリプリーの家から出ていかない。解説後書きにあるように、当時のハイスミスの恋人事情が影響しているようだ。

  • panam1927

    ★★☆☆☆

  • 阿部義彦

    リプリーシリーズ4作目、リプリーは結果として又一人を殺してしまいます。それもこれも一人の少年、フランクの為。一番同性愛が色濃く出ている物語です。フランクとリプリーには、世界でこの二人しか知らない秘密を共有しあうが、最後の最後で全てを失う事に。結末は予想はついたが、何ともやるせないリプリーに同情してしまいます。リプリーも後先考えずに思いつきで結構大胆なことをするよね。ただし、その後の痕跡の消し方や事後処理が本当に手慣れていて間違いが無いのがその辺の青二才とは大違い。ベルリンの熊よ!、、悲涙。

  • ふるい

    リプリーシリーズ、第四作目。アメリカから家出してきた少年フランクを匿うトム・リプリーは、父親殺しの罪悪感に苦しむ少年にかつてディッキーを殺した時期の不安定だった自分を重ね、しだいに親愛の情を抱きはじめる。それにしても、退廃的な西ベルリンの夜の街で遊ぶ、トムとフランク少年の描写の妖しさったらない。訳者あとがきにもあるが、今作は今までと比べてもかなり同性愛の匂わせ描写が多いようでした(うふふ…)。ベルリンの熊のぬいぐるみが気になる〜。

  • 田中峰和

    「太陽がいっぱい」で出てきた同性愛的要素が、今作で復活したがむしろ父性がテーマになってくる。リプリーに接触してきた庭師の少年フランク。実は16歳でアメリカから家出してきた理由が、大富豪の父を殺害していたことだった。家出のもう一つの理由が恋人テリーサとの失恋だった。大富豪の息子の身分がばれたのか、フランクはベルリンで誘拐されてしまう。誘拐犯との戦いと救出に大活躍するリプリーだが、今回も犯人の一人を殺害してしまう。フランクを無事、実家に送り届けたのだが、自殺されてしまう。殺人者としての再生はかなわなかった。

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