ツィンマーマン、ベルント・アロイス(1918-1970)

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CD 輸入盤

ユビュ王の晩餐のための音楽、1楽章のシンフォニー、他 ペーター・ヒルシュ&ケルンWDR交響楽団

ツィンマーマン、ベルント・アロイス(1918-1970)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
WER7340
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Germany
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


ベルント・アロイス・ツィンマーマンならではの
コラージュが駆使された『ユビュ王の晩餐のための音楽』収録


ベルント・アロイス・ツィンマーマンは、1938年からケルンで音楽の勉強を始めましたが翌1939年、第二次世界大戦がはじまるとともに徴兵されました。3年兵役につきましたが、有毒物質が原因の慢性的な皮膚病を患ったため、任を解かれます。この経験による、戦争、そして時間現象についての分析は短い期間に書かれた作品を特徴づけるものとなっています。このCDに収められた作品は、ツィンマーマンの音楽の特徴である、ひとつの作品の中で様々な時間軸が存在し、史実性(物語性)が取り除かれたものが並びます。
 1952年の交響曲の初演は手ひどく批評されました。ツィンマーマンは「より経験を積んだオーケストラ書き」になることを約束し、ただちに作品を書きなおし、タイトルを『1楽章のシンフォニー』と改めました。この改訂の中で、ツィンマーマンは作品を短くし、いくつかの形式要素も縮めました。この録音は、手ひどく批評された初版(「交響曲」)に基づいた世界初録音。
 『Giostra Genovese(バレエ組曲)』は16、17世紀の舞曲の形式に則り、新旧の作曲家たちの作品の引用がちりばめられています。
 『ユビュ王の晩餐のための音楽』は、1965年、ツィンマーマンがベルリンの芸術院のメンバーに迎えられた時に作曲されたもの。過去の他の作曲家、およびツィンマーマン自身の音楽作品のコラージュ(貼り合わせ)とデコラージュ(原画・原作の一部を破るなどする)だけで構成された作品。『ユビュ王』はアルフレード・ジャリの戯曲で、独裁者にのし上がった田舎のブルジョワを風刺した作品(1888年)。ダダイストやシュールレアリストに大きな影響を与え、ツィンマーマンは1961年の作品でもユビュ王を題材にしています。今日にいたるまで、あらゆる音楽作品の中でも、ダークで刺激的で、政治的に問題がある作品とみなされています。(輸入元情報)


【収録情報】
ベルント・アロイス・ツィンマーマン:
● 1楽章のシンフォニー〜大オーケストラのための (1951)
● Giostra Genovese 亡き巨匠の古い舞曲〜小オーケストラのための (1962)
● 弦楽オーケストラのための協奏曲 (1948)
● ユビュ王の晩餐のための音楽〜7つの部分とアントレのバレエ・ノワール (1966)

 ケルンWDR交響楽団
 ペーター・ヒルシュ(指揮)

 録音時期:2013、2015年
 録音方式:ステレオ(デジタル)

収録曲   

  • 01. Sinfonie in Einem Satz
  • 02. I. Introduzione
  • 03. II. Pavane I
  • 04. III. Moresca
  • 05. IV. Pavane II
  • 06. V. Finale
  • 07. I. Introduktion
  • 08. II. Aria
  • 09. III. Finale
  • 10. Entre de L'acadmie
  • 11. Ubu Roi, Capitaine Bordure Et Ses Partisans
  • 12. Mre Ubu Et Ses Gardes
  • 13. Pile, Cotise Et L'ours
  • 14. Le Cheval Phynances Et Les Larbins de Phynances
  • 15. Pavane de Pissemblock Et Pissedoux
  • 16. Bercuese Des Petits Financiers Qui Ne Peuvent Pas S'endormir
  • 17. Marche Du Dcervellage

ユーザーレビュー

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今年はレナード・バーンスタインだけでなく...

投稿日:2018/12/23 (日)

今年はレナード・バーンスタインだけでなく、ベルント・アロイス・ツィンマーマンの生誕百周年でもあった。生地ケルンではロト指揮、パドリッサ演出による『兵士たち』の新演出上演があり、夏のザルツブルクではネルソンズ/ウィーン・フィルがトランペット協奏曲を演奏したりしたが、日本では特に記念演奏会もなかったような。というわけで、年が明けないうちにCDを一枚紹介しておこう。『一楽章の交響曲』初稿版の初録音というのを売りにしているが、いま聴くといかにも1950年代の前衛音楽で、そんなに面白い曲でもない。『弦楽のための協奏曲』はもっと古風な新古典主義の音楽で、ほとんどバルトーク。やはり面白いのは1960年代の二つの作品。『ジェノヴァの回転木馬』はオーランド・ギボンズ、ウィリアム・バードらルネサンス〜バロック期の作曲家の作品を小管弦楽のために編曲したものだが、ストラヴィンスキー『プルチネッラ』のような素直な編曲ではなく、とても凝った作り。パヴァーヌ(第2曲)とパヴァーヌU(第4曲)は同じギボンズのメロディーの別アレンジ版であり、全5曲がシンメトリックに配置されているのが、おそらく題名(ジェノヴァの渦巻き、とも読める)の由来であろう。そして最も面白いのが『ユビュ王の晩餐のための音楽』。1965年にベルリンの芸術アカデミー会員に推挙された返礼に作曲家が提出したのが、この「すべてが引用でできている」冗談音楽。すべての引用元を聞き取るのはベリオ『シンフォニア』の第三楽章並みに至難だが、幾つかの旋律はすぐに分かる。なかでもシュトックハウゼン『ピアノ曲IX』の冒頭和音がオスティナート風に延々と繰り返される上に、「ワルキューレの騎行」と「断頭台への行進」(『幻想交響曲』)を、ラジオのチャンネルをザッピングするように切り替えながら突進する終曲「授賞式への行進」はド迫力の傑作。ネイティヴ・スピーカーによれば、こういうどぎついブラック・ユーモアは中西部ドイツ人の特色だと言うが、ケルンのカーニヴァルの馬鹿騒ぎなどに一脈通ずるものかな。ケルン放送響は相変わらず上手く、ネット上にある(音だけ)ギーレン/ケルン放送響の迫力には一歩譲るが、音の良さはCDが断然優るし、翌年に出たベルンハルト・コンタルスキー/シュトゥットガルト放送響の録音よりはこちらが上。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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