CIA秘録 その誕生から今日まで 上 文春文庫

ティム・ワイナー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167651763
ISBN 10 : 4167651769
フォーマット
出版社
発行年月
2011年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,608p

内容詳細

諜報によって第二の真珠湾攻撃を防ぐべく創設されたアメリカ中央情報局=CIA。だが、その60年に及ぶ歴史は、失敗と欺瞞の連続だった。トルーマンからクリントン、ブッシュJr.の時代まで、超大国の諜報機関がいかに転落の道を歩んだか、5万点を越す機密解除文書、300人以上の証言など、すべて実名の情報で明らかにする驚愕の書。全米図書賞受賞。

目次 : 第1部 トルーマン時代―1945‐1953(「諜報はグローバルでなくては」誕生前/ 「力の論理」創設期/ 「火をもって火を制す」マーシャル・プラン/ 「最高の機密」秘密工作の始まり/ 「盲目のお金持ち」鉄のカーテン/ 「あれは自殺作戦だ」朝鮮戦争/ 「広大な幻想の荒野」尋問実験「ウルトラ」)/ 第2部 アイゼンハワー時代―1953‐1961(「わが方に計画なし」スターリン死す/ 「CIAの唯一、最大の勝利」イラン・モサデク政権転覆/ 「爆撃につぐ爆撃」グアテマラ・クーデター工作/ 「そして嵐に見舞われる」ベルリン・トンネル作戦/ 「別のやり方でやった」自民党への秘密献金/ 「盲目を求める」ハンガリー動乱/ 「不器用な作戦」イラク・バース党/ 「非常に不思議な戦争」スカルノ政権打倒/ 「下にも上にもうそをついた」カストロ暗殺計画)/ 第3部 ケネディ、ジョンソン時代―1961‐1968(「どうしていいか、だれにも分からなかった」ピッグズ湾侵攻作戦/ 「われわれは自らも騙した」キューバ・ミサイル危機1/ 「喜んでミサイルを交換しよう」キューバ・ミサイル危機2/ 「親分、仕事はうまくやったでしょう」ゴ・ディン・ディエム暗殺/ 「陰謀だと思った」ケネディ暗殺/ 「不吉な漂流」トンキン湾事件)

【著者紹介】
ティム・ワイナー : ニューヨーク・タイムズ記者。1956年ニューヨーク生まれ。CIA、国防総省などのインテリジェンスを30年近くにわたってカバーしている。ニューヨークのタウン紙『ソーホー・ニュース』からそのキャリアをスタートし、『フィラデルフィア・インクワイアラー』に移籍、調査報道記者として国防総省、CIAの秘密予算を明るみにだし、1988年ピューリッツアー賞を受賞。1993年『ニューヨーク・タイムズ』紙に移籍、99年までワシントン支局でCIAを担当

藤田博司 : 1937年生まれ。元共同通信記者。サイゴン支局員、ニューヨーク支局長、ワシントン支局長、論説副委員長などを経て、1995‐2005年上智大学教授、05‐08年早稲田大学客員教授

山田侑平 : 1938年生まれ。人間総合科学大学名誉教授。元共同通信記者。ニューヨーク支局員、ブリュッセル支局長などを経て、2000年から人間総合科学大学で教鞭をとる

佐藤信行 : 1937年生まれ。元共同通信記者。ロンドン支局員、東欧特派員、テルアビブ支局長、ワシントン支局長、外信部長、編集委員室長などを経て、1997‐2003年和歌山大学教授。74年度ボーン国際記者賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • fseigojp さん

    創生期はイギリス情報部に全然及ばなかったようだ

  • CTC さん

    11年文春文庫、単行本も文春08年。著者はピューリッツァー賞受賞記者。本書は5万点以上の機密解除文書と300人以上への直接取材に基づくCIA通史。「パールハーバーのような奇襲攻撃を事前に大統領に警告する」ための諜報機関として生まれながら、ソ連の秘密を盗む事も、かつて支援したイスラム戦士がテロリストになり米国に敵することも、それに対し適切に行動することもできなかったCIA。著者は「世界をありのままに見る目を持たなければ」米国も大国として継続できない、と“警世の書”として本書を刊行したという。凄い本です。

  • ほよじー さん

    ★★★戦後CIAが選んだのはA級戦として巣鴨拘置所に収監されていた岸信介だった。東条英機ら7名のA級戦犯の死刑執行の翌日、岸は児玉誉士夫らと釈放される。7年後岸は首相へ変身した。岸が舵を取る自民党は民主主義でなく帝国日本右派の封建的指導者をメンバーとした。岸は米軍基地を日本に維持し核兵器を配備する代わりに米国からの政治的支援を求めた。CIAから自民党への秘密献金は少なくとも15年続き、日本での自民党一党支配を強化した。CIAのホーレス・フェルドマンは「我々はマッカーサーとは別のやり方でやった」と言った。

  • 筑紫の國造 さん

    世界で最も有名な諜報機関である、CIAの内幕を追った書。上巻は誕生からトンキン湾事件まで。本書で暴露されるCIAの姿は映画などで描かれる「凄腕の諜報機関」のそれとは大きく違い、「失敗の歴史」とでも呼びたくなるようなものだった。本来の任務である諜報を忘れ、秘密工作に没頭。しかもそのほとんどが失敗し、多大な犠牲を出して終わった。時にその姿勢を糺そうとする試みも行われたが、そのことごとくが失敗している。こんな組織が超大国アメリカの諜報機関であることに驚きを隠せない。

  • Hiroshi さん

    中央情報局(CIA)の創設からの60年を直接取材と一次資料に基づいて書かれた本。現代史を知っていることが前提になっている。上巻はトンキン湾事件まで。諜報とは海外で起きたことを理解し情勢を変えること目指す秘密行動だ。アメリカはこれまで一貫してそうした諜報組織を持たなかった。第2次大戦中に第二のパールハーバーを防ぐ目的でルーズベルトは戦略事務局(OSS)を創設した。ドイツに勝った後、トルーマンは戦争機構を解体するつもりだったが、ソ連に対して無防備を覚り戦略事務部隊(SUU)が引継ぎ、47年にCIAが発足する。

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