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なついた羚羊 20世紀英国モダニズム小説集成

バーバラ・ピム

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784892193767
ISBN 10 : 4892193763
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ユーモアと風刺をこめて描く珠玉の喜劇。イギリスのある穏やかな村に暮らすビード姉妹。ともに50代で独身。姉ベリンダはしっかりものながら内気で、地元大執事の妻帯者ヘンリーに30年来の恋心を抱く。妹ハリエットは歴代の若手副牧師の世話を焼き、異性との微妙な関係を楽しんでいた。そこへ新任の副牧師が赴任してきて…。第一次世界大戦後の英国中流生活の雰囲気を伝える傑作小説!20世紀のジェイン・オースティンと謳われる女性作家長篇デビュー作!本邦初訳!

【著者紹介】
バーバラ・ピム : 1913年イングランド・オスウェストリー生まれ。第二次世界大戦時は英国海軍婦人部隊としてナポリへ。1945‐47年ロンドンの「国際アフリカ研究所」で機関誌『アフリカ』の編集を任される。1950年『なついた羚羊』で作家デビュー。1952年『よくできた女』で評価を定め、上層中流の人情の機微を巧みに描いたことで「20世紀のジェイン・オースティン」と呼ばれる。1960年代以降出版社に刊行を拒否され不遇のときを過ごすも、1977年TLS紙上のアンケート「20世紀で最も過小評価されている作家」で脚光を浴び、奇跡の復活。生涯独身をつらぬき、晩年は同じく独身の妹とオックスフォードシャーの村で過ごした。1980年肺癌で逝去、享年66歳

井伊順彦 : 東京生まれ。早稲田大学大学院博士前期課程(英文学専攻)修了。英文学者。英国バーバラ・ピム協会、英国トマス・ハーディ協会、英国ジョウゼフ・コンラッド協会各会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 星落秋風五丈原

    主としてベリンダの視点で、村の行事と関わる人たちの悲喜こもごもが描かれる。ベリンダは気難しい女性ではもちろんなく、傍目には「よくできた女」そのものだ。いつでも結婚できるが、わざわざ妻帯者のヘンリーを思うことで満足している。とはいえ、ヘンリーは、「妻帯者でも魅力的」と誰もが思うタイプではない。始終忙しいと口にする割には、「迷える羊を置いていきたくない」と仕事にかこつけて断る。姉に比べれば奔放に見える妹のハリエットも結婚して家庭を持つという現実に、一歩踏み出す勇気はなく、恋愛ごっこを楽しみたいタイプ。

  • りつこ

    「よくできた女」が大好きだったピム。まさかこのタイミングでデビュー作が翻訳されるとは。信心深くて控え目(過ぎ)で堅苦しい主人公のベリンダだが、地味な自分を時に悲しく思いながらも日々の小さな出来事に心を痛めたり慰めを見いだしたししながら、生き生きと生きている。「よくできた女」よりもっと地味で一般受けはしないだろうが、生真面目な中に漂うユーモアと辛辣さが好きだ。

  • きりぱい

    地味な面白さ。大執事や副牧師にかかずらいながら穏やかに暮らす姉妹の日常。『よくできた女』のミルドレッドほどではないけれど、独身の中年、姉のべリンダは周囲を見澄まし、人からすれば毒にも薬にもならないよくできた風な女ではある。アオムシ事件や体裁が悪い時の逃げ腰など、ほどよい善良さで気後れしつつ心では遠慮がなかったりと可笑しい。著者は現代のオースティンとも言われた人だけれど、これでいうとギャスケルの『女だけの町』の雰囲気がある。それにしても羚羊の読みは、れいようでもかもしかでもなく、かましし(古名)だった。

  • ロピケ

    一気に読んでしまった!なぜだろう?全然スリルとかサスペンス無なのに。登場人物だってヨボヨボ…とは言わないけれど、本当に平凡な高齢者たちの世界なのに。主人公が心を奪われている人物だって俗物で、全然魅力も感じないのに。バーバラ・ピムの世界にはまり込んだ。「人生ってこんな感じなのかもしれない」と読者に妙に納得させるような。面白いと言ったら、登場人物それぞれの内心のつぶやき辺りだろうか…。みんな、あのべリンダでさえ、相当ひどいこと言ってて面白い。「羚羊」って、てっきりグロート主教の容貌を指してるのかと思った。

  • lorca

    一気に「秋の四重奏」 〜「なついた羚羊」〜「よくできた女」と読む。読書はかれこれ1年半ぶり。ある意味つつましくささやかな人生の断片を読み進めていくとそのあまりに淡々とした日々の営みの中にも煌めきを感じ、心が踊った。それほど大きな波が訪れないようでいて、実はその個々の人生は唯一無二の彩りがあることを感じてなぜかしらほっとした。

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