豊かなチェンバロの響き。圧巻のイタリア協奏曲、パルティータ全曲!
日本語解説付き国内限定仕様
リリースのたびに音楽的にも楽器の面でも注目を集めるバンジャマン・アラールのバッハ・シリーズ、最新巻第11集の登場です。今回はバッハが生前に出版したクラヴィーア練習曲集を取り上げ、充実の『イタリア協奏曲』や『パルティータ』全6曲などを収録。『パルティータ』はバッハの出版活動の嚆矢となった曲集で、用いられる鍵盤技巧は高度かつ多彩、時としてスカルラッティやラモーをも思わせるような瞬間もある充実の作品群ですが、アラールは1曲1曲を大きなスケール感と即興性を持ちつつ、装飾のディテールまで行き届いた演奏を展開しており、説得力と迫力十分の力演です。バッハが2段鍵盤の使用を指定している楽曲のために、シリーズで初めて1757年製ジェイコブ・カークマンによるイギリス製チェンバロを用いて演奏、『イタリア協奏曲』もこの楽器で演奏、豪奢な音色も聴きどころです。フランス・イル=ド=フランス地域の中世都市プロヴァンにある文化施設所蔵の楽器を用いて、博物館で録音されました。
【アラールのコメント(第11集によせて〜ブックレットより)】
「この全集の第11巻では、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ自身が出版を選んだ鍵盤作品を、1726年以降のものから紹介します。前回のボックス・セットでは、主に『アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳』に収められた作品を取り上げ、クラヴィコードで演奏された2つのパルティータ(BWV.827とBWV.830)やその他の「ガラント様式」の作品が含まれていました。今回の新しい録音では、これら2つのパルティータに加え、BWV.826のパルティータを、1740年製ヒエロニムス・アルブレヒト・ハスの壮大なチェンバロで再び演奏することにしました。この楽器は3段鍵盤を備え、豊かな音色の選択肢を提供するため、作品を極めてオーケストラ的な響きで提示できます。
1731年に完成した6つのパルティータ BWV.825-830は、1735年に出版された『クラヴィーア練習曲集 第2部』を予告するものです。そこで私は、バッハが想像したコンチェルタンテ作品の編曲をチェンバロで復元する機会を得ました。1人もしくは複数の独奏者がオーケストラのリピエーノと対峙する様子を聴くことができます。『クラヴィーア練習曲集 第2部』では、バッハ自身が二段鍵盤の使用を指定しているため、このシリーズで初めて、1757年製ジェイコブ・カークマンによるイギリス製チェンバロを選びました。この楽器には、ストップの切り替えを容易にする巧妙なペダル機構があり、色彩の変化をしなやかに実現できます。この楽器で演奏したのは、BWV.825、828、829のパルティータ、イタリア協奏曲 BWV.971、フランス風序曲 BWV.831です。
さらに、BWV.802-805の4つの二重曲も、次巻『クラヴィーア練習曲集 第3部』でお聴きいただくオルガン版に先立ち、チェンバロで演奏したものを収録しています。その後、1741年にバッハは「二段鍵盤チェンバロのためのアリアと種々の変奏から成るクラヴィーア練習曲集」と題した作品を出版しました。これは、今日『ゴルトベルク変奏曲』という死後のタイトルで知られる作品です。この曲も全集第12巻のプログラムに含まれる予定です。」(輸入元情報)
【収録情報】
J.S.バッハ:鍵盤のための作品全集 Vol.11〜クラヴィーア練習曲集 第1部、第2部
『クラヴィーア練習曲集 第2部』
Disc1
● イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971
● デュエット 第2番ヘ長調 BWV.803
● デュエット 第4番イ短調」 BWV805
● デュエット 第1番ホ短調 BWV.802
● デュエット 第3番ト長調 BWV.804
● フランス風序曲 ロ短調 BWV.831
BWV.802-805はクラヴィーア練習曲 第3部として出版されたもの
『クラヴィーア練習曲集 第1部』
Disc2
● パルティータ第1番変ロ長調 BWV.825
● パルティータ第4番ニ長調 BWV.828
● パルティータ第5番ト長調 BWV829
Disc3
● パルティータ第2番ハ短調 BWV.826
● パルティータ第3番イ短調 BWV.827
● パルティータ第6番ホ短調 BWV.830
バンジャマン・アラール(チェンバロ)
使用楽器:
Disc1,2:ジェイコブ・カークマン(ロンドン、1757年)による2段鍵盤チェンバロ
Disc3: ヒエロニムス・アルブレヒト・ハス(ハンブルク、1740年)による3段鍵盤チェンバロ
録音時期:2023年4月、5月
録音場所:プロヴァンおよびプロヴァン地方博物館
録音方式:ステレオ(デジタル)
輸入盤・日本語帯解説付き