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言葉と爆弾 サピエンティア

ハニフ・クレイシ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784588603396
ISBN 10 : 4588603396
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

なぜテロに走るのか。「人種差別と原理主義がどちらも他者を抽象物に還元することで生を枯らすのであれば、文化が力を注ぐべきは他者を生かし続けることである」。移民の子供たちがイスラム原理主義に傾倒する背景を、痛ましいほどの皮膚感覚で受け止め、神学や思想の言葉ではなく、現代の郊外を生きる人間の言葉で表現する。

目次 : 1 言葉と爆弾/ 2 虹のしるし/ 3 ブラック・アルバム/ 4 まさにこの道/ 5 俺の子が狂信者/ 6 ブラッドフォード/ 7 セックスと世俗文化/ 8 困難な対話を続けよう/ 9 文化のカーニバル

【著者紹介】
ハニフ・クレイシ : 1954年、ロンドン郊外のブロムリーに生まれる。父はインドのボンベイ(現在のムンバイ)生まれの移民でパキスタン大使館で働き、イングランド人の母は製陶所で絵師として働いていた。ロンドンのキングズ・カレッジに入学。作家になる夢を抱いていたが、大学では哲学を専攻する。卒業を待たずにロイヤルコート劇場の案内係として働きはじめる。1976年に自作の『熱を吸い込む』が上演され、劇作家としてデビュー。1990年には『郊外のブッダ』で小説家デビューを果たす

武田将明 : 1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授。デフォーとスウィフトを中心に研究すると同時に日本とイギリスの現代文学についての評論活動も行う。「囲われない批評―東浩紀と中原昌也」(『群像』2008年6月号)で群像新人文学賞(評論部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • テツ

    インド人とイギリス人との間に生まれたハーフの著者の視点で論じる「移民二世の若者たちがイスラム原理主義に傾倒していく理由」 破壊や殺人が必ず伴うテロ活動を容認することは絶対にありえないのだけれど、もうここから這い上がる方法がない(と感じてしまった)人間が、パラダイムシフトのための手段としてそうした活動すら是とする思想信条に救いを求めてしまうというのは想像できる。でもこの構造を何とかするって現実的には不可能だよなあ……。人間は平等になんてできない。勝手に満足してもらうしかないのだけれど、難しいよなあ。

  • 刳森伸一

    移民二世たちがイスラム教原理主義に走る理由と意味を問いただすエッセイ、ノンフィクションそして小説を収録する。原著の刊行が2005年と少し古いため、ISILのような最新の話題には触れていないが、その本質的な部分はあまり変わらないように思える。イスラム教原理主義に走る理由は、移民二世が直面している悩みや苦しみと直結しているのだが、だからといってテロなどを許すことはできない。場当たり的な対応ではなく、悩みや苦しみを直接緩和する施策の必要性を強く覚える。

  • Э0!P!

    イスラーム原理主義と人種差別が同根のものであることを論じ、その中でアイデンティティの基盤が脆くなり揺れ動く移民二世の心情を吐露する。不幸の原因を他責にし、過度に他者を一般化する動きが隆盛を極める中で文化の役割は何か。それは、他者の錯綜した姿を描き讃えていくとともにかけがえのなさを示していくことである。今こそ、私たちには人間讃歌が必要なのである。

  • 保山ひャン

    インド生まれの父とイングランド人の母をもつハニフ・クレイシのエッセイと小説。彼は「マイ・ビューティフル・ランドレット」の脚本家として有名。「イスラム原理主義は根本的に間違っていて、理不尽なまでに抑圧的で、しばしば残酷なものだと、ぼくは常々思っている。ただしそれが復活したさまざまな理由は理解できる」との立場で、ブラックパンサー、サルマン・ラシュディに対する死刑宣告、イラク戦争あたりをめぐる率直な意見が書かれている。彼は多文化主義、文化の必要性を説くが、それにいたる思考の軌跡が真摯で、考えさせられる。

  • よもぎ

    若者、とりわけ英国移民の第二世代、がイスラム原理主義に走るその理由をエッセイとフィクションを交えて説明してくれる。理解できない人たちだから、と思考停止していた私をもう一歩押し進めてくれた感じ。ちなみに著者は慎重に分析したうえで彼らを否定しているので、同情心を煽るわけではないです。ただ、原書の刊行が2005年なのはなあ…ISILについてクレイシの思いを聞きたかった。 というのは建前(?)で、著者には並々ならぬ思いをいだいている私にとって、訳者解説が至宝。彼に興味ない人にはどうだろうなー。

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