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別れを告げない エクス・リブリス

ハン・ガン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560090916
ISBN 10 : 4560090912
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。
済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も……
いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。

【著者紹介】
ハン・ガン : 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒業。1993年、季刊「文学と社会」に詩を発表し、翌年ソウル新聞の新春文芸に短篇小説「赤い碇」が当選し作家としてデビューする。2005年、三つの中篇小説をまとめた『菜食主義者』で韓国最高峰の文学賞である李箱文学賞を受賞、同作で2016年にアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞する

斎藤真理子 : 翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で第一回日本翻訳大賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で“韓国文学翻訳院”翻訳大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    1945年の光復(日帝からの解放)から3年後の1948年に起きた済州島四・三事件(これは蜂起といった単純なものではなく、その後何年にもわたって尾を引き続け、アメリカ軍と韓国軍・警察等によって何万人もが命を奪われた)への、心からの哀悼を切々と語った物語。しかも、その哀悼には「別れを告げない」のであり、作家は終生それを抱え続けていくのである。「人間が人間に何をしようが、もう驚きそうにない状態…心臓の奥で何かがもう毀損されていて」と、それは半ばは諦念をもって語られる。済州島の情景は、そこが温帯の島であるにも⇒

  • 旅するランナー

    歴史·記憶の重み、そこから繋がる悪夢に取り憑かれた、二人の女性が生と死の狭間で紡ぐ究極の愛について。1945年に起きた済州島四·三事件をモチーフとする、ずしりと突き刺さる小説。「重たい、切ない愛が肌を伝って染み込んできたのを覚えている。骨髄に染み、心臓が縮むような…そのときわかったの。愛がどれほど恐ろしい苦痛かということが」心臓が割れるほどの激烈な奇妙な喜びを感じる、ノーベル賞も納得の一冊。

  • 佐藤(Sato19601027)

    知らないことは、恐ろしい。第二次大戦後の1948年4月3日、南側だけでの単独選挙に反対した済州島の島民が、本土から送られてきた軍・警察・極右団体により、虐殺されてしまう。この4.3事件の被虐殺者の遺骨収拾と発掘に生涯を捧げた女性・インソンの母親の物語を、現在の韓国に暮らす二人の女性(キョンハとインソン)の結びつきの中から、炙り出す。家族を失ったインソンの母親は、行方不明となった兄を探すため、遺骨収拾活動に参加していく。母親が亡くなった後、この思いはインソンに引き継がれる。(2024年ノーベル文学賞受賞)

  • R

    人間の根底に必ず潜む闇ともいうべきものが顕現した歴史に目を向けた小説。一種活動家の行動そのものと思うような、強い信念を感じながら読んだ。韓国で起きた白色テロの歴史について描き出し、事件を忘れないという意味における「別れを告げない」という意思表明が、この物語を愛としているのだそうで、作者にとてつもない強さを感じた。幻想小説のような雰囲気もあるが、描こうとしたものは事件の中にあっただろう思念や存念という形なきもので、それを忘れないと刻む鋭さを覚えた。

  • 道楽モン

    渾身の「訳者あとがき」から目を通して欲しい。「済州島四・三」という朝鮮における歴史的愚行(自国民によるジェノサイド)に関する基礎知識と時代背景を頭の片隅に設置すること。そして本編を読む。全世界を白く覆うかのような雪、雪、雪の執拗な描写は、生きる希望を失いつつある現実社会の絶望の象徴である。美しい文章の連なりに幻惑されつつ第二部以降、怒涛の地獄図、暴力装置と化した国家と正義をまとった愛国者による理不尽な大量殺人の描写に突入。最期には近親者の過ごした歴史を背に、女友達の愛と再生の物語となる。衝撃的な大傑作。

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