ハリー・ルーベンホールド

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切り裂きジャックに殺されたのは誰か 5人の女性たちの語られざる人生

ハリー・ルーベンホールド

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784791774999
ISBN 10 : 479177499X
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1888年ロンドン。5人の女性たちが2か月のあいだに殺された。この「切り裂きジャック」と呼ばれる殺人鬼がいまなお人びとの関心をひく一方で、被害者の5人の女性たちにはこれまで130年以上ものあいだ一筋の光もあてられてこなかった。家庭内における暴力、社会的な差別、そして貧困や病から助かることのできない構造。5人の女性たちのこれまで誰もひもとこうともしなかった人生を1頁ずつ丁寧にめくるとき、不合理に満ちた過酷な社会状況のなかで生きた彼女たちの姿が浮かび上がる。連続殺人事件の被害者の人生をよみがえらせ、社会の暴力をつまびらかにする、鬼気迫るノンフィクション。

目次 : イントロダクション―二都物語/ 第1部 ポリー/ 第2部 アニー/ 第3部 エリーサベト/エリザベス/ 第4部 ケイト/ 第5部 メアリー・ジェイン/ 結び―「ただの売春婦」/ 物が語る人生

【著者紹介】
ハリー・ルーベンホールド : 社会史家、著述家、ブロードキャスター、時代考証家。特に18世紀・19世紀英国の女性の生活を専門とし、これまで歴史の影に埋もれていた女性たちに光を当ててきた。ロンドン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    猟奇的な連続殺人が発生すると、犯人は誰で動機は何かに興味が集中する。切り裂きジャック事件でも犯人像の推理ばかりで、殺された5人の女は全員が娼婦とされてきた。そんな彼女たちの誕生から死までを綿密に調べ上げ、ロンドンの貧民街で身を売るまでに追い詰められた悲惨な実態を容赦なく告発する。病や貧困や酒、子沢山により何とか保っていた下層労働者の家庭が崩壊し、セーフティーネットもない時代に転落する女たちの生き様は哀しすぎる。平成以後の日本でも生きるため売春する女性が増え、座間9人殺害事件もあり昔の外国の話とは思えない。

  • がらくたどん

    19世紀末のロンドンを震撼させた連続殺人犯「切り裂きジャック」に殺害されたと思われる女性達の中の「公式認定被害者の五人」の人生を出生・洗礼・就労・婚姻記録といった一次資料を追うことで描き出した一般向け歴史書。クリスマスに聖夜の光が届かなかった深い闇を感じながら読んだ。夜の街頭(一人は安宿)になぜ彼女達が単身で居なければならなかったのかを困窮と女性の二重苦から解いていく。長期に渡り補強され続けた「売春中の事件」というラベルを剥がし、危険な場所での単独就寝中の被害を示唆した点は、現代への照射としても大きい。

  • たまきら

    切り裂きジャックは有名でも、被害者はむごたらしい写真さらされたあげく、「最底辺の娼婦」とまるで殺されて当然かのような扱いだ。けれども彼女たちには娘としての、妻としての、母親としての顔もあった。美しさを賞賛される人でもあった。こういう視点の本が丁寧な取材とともに出版されたことに胸が熱くなるが、女性がまた殺されたニュースを眺めながら、何も変わっていない状況に辛い気持ちになった。私たちの世界はいまだにあちら側とこちら側のままだ。

  • ぐうぐう

    画期的なノンフィクション。これまで数え切れないほどの切り裂きジャックに関する書籍が出版されてきたが、被害者の女性達だけにクローズアップした本はなかった。殺された彼女達は売春婦と紹介され、当時も、そして現代においても、そのレッテルは剥がされることなく、剥がす必要のない真実としてある。しかし、本当にそうなのか。著者は誰もが抱かなかった疑問からスタートし、5人の女性の足取りを辿り直し、彼女達が何者であったのかを丹念に丁寧に追っていく。(つづく)

  • TATA

    19世紀末近くのロンドンで起きた連続殺人、切り裂きジャック。本作は認定被害者とされた5人の女性の人生を詳細に伝える。悲劇の舞台となったホワイトチャペルは当時俗にいう貧民街、そこに流れ着くまでの女性たちの流転の人生。離婚、親族からの別離、そしてアルコール依存。身を持ち崩すのは容易であっても、この時代の英国は女性が一人で生きていける環境ではなかった。そしてその人生を殺人鬼により奪われるというラスト。ただ、その悲劇性よりもそこに至るまでの日々に重く冷たいものを強く感じる。きっと現代日本にも通じる中身。良作です。

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