Brandenburg Concerto, 1-6, Orch.suite, 1-4, Violin Concertos: Marriner / Asmf Szeryng (1980, 1978, 1976)

マリナー&ASMF／バッハ：《管弦楽組曲》＆《ブランデンブルク協奏曲》
1978&80年ステレオ録音。創立当初よりモダン楽器によるバロックや古典派のスペシャリストとして活躍してきた彼等のそれぞれ２回目の録音。
　《管弦楽組曲》はスタイリッシュで現代的な演奏ですが、ここかしこに時代考証スタイルの解釈を採用している点が面白い所。冗長と成り得る「序曲」主部の繰り返しはしていませんが、それ以外のリピートは実施。その際、１度目と２度目の演奏に変化を付け、重複して演奏しているパートを休ませて、弦または管のみの響きを聴かせ、ダカーポした際に音色豊かな全体によるトゥッティで聴かせます。ときには管によるアンサンブルの際、ファゴットにヴィオラ・パートを吹かせるなど、アイデア豊かな演奏です。なお、《第３番》の「アリア」は７分以上というかなり遅いテンポ設定で、前に置かれた小気味良い「序曲」(主部の無窮動はコンサートマスターのソロで奏される事が多いですが、ここでは第1ヴァイオリン全員によるトゥッティが見事！)と後の壮麗な「ガヴォット」との対比が際立っています。
　《ブランデンブルク協奏曲》では、豪華なソリスト陣が魅力です。第2、4＆5番のヴァイオリン独奏に重鎮シェリング、リコーダーに当時新進のペトリ、オーボエのホリガー、フルートのランパルと多彩。洗練されたアンサンブルとソリストの際立った演奏が見事にマッチし、楽曲の流麗さが倍増しています。また、モダンのアンサンブルではフルートを使うことが多い第2＆4番でリコーダーを起用、ソロ楽器の目立つ箇所では伴奏を各パート1人にするなど、《管弦楽組曲》で聴かせた時代考証スタイルの解釈も採用、モダン・スタイルへの融合が見事な演奏です。



Bach, J.S.: Brandenburg Concertos/Orchestral Suites/Violin Concertos


Brandenburg Concerto No.1 in F, BWV 1046
　Carl Pini
Brandenburg Concerto No.2 in F, BWV 1047
　Henryk Szeryng
　Michala Petri
　Heinz Holliger
　Andre Bernard
Brandenburg Concerto No.3 in G, BWV 1048
Brandenburg Concerto No.4 in G, BWV 1049
　Henryk Szeryng
　Michala Petri
　Elisabeth Selin
Brandenburg Concerto No.5 in D, BWV 1050
　Henryk Szeryng
　Jean-Pierre Rampal
　George Malcolm
Brandenburg Concerto No.6 in B flat, BWV 1051

Suite No.1 in C, BWV 1066
Suite No.2 in B minor, BWV 1067
　William Bennett
Suite No.3 in D, BWV 1068
Suite No.4 in D, BWV 1069

Violin Concerto No.1 in A minor, BWV 1041
Violin Concerto No.2 in E, BWV 1042
　Henryk Szeryng
Concerto for 2 Violins, Strings, and Continuo in D minor, BWV 1043
　Henryk Szeryng
　Maurice Hasson