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どこか、安心できる場所で 新しいイタリアの文学

Paolo Cognetti

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336065391
ISBN 10 : 433606539X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

現代イタリア文学と聞いて思い浮かべるのは、エーコ、タブッキ、カルヴィーノ、ブッツァーティ、モラヴィア…しかし彼らがおもに活躍していたのは前世紀のこと。では、イタリアの文学は衰退したのかといえば、とんでもない、なぜこれまで紹介されてこなかったのか不思議に思える作家たちが山ほどいるのだ。本書はいまを生きる新しいイタリアの作家によるヴァラエティ豊かな作品を厳選した、本邦初の21世紀イタリア短篇アンソロジーである。普通の人々の生活に降りかかる移民・格差・人種問題、新しいセクシャリティのかたち、めくるめく幻想の世界、そして甘くほろ苦い少年少女時代の記憶―現在のイタリア文学シーンを代表する13人が繊細に大胆に鮮烈に描く多様性にみちた15の短篇を収録。巻末に各作家・作品を詳述する解説を附す。

【著者紹介】
関口英子 : 埼玉県生まれ。大阪外国語大学イタリア語学科卒業。イタリア文学翻訳家。ルイジ・ピランデッロ『月を見つけたチャウラ ピランデッロ短篇集』(光文社古典新訳文庫)で第一回須賀敦子翻訳賞受賞

橋本勝雄 : 栃木県生まれ。京都大学大学院博士後期課程単位取得退学。京都外国語大学教授。専門はイタリア現代文学。ウンベルト・エーコ『プラハの墓地』(東京創元社)で第二回須賀敦子翻訳賞受賞

アンドレア・ラオス : 1968年イタリア生まれ。フランス国立東洋言語文化大学博士課程修了(日本文学)。詩人、翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイ

    すごく好き。21世紀伊文学。移民文学も含めた15の短編(作家13人) 『雨の季節』パオロ・コニェッティ夏だけの両親の別居とキャンプ場での母の心の揺れ、少年の成長『エリザベス』ダリオ•ヴェルトリーニ ナイジェリアから来た彼女が抱きついた『ママの親戚』ミケーレ•マーリ そんな話が文豪をうむ 『捨て子』ヴァレリア•パレッラ 枢機卿すら男 シスターがする決心 『隠された光』リザ・ギンズブルク離婚する男は不動産業者と心を交わす モラヴィアのような…。『回復』ヴィオラ・ディ・グラード ロンドンに現れた裸の老人の天使。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    まず、図書館で手にした時、刊行社に驚いた。装丁に拘る国書刊行会でフランス装版造りが出版されるなんて思いもよらなかったからだ。これは軽量化して持ち運びに便利だし、初めての人にも手に取りやすいかもしれません。現在のイタリアを代表する作家さんたちのアンソロジー。「雨の季節」は山をモチーフとする小説が多いパオロ・コニェッティ氏の作品。冷却期間として離れて暮らす事になった家族。友達としては最高だが、親としては狡く、信用ならない父ではなく、山男のティトに理想の父親像を見出すが・・・。拒絶された後で自分の母親と親密な姿

  • キムチ

    イタリア文学への確固たる概念を持っていない私。エーコー、モラヴィア位しか読んでいない。彼らの後のイタリアを感じさせるアンソロジーがこれ。13人の作家が15編の短編をプレゼン。コニエッティのみ、単行翻訳本を出しているが他は日本ではお初。掛け値なしにさすが欧州、イタリアを感じさせる中身ばかり。アンソロジーの良さを存分にかっちりと!・・主張が凄い、声高。でも決して其々 邪魔をせず、いい意味で共立して21C 今のイタリアを感じさせている。混迷の移民問題、経済格差、性的マイノリティ、アイデンティティー等多々のテーマ

  • miyu

    小野正嗣氏の序文がまず素晴らしい。確かにイタリア文学は昔から政治色や社会性のあるものが少なくない。読み終わった後「なにこれ?!」と感じたりする。だから今回も身構えつつ頁を繰ったが一作目コニェッティ『雨の季節』から既に魅了された。自然や人の心うちの描写がとても繊細だ。父母の間に些細な亀裂が入っていることに少年は気づいている。なぜなら大人が思うほど子供は鈍感じゃないし知っていることを悟らせずにひとり逃げ道を探るものだから。彼にとっての道標ティトとのいきなりの別れのリアリティが妙にイタリアらしくて好きな作品だ。

  • おさむ

    イタリア文学といえば、須賀敦子さん訳のアントニオ・タブッキぐらいしか読んだことがなかった。21世紀の作家達の短中編をまとめた本著は新鮮でした。「わたしは誰?」や「エリザベス」など移民や差別、格差と言ったいまのイタリア社会を感じさせる作品も多い。とはいえ、個人的に印象に残ったのは「雨の季節」や「どこか、安心できる場所で」などの幼き頃の記憶を描いた、万国共通の作品でした。あとは、ナタリア・ギンズブルグの娘さんのリザさんの「隠された光」も秀作でした。

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