アンナとロッテ

テッサ・デ・ロー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784820399179
ISBN 10 : 4820399179
フォーマット
発行年月
2004年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
19cm,535p

内容詳細

幼い双子の姉妹アンナとロッテ。両親を亡くし、アンナはドイツの貧しい農家に、ロッテはオランダの裕福な家庭に引き離される。数十年の時を経て再会したふたりは、お互いの人生を語り合う…。

【著者紹介】
テッサ・デ・ロー : 1946年生まれ。父は化学者、母は声楽家であった。ユトレヒト大学でオランダ文学とオランダ語を専攻、数年間教職に就いたのち1983年に短編『De Meisjes van der suikerwerkfabriek(キャンディー工場の少女たち)』で作家デビュー。1993年に発表した『アンナとロッテ』は世界でベストセラーに

戸谷美保子 : 青山学院大学英米文学科卒業。KLMオランダ航空フライト・アテンダントとして勤めたあと、オランダ居住。神沢利子作「くまの子ウーフ」(ポプラ社)をオランダ人翻訳家と共同翻訳。オランダ放送局NOS、NOBなどでフリーランス翻訳家として活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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映画になっています。国家予算なんてことか...

投稿日:2010/04/21 (水)

映画になっています。国家予算なんてことから入ります。                      by 小宮山隆央 1923年11月25日にドイツでは、1ドルが4兆2千億ライヒスマルク換算のレートを記録しているそうです。 『ヒトラーに抱きあげられて』ドイツの少女の回想録の出だしに記載されています。 オランダの女性作家、テッサ・デ・ロー原作の、数奇な運命に翻弄される双子の姉妹の生涯を描いています。 主演はドイツのナディヤ・ウールと、オランダのテクラ・ルーテン。 2つの国にわかれて暮らす双子の姉妹が、ナチス・ドイツ側とドイツ占領下のオランダに生き、 それぞれの立場でその時代を懸命に生きてゆく姉妹の生から死までを映像にしています。 ヨーロッパで大ヒットを記録し、2004年度アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされている重厚感のある作品です。 1926年、ドイツのケルン。 両親を亡くした双子の姉妹、アンナとロッテは、ドイツの農家とオランダの裕福な家庭にそれぞれに引き取られます。 『アンナとロッテ』は、双子の姉妹がドイツとオランダに別れて育つ境遇です。 アンナは親衛隊将校の妻に、ロッテはユダヤ人の妻になり、戦争の時代の花嫁となります。 (婚約者のユダヤ人男性が強制収容所に連行されて消息不明になり、婚約者の弟さんと結婚する) 「ドイツを許せない」と 「ドイツに一所懸命に生きただけ」「何故許されないかわからない」 姉妹の心が、引き裂かれてしまいます。 親衛隊将校の妻になる女性であっても養父に障害があると出生記録に虚偽を記載されてお役所から不妊治療を強制されそうになります。 不妊治療の強制の告知を『こちらの従業員で…ハンディキャップで・・・不妊治療・・・』と雇用主にお役人が一通り話したところが、当のご本人です。  『調べもしないで』と怒鳴り飛ばしてお役人を退散させますが、ひとつ間違えれば不妊の身です。 このお役人はどのような組織の所属でしょう、もし自分が人事異動で配置されたらどうでしょう、 政策の徹底が末端にまで行き届くから組織で、お役所ですから役所勤めも心労が絶えません・・・・ この当時にドイツから出国や出国希望者はどれだけあったのでしょうか、 これが当時の日本だったらどうでしょう、映画「サウンド・オブ・ミュージック」のフォン・トラップさん一家みたいに外国へ亡命と考えが働くでしょうか、 その地で一所懸命に生きたこともどれだけの結果が得られるのでしょう、単に「国が悪い」だけでよいのでしょうか・・・・ お互いに戦争の災厄の内に夫を亡くしています。 妹の夫はユダヤ人であるがために、ナチス親衛隊に殺されたと、ホロコーストの主体である親衛隊を忌避する姉妹の愛憎があります。 姉の夫は、親衛隊将校となります。 親衛隊で募集があり、厚遇でもあり、応募し、合格し、訓練され、将校になり、国の政府の機関とも言える組織、親衛隊のエリートとなります。 親衛隊将校でも、武装親衛隊で勤務していて、ホロコーストや収容所には直接関係がありません。 国・党の諦観をなす戦闘部隊の将校の立場で戦死しますから、双子姉妹の夫らを殺戮したとの意識はありません。 各々はそこに偶然居合わせた人生を懸命に生きています。 小宮山隆央

小宮山隆央 さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ぽけっとももんが さん

    第二次大戦中のドイツで、ユダヤ人や軍人やそれに近い人たちの物語はたくさん読んだけれども、その悲劇の狂乱の中、良き隣人であったはずのドイツ人たちは何をしていたのか。「わたしたちはちっとも知らなかった」、なぜなら興味もなかったし、誰も教えてくれなかったから。6歳で離れ離れになったアンナとロッテ。ドイツで軍事看護婦となったアンナと、オランダの裕福な家庭に育ったロッテ。彼女たちの人生は遠く隔たってしまった。最後はある意味ハッピーエンドだったのだろう。しかし直訳っぽい文章には少々手こずった。

  • mimm さん

    今頃初読み。アンナに気持ちが加担して、ロッテは何で分からないのーとかイラついてしまったり。でも子供がいたらアンナも歩み寄らなかったのかな、と思ってしまったり。双子が別々の対立する世界で生きてしまった残酷さ。でも日常ありえることかもとふと感じたり。スケールは違うけど。「他人の言葉を鵜呑みにしないで、自分でよく考えること」作者様からのメッセージは今特に。必要なことなんじゃないかと思いました。

  • Junko ama NANA さん

    「私たちは知らなかった」 頑なにアンナを拒絶するロッテを通して、対ドイツに対する他のヨーロッパ人の心情を知る。本来、一番近しいはずの双子と通じ合えなかった過去が、さらに憎悪に輪をかける。 ドイツ人に対する怒り。双子に対する怒りが絡み合ったロッテの氷を溶かす事は出来なかった。

  • ゆきのこ さん

    二人の聡明な少女が、異なる環境のなかで何を見、感じ、育ってきたか。その思考や価値観が獲得されていったか。そしてどうしたら歩み寄れるのか。

  • にゃん さん

    第二大戦時に敵対していた国同士のわだかまりを、本来なら一番分かり合えるはずの双子の姉妹のそれぞれの視点から語らせ、すれ違わせることによって浮き彫りにしている。ドイツ側のアンナの物語に自分がすごく感情移入してしまうのは、同じ敗戦国の国民だからか、戦争を直に体験していないからなのか。姉を理解したいと思う気持ちを素直に受け入れられないロッテの心情描写がとてもリアルで、とても切なかった。

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テッサ・デ・ロー

1946年生まれ。父は化学者、母は声楽家であった。ユトレヒト大学でオランダ文学とオランダ語を専攻、数年間教職に就いたのち1983年に短編『De Meisjes van der suikerwerkfabriek(キャンディー工場の少女たち)』で作家デビュー。1993年に発表した『アンナとロッテ』は世

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