トゥール:オキシモロン
1959年、エストニア生まれの作曲家エリッキ=スヴェン・トゥール(1959〜 )。アカデミックな作曲技法と同時に、自分がグループを結成し培ったロックの語法を合わせ持つミニマル、コラージュ、復古主義的旋法、様々な要素が入り乱れた洗練された作風が特徴。彼の最新作は日本語では「撞着(どうちゃく)話法」と訳されるオキシモロン(「矛盾語法」と呼ばれることもあります)。
トゥール自身の作曲ノートにも「私の知的エネルギーと情緒は、しばしば蓄積されて拡散されて、また再度蓄積される。作品は膨張して縮小される音のドラマである。リズムの面でも反復的なリズム対不規則なリズム、爆発的な力と瞑想。全てにおいて相反する“諸物併置(juxtapositions)”に興味を抱いている」と書かれています。その他、彼の様々な作風の作品がぎっしり詰まった1枚。(ユニバーサルIMS)
トゥール:
・男声合唱とアンサンブルのためのサルヴェ・レジーナ(2005)
・“Ardor”マリンバとオーケストラのための協奏曲(2001/2002)
・ヴァイオリンとピアノのためのディディケーション(1990)
・大アンサンブルのためのオキシモロン(2003)
ペドロ・カルネイロ(マリンバ)
レホ・カリン(チェロ)
マリット・ゲレッツ・トラクスマン(ピアノ)
エストニア国立交響楽団
オラリ・エルツ(指揮)
録音:2006年6月(“Ardor”のみ2003年3月)