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アデスタを吹く冷たい風 ハヤカワ文庫

トマス・フラナガン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784151811012
ISBN 10 : 415181101X
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

復刊希望アンケートで二度〈第1位〉を獲得!妥協なき謎の解明者〈テナント大佐〉の短篇を含めた伝説的短篇集を文庫化。7篇収録。

【著者紹介】
トマス・フラナガン : 1923年、アメリカのコネチカット州に生まれる。「玉を懐いて罪あり」で「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」の年次コンテスト最優秀新人賞を受賞してデビュー。その後もテナント少佐を主人公にした「アデスタを吹く冷たい風」で同コンテストの第1位を獲得。1961年、日本で独自に編纂されて「ハヤカワ・ミステリ」から刊行され、同叢書の復刊希望アンケートで、1998年と2003年に二度、最多得票を得た

宇野利泰 : 1909年生、1932年東京大学独文科卒、1997年没、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    図書館では閲覧のみ、許された本だったので図書館内で読了。革命によって生まれた軍事独裁国家で起こる謎を解き明かすテナント少佐は渋い。しかし、彼の謎を解いた所で下す裁きはいつも苦い。「獅子のたてがみ」と首飾りが紛失した理由に共感してしまう「国のしきたり」も好きだけど、一番、印象的だったのは「良心の問題」。クルリと反転する加害と被害の関係に「キャンプ・サンダウン」をおもいだしてしまう。クスリと来たのは「うまくいったようだわね」。男ってバカだね〜。「玉を懐いて犯罪あり」は最後で明かされる探偵の名にニヤリ。

  • やきいも

    長い間発売されてなかった翻訳ミステリーの短編集です。早川書房が復刊希望の本のアンケートをとると必ず上位にランキングされてました。そんな幻の短編集がついにはじめての文庫化です。読んでてストーリーがわかりにくいところもややありますが、「しぶくて味のあるミステリー」を読みたい方は楽しめると思います。「自分らしく生きていく」事にこだわるテナント少佐が主人公の短編にはハードボイルド的な雰囲気が作品中に漂います。「玉を懐いて罪あり」は有名な密室物の短編です。

  • ペグ

    佳品揃いの7作品。4作に登場するテナント少佐の風貌は、痩身長軀、こけた頬、陰に隠れた眼、右脚を引き摺って歩くのは義肢のせい。寡黙で冷たい印象。しかし「共和国」と呼ばれるこの国でどのように事件を決着に向かわせることができるのか〜冷静沈着なテナントの描き方は秀逸。復刊されて読めるありがたさを感じつつも、黒原敏行氏、中山善之氏による訳を切望しています!

  • 雪紫

    「有栖川有栖の密室大図鑑」にて「北イタリア物語」の題名で紹介本。その「玉を懐いて罪あり」が密室を差し引いてもかなりユニークな作品でこれを読むだけでも価値があったかも(勿論他の作品も)。少しずつ隠していた事実が明らかになるこの感じ、たまらない。共和国とは名ばかりの独裁国で自分なりの信念を持つテナント少佐物もっとないかな(ない)と思う(だからこそ表題作のタイトルがとても良い)。テナント少佐の中だと特にいちおしは「獅子のたてがみ」。それ以外は「玉を懐いて罪あり」が特に良かった。

  • こら

    テナント少佐シリーズはまず舞台自体がナイス!独裁政権下の小国、起きる事件もこの設定ならではのもの。いぶし銀の渋みがキラリと輝く少佐の解決策もまた、一筋縄ではいかない所が独特の余韻を残してくれる。あと独特と言えば、歴史ミステリーの「玉を懐いて罪あり」。これは密室物になるのかな?こんなトリックがまだあったとは!最後に探偵役の名が明かされる演出も心憎い。美味しいところ取りの良短編集でした。

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