熊川哲也/コッペリア
クラシック・バレエの表現に新たな可能性をもたらした記念碑的作品『コッペリア』
機械仕掛けの人形に恋をした老博士と若さあふれる恋人たちが織り成す物語に演出家・熊川哲也がまた一つの命を吹き込む。
『コッペリア』(副題「エナメルの眼をした娘」)の初演は1870年、パリ・オペラ座。アルトゥール・サン=レオン振付、レオ・ドリーブ音楽による全3幕のバレエとして誕生した。物語のモチーフとなっているのは、恋人のいる青年が夢中になった娘が、実は得体の知れない老博士の作った等身大の自動人形であった、というE.T.A.ホフマンの怪奇小説(バレエではこれを明るくコミカルなタッチに仕立てた)。これより後に産声を上げることになる『くるみ割り人形』や『ペトルーシュカ』などに見られる、人形が生命を得るという題材をバレエにもたらしたのは、この『コッペリア』が先駆けといわれている。この作品の内包するこうした魅力的な要素の数々は、これまで世界各国の振付家の心を突き動かしてきた。近年の特筆すべき版にはローラン・プティ版(1975年)、ピーター・ライト版(1995年)などがあるが、今回、熊川哲也はそれのいずれとも趣を異にする新たなプロダクションを構想している。
フランス流の軽妙さの奥に潜む神秘性−熊川ならではの鋭利な視点でとらえた『コッペリア』とは果たして!?(ポニー・キャニオン)
芸術監督:熊川哲也
出演:熊川哲也、神戸里奈、スチュアート・キャシディ、康村和恵
Kバレエカンパニー
指揮:アンソニー・トワイナー、演奏:東京交響楽団
収録:2004年5月20日 Bunkamuraオーチャードホール
本編97分
「ホフマン物語」の第1作目をもとに作られたバレエで、音楽はドリーブの傑作としても有名。熊川哲也が独自の視点でとらえ、フランス的軽妙さと神秘性を持った、他の誰とも違う「コッペリア」。(CDジャーナル データベースより)