Piano Works Vol.9 : Jordi Maso(P)

トゥリーナ：ピアノ作品集　第９集
ホルディ・マソ

トゥリーナのピアノ作品集も第９集。ステキなこれらの曲が何故あまり知られていないのか、と疑問に思うばかりですが、恐らく曲の持つ力を存分に引き出せるピアニストがマソ以外にいなかったのかも知れません。今作も何とも刺激的で魅力的な曲ばかりが集められています。
　アルバムに収録されている作品は作曲年の順を追って並べられており、はじめから聴いていくと彼の作風の熟成が見て取れるという趣向です。初期の作品である『セビリャの街角』は、民族的な素材をフランス風に料理した軽妙な作品。当時、印象派に影響を受けていた彼らしい音楽と言えるでしょう。それから30年ほど経過して、トゥリーナが同じセビリャの風景を音楽にした時に生じる作風の変遷は、とても見事なものであり、彼がどれほどまでに「自らの音楽」を創り上げたかが瞬時に理解できるのではないでしょうか。（NAXOS）

【収録情報】
トゥリーナ：
・セビリャの街角 Op.5（1911）（テラスで夏の夜／子どものためのロンド／セイシス大聖堂での踊り／雄牛）
・組曲『ヒラルダの伝説』 Op.40（1926）
・セビリャの通りに Op.96（1943）（塔の上の反射／慈悲の聖母の前に／シエルペル通り）
・コンテンプラシオン−熟考 Op.99（1944）（フラ・アンジェリコの「受胎告知」／エルチェの貴婦人／ベラスケスの「ブレダの開城」）
・我が家のテラスにて Op.104（1947）（アラビア風の網戸の影／街のハーモニー／花のシンフォニー）

　ホルディ・マソ（ピアノ）

　録音時期：2012年7月27-28日
　録音場所：スペイン、ヤフレ、アウディトリウム
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）