Poems to Martha, etc : Holzmair(Br)Ensemble die reihe, Wiener Motettenchor, etc

知られざる前衛！
エルンスト・トッホ作品集

エルンスト・トッホはオーストリア出身の作曲家で、当初は哲学と医学を学び、作曲は独学でした。1909年に作曲した室内交響曲ヘ長調が認められ、以後作曲に専念。しかしナチスが政権を取ると、アメリカに亡命、UCLAで教鞭をとりつつ、ハリウッドの映画音楽などを手掛けました。第二次世界大戦後はアメリカに残って活動を続け、1955年にピッツバーグ交響楽団によって初演された交響曲第３番はピューリッツァー賞を受賞しています。
　ここに収められた作品はいずれも亡命前の作品で、当時としてはアヴァンギャルド以外の何物でもありません。３部からなる『音声音楽（話し言葉による音楽）』はクルト・シュヴィッタースの影響が感じられる一種の音響詩で、最初の２曲はオノマトペ、３曲目は『地名によるフーガ』の名の通り、世界各地の地名が音響素材として語られています（その中には長崎、横浜の名も聴かれます）。『マルタへの詩』は後期ロマン派の香りが濃厚な作品で、『混声合唱とシュプレヒコール、打楽器のためのワルツ』は再び音響詩的な実験音楽。極めて興味深い作曲家です。（東武トレーディング）

【収録情報】
トッホ：
1.　音声音楽（話し言葉による音楽）〜3部からなる組曲（オーア／タ・タム／地名によるフーガ）
2.　マルタへの詩〜弦楽と中声のための五重奏曲 Op.66
3.　シュプレヒコールと打楽器のためのワルツ
4.　舞踏組曲 Op.30

　ウィーン・モテット合唱団（1,3）
　イングルン・フッセネッガー（指揮：1,3）
　ヴォルフガング・ホルツマイアー（バリトン：2）
　アンサンブル・ディ・ライエ（2,4）
　ゼバスティアン・アイグナー（打楽器：3）
　ゴットフリート・ラブル（指揮：4）

　録音時期：2010年6月（1,3,4）、2011年6月（2）
　録音場所：ウィーン、ORFラジオクルトゥーアハウス
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ：1,3,4　セッション：2）