Books

いきている山

ナン・シェパード

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622095293
ISBN 10 : 4622095297
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

スコットランド北東部のケアンゴーム山群。深成岩塊が突き上げられ、氷と水の力により削られてできた約4000フィート(1219m)の山々、プラトーが広がり、湖や池が点在し、泉が湧く。この地にほど近いアバディーンに生を享けた作家ナン・シェパード(1893‐1981)は、生涯、この山に通い、この山を愛した。ナンの登山は、高さや速さを競うものではない。山の「内側」や「奥地」を求めて山に入る。山に会いに行き、山と共に過ごす。ナンは犬のように山々を歩き回る。五感を解放し、いきている山の営み―光、影、水、風、土、岩、木、草花、虫、鳥、獣、雨、雲、雪、人―に出会い直す。引き出しにしまわれていたこの作品は、時を経て、運命的に、山を愛する人々により見出された。そして今日、詩性溢れる文章で自然と肉体の交感を語るこの書は、あらゆる表現活動に関わる人々に影響を与えている。ネイチャーライティングの名作。

目次 : プラトー/ 奥地/ 山群/ 水/ 氷と雪/ 空気と光/ いのち―植物/ いのち―鳥、獣、虫/ いのち―人間/ 眠り/ 感覚/ 存在

【著者紹介】
ナン・シェパード : 1893‐1981。スコットランド北東部の村、ピーターカルターの中流階級の家に生まれる。1915年にアバディーン大学を卒業後、アパディーン地区養成センター(教員養成学校。現アバディーン大学教育学科)の講師となり、1956年に63歳で退職するまで同校で英文学を教え続けた。退職後は雑誌『アバディーン大学評論』の編集に精力的に取り組んだ(1957‐1963)。1928年The Quarry Wood、1930年The Weatherhouse、1933年A Pass in the Grampiansと立て続けに小説作品を出版、1934年には詩集In the Cairngprmsを発表。1964年アバディーン大学より名誉博士号を授与される。1944−45年ごろに執筆された『いきている山(The Living Mountain)』がようやく出版されたのは1977年のことだった。1981年、アバディーンの病院で死去、享年88

佐藤泰人 : 東洋大学文学部英米文学科准教授。Queen’s University of Belfast英文科博士課程修了(PhD)。専門および研究対象は英文学、とくに20世紀アイルランドおよびイギリス詩、山岳文学

芦部美和子 : 現在、一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程、東京都立大学非常勤講師。専門は英文学、現在の主な研究対象は山岳文学および女性作家による登山文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • キムチ

    ケアゴーム、プラトー、ネイチャーライティング。山と人との交感、いわばアニミズムともいえる不可思議な文だった。余りの衝撃で、これ 今年のベスト作に☆スコットランド北東部に位置する高原。が日本で言うそれとは全く、意を異にし、荒ぶる自然、遭難 死者は多々。水と氷が作り上げた天を突く様な岩陵帯。救助時遭難者の手足は、花崗岩で擦過した傷で血だらけと。教区〜そのエリアに固執しややもすると排他性を持つと言われる。筆者ナンはまさに・・しかし想い、文体は普遍的。英国長老派と道教の思想を交雑させた思惟が随処に見える。登山家、

  • yyrn

    執筆は1944年だが、まったく古さを感じさせない、山の持つ普遍的な魅力が静かに、かつ力強く伝わってくる素晴らしい本。一年の最後に読むのにふさわしい一冊だった。とても惹かれたので、この本の舞台、イギリス北部のスコットランドにあるケアンゴームという山岳地帯をgoogle mapを使って3Dの航空写真で見てみたが、う〜ん、日本の山と比べると正直、魅力に欠けて見える。文章でも述べられているように岩と低草木が広がる一見単調な高原型の低山地帯(プラトー)で、半年は雪に埋まり、雪がなければ強風が吹き荒れているらしい。⇒

  • 紫羊

    優れた山岳文学ではあるけれど、体力がなくて登山や山歩きの楽しみを知らない私には、どこか遠い世界の話でしかなかった。でも、最後の数章はぐっと心に迫ってきた。巻末に収められたロバート・マクファーレンによる2011年版のための長い序文にも書かれているように、どこか哲学書のようでもある。これは永久保存本棚へ。

  • taku

    深く豊かなネイチャーライティング。山と共に過ごした自分と敬愛する山が見せてくれた姿、体感させてくれたことを綴る言葉と感性が響く。山との親交、その本質を知っている著者はテクストの外へ何か問いかけるわけじゃない。五感を駆使して山と交流することも、知をもって言葉で表すことも到底及ばないけど、俺はこのように山と付き合ってますって80年前の彼女に語りかけてみたくなる。スコットランドで最も山深いケアンゴーム山群。馴染みのない場所を検索しながら、変わったことも変わらないこともある、いきている山を思い描いてみた。

  • アヴォカド

    素晴らしい。ナン・シェパードが日本語に翻訳されるのは初めてだそうである。このような本が訳出されるのは誠に喜ばしい。彼女の山は、高さや早さや、「初」かどうかや未踏ルートなどを競うものではなく、「山に在る」こと。山に在ることで、自分自身の中に在ること。私はほぼ毎日のように近所の里山を約1時間歩くけれども(もちろん彼女と比ぶべくもないが、比べるということ自体が既に意味がない)、野に身を置くことは標高や距離ではないものがあるなと感じる。よかった。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items