パオロ・ジョルダーノ

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天に焦がれて

パオロ・ジョルダーノ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784152100610
ISBN 10 : 4152100613
フォーマット
出版社
発行年月
2021年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
584p;19

内容詳細

毎年夏になると、祖母が暮らす南イタリアのスペツィアーレで過ごす14歳のテレーザ。ある日、祖母の家の近所に暮らす三人の少年と知り合い、テレーザは、そのうちの一人、ベルンに一目惚れする。夏休みのたびに彼らと遊び、17歳の夏、とうとうベルンと結ばれる。だが翌年の夏休み、テレーザは祖母から、ベルンが他の少女を妊娠させたと聞いて―。ベルンとテレーザの、20年にわたる愛憎と執着の物語。『コロナの時代の僕ら』『素数たちの孤独』の著者、パオロ・ジョルダーノが贈る、イタリアで16万部突破の最新長篇小説。

【著者紹介】
パオロ・ジョルダーノ著 : 1982年、イタリア、トリノ生まれ。トリノ大学大学院博士課程修了。専攻は素粒子物理学。2008年デビュー長篇となる『素数たちの孤独』(ハヤカワepi文庫)は、イタリアで200万部超のセールスを記録。同国最高峰の文学賞であるストレーガ賞や、カンピエッロ文学賞新人賞など、数々の文学賞を受賞した。2020年には、新型コロナウイルスの感染がイタリアで広がる中、いち早くコロナ禍に関するエッセイ集『コロナの時代の僕ら』(2020年、早川書房)を上梓し話題となった。2018年にイタリアで刊行された『天に焦がれて』は、同国内だけで16万部超を売り上げ、世界23カ国での刊行が決定している

飯田亮介 : 1974年生、イタリア文学翻訳家。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • NAO さん

    ベルンは、あまりにも純粋で、彼の世界に対する好奇心と知識欲は止まる所を知らず、ひたむきに理想を追い求める。だが、彼の理想は高すぎて現実離れしており、彼を絶望させ、彼はどんどん厄介な方へと走っていく。ベルンやテレーザの思春期の少年少女らしいエゴ、大人たちの打算も混じったエゴ。登場する人々は、本当に誰もがみなエゴイストだ。そして、テレーザの欲望と執着。南イタリアの風景が詳細に描かれているだけでなく、人間の心理までもがむき出しにされ生々しく描かれている。

  • cupcakes_kumi さん

    久しぶりに読んだ文芸作品だった。人間の営みの原点回帰を実践する少年の人生に、息苦しさや、純真ゆえの痛々しさが否応なく読み手を貫いた。純度の高過ぎる純粋主義の終末が、余りにもロマンチックで美しく涙せずにはいられない。自分のいる世界と折り合いのつかない信念と共に生きることは、何と生き辛いことだろうと思う。

  • 星落秋風五丈原 さん

    好き合って結婚した二人がそのまま幸せになりましたとさという話だったらよかったのにうーん、どうして不幸に進んじゃうの。

  • spatz さん

    イタリアの奇才。素粒子物理学の専門家。小説を読みたいと思っていたところ、新刊の邦訳が出た。訳者の飯田氏がイタリアの風景を時折SNSにあげていらして、翻訳が出ることを耳にしていたので楽しみにしていた。思っていたよりもずっと分厚かったのに驚いた。ゆえに時間がかかった。が、単純に長かったから、ではない。翻訳を感じさせなく心地よく滑らかに流れる物語と、次々に色々なことが起こるのだが、不思議なことに全体にとても静かな印象が残る。起こることだけ追っていたらとんでもなくたくさんのことが起きているのにも関わらず!。

  • アリーマ さん

    父の実家に夏の休暇中、出会った少年ベルンに一目で恋するテレーズ。十代の恋は痛ましくも生臭く、イタリアの田舎の若者の恋愛模様らしいのだが、何故か目が離せない。仲間と共に古い農場で自然農法の自給自足を目指す共同生活も、何かと杜撰で頓挫し、危うさの中で事件に繋がっていくのだが…。引き摺り込まれるように読んだのだが、ラストは着地点が妙なところに飛んでしまった気がして、ちょっと残念ではあったが、面白く読んだ。★★★★

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