CD 輸入盤

ダウランド:メランコリー、ブリテン:ダウランドによる夜想曲 パスカル・ボエル

ダウランド(1563-1626)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
BRL97013
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Holland
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


放浪音楽家ダウランドの魅力をブリテンと共に引き出すギター演奏

ダウランド:メランコリー、ブリテン:ダウランドによる夜想曲
パスカル・ボエル(ギター)


イギリス的な作曲家といわれるダウランドは実は放浪キャリアが長く、イギリスに戻ったのは43歳の時。しかし様々な経験を積んだダウランドの音楽の表情は、「メランコリー」と打ち出しながらもマイナス感情一辺倒になることはありません。人生経験の豊富さゆえでしょうか。組み合わせのブリテン「夜想曲」はダウランド作品をアレンジしたものですが、パスカル・ボエルはダウランドのオリジナル作品もリュートではなくギターで弾いているため、ここではシームレスに繋がる良さがあります。

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 ダウランドの顔

代替絵画使用の伝統

ダウランド[1563-1626]の肖像画は存在が確認されておらず顔はわかってません。そのためCDやコンサート、出版物、あるいはWeb記事などでは、多くの肖像不詳の作曲家の場合と同じく、同時代を象徴する風俗画や人物画が代わりに用いられてきました。
  ダウランドの場合、特に多かったのがソールズベリー伯爵ロバート・セシル[1563-1612](下の画像の中央)の肖像画で、たまにウィリアム・バード[1543-1623]や詩人のジョン・ダン[1572-1631](下の画像の左側)の肖像画も登場しています。

音楽家による想像画の登場

事態が変わったのは、1981年に英hyperionがダウランドのLPを発売した時のことです。演奏者の一員であるリュート奏者が、アルバム用にダウランドの顔を想像して描き、その絵がジャケット正面に大きく掲載されたのです(下の画像の右側)。LPサイズでインパクトもあったことから、その「想像画」はダウランドの「肖像画」と誤認されるようになり、CD時代になって絵の隅にある1981年の署名が小さくて見えにくくなると誤認がさらに広まり、いたるところでダウランドの肖像画として用いられるようになってしまいます。

ダウランド陰気説への誘導?

死後355年を経て音楽家が想像で書いたものが、広く肖像画として使用されてしまうというなんとも奇妙な話ではあります。しかし、そのLPで解説も書いていたダウランド研究者でリュート奏者のダイアナ・ポールトン[1903-1995](ドルメッチの弟子)が1972年に出版した大著「John Dowland」で唱えた「ダウランド陰気説」に合わせたかのような、気難しそうな表情のその「想像画」は賛否が分かれるところでしょう。ダウランドの作品の多くが陰気ではないことを考えると、ニュートラルな表情のソールズベリー伯爵やジョン・ダンの肖像画代用の方がまだ良さそうな気もします。


CDに使用された肖像画

今回のCDの表紙を飾るのは、イギリスの画家ヘンリー・ボーン[1755-1834]が1817年に描いたハンズドン夫人アンの肖像画。この絵は、ハンズドン男爵夫人アン[1529-1607]がパフ(袖の膨らんだ服)を着た姿を描いた16世紀の肖像画をリメイクしたもので、その元の肖像画は、CDのトラック4に収録された「ハンズドン夫人のパフ」のインスピレーション・ネタでもあります。ハンズドン夫人の肖像画はほかに2点ありますが、パフを着ているのはこれだけで、さらにダウランドがイギリスに戻ったのは43歳の時で、アン(元ハンズドン夫人)は翌年には78歳で世を去っているため、絵画からのインスピレーションと考えるのが妥当です。



 演奏者情報

◆ パスカル・ボエル(ギター)

パスカル・ボエルは、10弦ギターのスペシャリスト。パリ・エコール・ノルマル音楽院で学んで演奏家としての学位を取得し、母校パリ・エコール・ノルマル音楽院の教授に就任。以後、ソロ演奏やコンチェルト演奏のほか、室内アンサンブルでも活動。10弦ギターの演奏に力を入れており、低音域の拡大によってバッハの組曲なども忠実に演奏することができるようになりました。



 トラックリスト (収録作品と演奏者)

ジョン・ダウランド [1663-1726]
◆ メランコリー
1. ファンタジー [P1a] [4:15]
2. もっとも気高く偉大なデンマーク王クリスティアヌス4世のガリアード [P40] [3:01] 2.
3. 憂鬱のガリアード [P25] [2:42]
4. ハンズドン夫人のパフ [P54] [1:43]
5. ディゴリー・パイパー大尉のガリアード [P19] [2:43]
6. フォーローン・ホープ・ファンシー [P2] [3:40]
7. フェルディナンド・ダービー伯爵のガリアード [P44a] [3:04]
8. 最も神聖なエリザベス女王のガリアード [P41] [1:18]
9. ファンシー [P6] [2:56]
10. 名誉あるエセックス伯爵のガリアード [P42a] [1:57]
11. タールトンのライゼレクション [P59] [1:33]
12. ダウランドの最初のガリアード [P22] [1:51]
13. ファンシー [P73] [3:28]
14. フォーチュン [P62] [2:14]
15. ウィロビー卿のおかえりなさい [P66a] [1:04]
16. ミニャルダ [P34] [3:37]
17. 空想 [P5] [2:28]
18. ダウランドさんの真夜中 [P99] [1:23]
19. ラクリメ [P15] [6:21]

ベンジャミン・ブリテン [1913-1976]
◆ ジョン・ダウランドによる「夜想曲」 Op.70
20. 瞑想するように [2:50]
21. 非常に興奮して [1:04]
22. 休みなく [1:34]
23. 不安げに [1:25]
24. 行進曲のように [1:33]
25. 夢見るように [2:24]
26. 優しく揺れて [1:28]
27. パッサカリア [8:02]

  パスカル・ボエル(ギター)

  録音:2022年12月7〜9日、フランス、パリ

 Track list

John Dowland 1663-1726
Benjamin Britten 1913-1976
Melancholy, Nocturnal

1. A Fantasie [P1a] [4:15]
2. The Most High and Mighty Christianus the Fourth, King of Denmark, His Galliard [P40] [3:01]
3. Melancholy Galliard [P25] [2:42]
4. Lady Hunsdon's Puffe [P54] [1:43]
5. Captain Digorie Piper's Galliard [P19] [2:43]
6. Forlorn Hope Fancy [P2] [3:40]
7. The Right Honourable Ferdinando Earl of Derby, His Galliard [P44a] [3:04]
8. The Most Sacred Queen Elizabeth, Her Galliard [P41] [1:18]
9. A Fancy [P6] [2:56]
10. The Right Honourable Earl of Essex, His Galliard [P42a] [1:57]
11. Tarleton's Riserrectione [P59] [1:33]
12. Dowland's First Galliard [P22] [1:51]
13. A Fancy [P73] [3:28]
14. Fortune [P62] [2:14]
15. My Lord Willoughby's Welcome Home [P66a] [1:04]
16. Mignarda [P34] [3:37]
17. A Fancy [P5] [2:28]
18. Mr. Dowland's Midnight [P99] [1:23]
19. Lachrimæ [P15] [6:21]

Benjamin Britten 1913-1976
“Nocturnal" after John Dowland Op.70
20. Musingly [2:50]
21. Very agitated [1:04]
22. Restless [1:34]
23. Uneasy [1:25]
24. March-like [1:33]
25. Dreaming [2:24]
26. Gently rocking [1:28]
27. Passacaglia [8:02]

Pascal Boëls guitar
Recording: 7-9 December, Paris, France Recording engineer: Igor Kirkwood Mastering: Jean-Luc Ohl

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